34話 厄介なご近所さん
「よう!今日からご近所さんになるけど、よろしくな!」
ワイハー旅行から帰った僕らは、早速王都の空き家を借りて、パーティーハウスとして拠点にする手続きを行った。
Cランクパーティーの僕らの拠点には、ギルドから2割の家賃補助が出るらしく、実質的な負担は月に20万ルエンで済んだ。
続いて、学院長にパーティーハウスに住む申請をしたんだけど…
「お前ら学生の分際で、随分と派手に使ってくれたじゃないの?」
そう。僕らのパーティーハウスの監視役は、あのジェニス教官だ。
旅行の支払いは自分達の買い物以外、全て教官の決済カードを使ったので、当然請求は教官に行く訳で…
相当根に持ってるな。
「何ですか、この下等生物は?
主人様の御前です。
態度を改めないと、ブレスで消し炭に致しますわよ?」
「ほう、お前が例の古代火竜か。
面白え。やれるもんならやって見やがれ!」
うわぁ、フィリスが絡んじゃいけない人に喧嘩を吹っかけたぁ!
教官もヤル気になってるし。
「ちょ、ちょっと!フィリス!
この人は、僕たちの学校の教官だから!」
「失礼致しました、主人様。
そこの屑人間、主人様の御温情に感謝なさい。寛大な主人様のお陰で、この世から消されずに済んだのです」
「何だとテメエ、ちょっと竜だからって調子に乗るんじゃねえぞ」
「ちょっと!教官もやめて下さいよ!
フィリスを攻撃しようとするなら、マジで体を爆破しますよ?」
僕の咄嗟の機転で、何とか場は収まった。
実際両者が激突したら、本当に教官は消し炭にされてしまう。
人化しても、フィリスの魔力は膨大だ。
教官もそこそこ強いみたいだけど、フィリスとの差は明白である。
「って言うか、今日は挨拶をしに来ただけですか?
僕らは引越しで忙しいんですけど」
「ああ、挨拶だけなんだが、一つ釘を刺しておきたくてな」
「何ですか?釘を刺す事って?」
「お前らセックスはするなよ!絶対セックスはするなよ!」
こ、コイツ…正気か?
大人が学生に何を言ってるんだ?
「別に学則では禁止されてないでしょう?
王国の法律だって14歳から結婚を認められてますし、何の権利が合って禁止するんです?」
何故かレインが教官に噛み付いた。
そんなにする気満々なのか?
「教官の俺に女が居ねえのに、何だお前らは!
めちゃくちゃ可愛い女を侍らせてニタニタしやがってヨォ!
俺にも可愛い女を紹介してくれやぁ!」
うん、フィリスの言う通り、屑人間だなぁ。
生徒に女の子を紹介しろっていう教官ってどうなの?
僕らが冷めた視線をぶつけると、教官は涙目になってダッシュで去っていた。
「良し!盗聴の魔導具を仕込んで行ってないか確認するか!」
「あの人、アンタとミアちゃんの担任なんでしょ?
そんなに信用出来ないの?」
「寧ろあの姿を見て、信用出来るのか聞きたいね」
「……出来ないわね」
ベティも一緒に魔力を展開して、盗聴器を探すのに協力してくれた。
結局、盗聴器が3つも出て来ました。




