28話 世界で一番アツい夏休み ⑥
殺人料理を食べたベティとレインは、治癒院で胃を洗浄されて戻って来たけど、完全にグロッキー状態で部屋で寝込んでしまった。
結局夕方のトレーニングも僕とミアの2人で行い、今は晩御飯のお店を探して、フオア島繁華街のメインストリートを歩いている。
「何だか、まだ飯を食べる気分にならないなぁ」
「そうだね。でも、ランディと夜の街をデートしている感じで嬉しい!」
うむ、ミアは安定の可愛さである。
腕を組みながら、色々な店を見て回っていると、何か変わった雰囲気のアクセサリーのお店を見つけた。
「あ、ランディ。コレなんか変わったデザインで可愛いよ?」
「うん。アクセサリーって、金属の物しかないのかと思ってたけど、ここのは小さな石を革紐で編み込んでるのかな?」
2本の革紐の間に、沢山の色取り取りの小さな石が並んでいる。
革紐の間から石が落ちないように、1つ1つ細かく編み込んでるみたいだ。
それにしても、このアクセサリーは中途半端に長いけど、どこに着けるんだろう?
首からぶら下げるのかな?
「すみません、この革紐に小さな石が付いたヤツは、どこに付けるんですか?」
「ああ、それは手首にぐるぐる巻きにして、端の留め具で止めるんだよ。
有名なデザイナーのアクセサリーさ」
店のお兄さんが、僕が見ていた革紐を左手首に巻き付けて止めてくれた。
「ああ!オシャレ〜!
ランディにぴったりな感じ」
「なんかいい感じだね。
じゃあ、ミアはそっちのピンクの石が付いたヤツにすれば?」
店員さんが、僕が指差したアクセサリーをミアの手首に付けてくれた。
髪色のピンクゴールドとマッチしていて、とても似合っている。
一発で気に入ったので、僕の口座から引き落としになる決済カードで支払う事にした。
「ランディ、ありがと〜!凄く嬉しい!
でも、本当に良いの?結構高かったでしょ?」
ミアが喜んでくれて何よりだ。
けど、確かに高かった。王国のお金に換算すると、1つ3万8千ルエンくらい。
この間、魔族を討伐して懐が暖かいので、全く問題無い。
「気にしないで良いよ。
僕たちが付き合った記念のブレスレットだ」
「ホントにありがとう!
やったぁ!お揃いだね?」
ああ…ミアの笑顔が眩しい…
そして、胸がめっちゃ腕に当たる…学院一の嫌われ者の僕が、こんなに幸せで良いんだろうか?
僕は若干鼻の下を伸ばしながら、フオアの街並みをミアと腕を組んで歩いた。
お互いの左手首に、先程買った革紐で小さな石を編み込んだブレスレットを付けて。
それにしても、夜7時過ぎなのにまだ陽が沈んでない。
南国だから日照時間が長いんだろうな。
その後も、ミアの洋服や僕の服を買ったりして、初めてのデートを満喫した。
「おう、ガキィ。
随分とブイマーなチャンネエ連れてんじゃんか」
ホテルへ戻ろうと、メインストリートから1本外れた通りを歩いていると、チンピラ3人組が僕らに声をかけて来た。
手にナイフや金属製のパイプを持っている。
「おい、この女めっちゃ可愛いぜ!
パイオツもデケエぞ!」
「後は俺たちがそのチャンネエをたっぷり味わってやるから、オメエはチャンネエを置いてどっかに消えな!」
「何ともテンプレな展開だ…
僕の彼女に手を出そうとするなんて、随分命知らずだな?黙って僕らの前から消えれば、怪我をしないで済むよ?
向かってくるなら、右手の指を全部吹っ飛ばす」
「いやぁん、ランディカッコいい〜!」
ミア…背中に胸を当てられたら、集中出来ないんだが?
鼻の下を伸ばしそうになっていると、真ん中のリーダー格っぽい坊主頭のチンピラがナイフを構えて突進して来た。
ボンッ!ボシュ!ベキャ!
「わあああぎゃああああ!!!ゆ、指ぃぃいであああ!!!」
宣言通り右手の指を魔力操術で5本とも吹き飛ばすと、リーダー格の男が右手を抑えて前のめりに倒れた。
めっちゃ情け無い声を上げて、地面をのたうち回っている。
「はぁ…だから最初に忠告したのに。
雑魚はさっさと家に帰って、母ちゃんに相手して貰いなよ。
まだ向かって来るなら、両手の指と目ん玉を吹っ飛ばすけど?」
残り2人のチンピラは、股座をビショビショにしながら一目散に逃げて行った。
リーダー格のヤツを置いて行くとは、大したチンピラだ。
派手に吹き飛ばしたように見せたけど、筋繊維の一部を破裂させただけだから、指を失った訳では無い。
まぁ、早目に治癒院に行かないと、縦に指が裂けた傷は残ってしまうだろうけど。
「おい、大のチンピラが、指が破裂したくらいで泣き喚くな。
ホラ、治してやるから右手を見せろ」
僕は仕方なく、マジックバッグからハイポーションを出して、チンピラの傷口にかけてやった。
少しずつ傷が塞がり、痛みも引いたようで、チンピラは耳障りな呻き声を出さなくなった。
「後は治癒院に行って治療して貰うんだな。
まぁ、2〜3日はナイフは握れないだろうが、自業自得だろ」
「す、すいやせんでした。
こ、このご恩は一生忘れねえです」
格の違いを思い知ったのか、チンピラはヘコヘコし始めた。
強い相手に掌を返すのは感心しないな。
「まぁ、恩義に感じる事は無いさ。
ただ、これに懲りたら無闇に人を襲うのは辞めるんだね」
僕はヘコヘコするリーダー格をその場に放置して、ミアと共にホテルへと戻った。
1日の疲れをお風呂で取ろうと思ったんだけど…
「ちょ、ちょっと、な、何で入って来るのさ!
別々に入ろうって言ったでしょ?」
「えへへ。来ちゃった。
だって、今日のランディもカッコ良かったんだもん」
全裸のミアが、愛らしい笑顔を浮かべて浴槽に入って来た。
こ、コレはダメだろう…
幾ら何でも健全な交際とは言えない。
「ミ、ミアはさっき風呂に入ったばかりだろ」
「ミアが一緒に入るのはダメ?」
「け、健全な交際をし、しないとだね…んっ」
め、めっちゃキスされた…
こ、コレはヤバいぞ。
「最後に1回だけ…ね?
あとは卒業するまでしないから」
ヤバい…そんな潤んだ目で見られたら、僕の理性がどうにかなってしまうよ…
爺ちゃん、僕に鉄の意志を下さい。
「じゃあ、さっきこっそり買ったエッチ目な下着を着けて待ってるね?」
そう言うと、ミアは湯船から上がって、バスルームから出て行った。
改めて見たが、学生とは思えない程ナイスなバディだった。
あんなに大きいのに、垂れてないなんてゴイスーだなぁ。
お椀型でとても綺麗な胸だ。
お尻も適度なボリュームと、キュッと上がった感じがたまらない気持ちにさせる。
ウエストもくびれていて、芸術的なフォルムである。
冷静にミアの裸の美しさを分析した事で、先程のテンパった感じは無くなった。
良し、どんな下着を着けていようと、やはり卒業までは…いや、出来ればお互い成人になるまでは我慢しよう。
風呂から出た僕は、バスローブを着てベッドルームに向かった。
うん。もう平気だ。大丈夫。
「ちょ、ちょっと、は、恥ずかしいんだけど…
コレ…に、似合ってる?」
僕に背中を向けた状態のミアが、そう声をかけて来た。
!!!お尻の所が紐になってる!!!
赤い紐がミアのお尻に食い込んで、途轍も無い破壊力を生んでいるではないか!
気付いた時には、色々ともう遅かった。
ビーチでも色々有った僕は、後ろからミアを抱きしめて、そのまま色々と触ってしまっている。
ミアも凄く色っぽい声を上げていて、もう止まりそうにない。
うん。コレが本当に最後の1回。
絶対に、この1回だけで、後は卒業してからにしよう。
チュンチュン
結局3回もしてしまいました…




