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25話 世界で一番アツい夏休み ③

 


 チュンチュン



「うああぁ、あ、頭痛え…

 んん…朝か…」



 どうやら、僕もミアも服を着たまま寝てしまったらしい。

 流石に昨晩は如何わしい事はしていないはずだ。

 って言うか、成人するまでもう二度としない。


 王国の法律では15歳が成人だけど、14歳で結婚や飲酒や性的なお店の利用は認められている。

 14歳から娼館で働けるみたいだし。

 なので、法律上は問題無いのだけれど、僕の倫理観では15歳になるまでそういう行為はよろしくない。

 学生らしい節度のある交際を心掛けないと。



「ミア、もう朝だよ。特訓の時間だぞ」


「んんん…ランディ?ランディだぁ!

 ねぇ、朝のチューして?」



 ま、待て。

 節度のある交際に、キスは含まれるのか?

 いや、或いはキスくらいなら良いかも知れない。

 僕とミアは長めのキスをした。


 それにしても、寝起きだと言うのにミアはとても可愛いな。

 綺麗なピンクゴールドの長い髪も、大きくパッチリとした目も、形の良い鼻も、桜色の小さな唇も、全てが完璧だ。

 マックがやたらと拘った理由もうなずける。



「良し、じゃあトレーニングウェアに着替えて、早速朝練に行こう」


「ええ〜、せっかくランディとお泊まりなんだから、朝はゆっくりイチャイチャしたいなぁ」



 そんなに可愛い顔で言われると、僕は困ってしまう。



「毎日のトレーニングをサボるのは良くないよ。

 サボり癖が付いて雑魚になっても良いの?」


「それはイヤ!

 分かった、トレーニングに行く」



 良し、これこそが清く正しい交際だ。

 準備を整えた僕たちは、同じフロアのレイン達の部屋に向かった…のだけど…



「ああんっ!アッ!…あぁっ、イイ!」



 なんか…ベティの凄い声がドアの外まで聞こえてる。

 僕らは無言で頷き合って、2人でトレーニングをする事にした。




 早朝のビーチをランニングするのは、とても爽快だ。

 砂浜という走り難い場所を走るのも、良いトレーニングになる。

 特に、蹴り足が鍛えられている気がする。



「ハッ、ハッ、砂浜って…け、結構走るの大変…」


「いつもと違って良い訓練になるよね。

 ああ、やっぱり海が綺麗だ!ミアも見てごらんよ」


「ハッ、ハッ、ハッ、そ、そんな…よ、余裕ないんだけど…」



 うん、ミアは結構しんどいみたいだ。

 かれこれ60キロは走ってるから仕方ないよね。

 勿論、魔力循環を行ないながらなので、さすがのミアも疲れているようだ。

 一旦ランニングは終了して、5分の休憩を入れる。

 その間もミアは座り込んで肩で息をしており、そこまで海を楽しむ余裕はなさそうだ。


 休憩を終えると、腰に刺した木剣で模擬戦をした。

 やはり、砂浜で行う模擬戦は一足違う。

 特に、波が引いた後の砂は中々に良い負荷をかけてくれる。

 ミアもいつもより戦い難いようで、踏み込みが遅くなっている。



「ハァッ、ハァッ、こ、これを毎日続けるの?」


「もちろん。最高のトレーニングだろう?

 はい、隙あり!」



 ミアの動きが緩慢になった所で、ミアの木剣を跳ね上げた。

 ミアは、どうもいつも以上にバテているな。

 昨日のあの行為の負担を回復する為に、今朝エクスポーションを飲ませたけど、まだ本調子じゃないのかも。

 やはり女性の体はデリケートなんだろうな。

 僕が無神経過ぎたのか。



「ごめん、ミア。僕は配慮が足りなかった。

 戻りはミアを抱えてランニングするよ」


「え!お姫様抱っこ!?

 やったぁ!お姫様抱っこしてもらえる〜!」



 ミアはやたらと喜んでいるけれど、コレはトレーニングの一環だ。

 あまり気楽にしていると、舌を噛んでしまうかも知れない。

 僕はミアをお姫様抱っこすると、魔力による身体能力強化で、波打ち際を駆け抜けた。



「ちょっ、ちょっと、は、早過ぎ…きゃあああああ!」



 ミアは騒がしいけど、汗が引いて風邪を引いてもいけないので、申し訳ないけど全力疾走した。


 結局、途中でミアは怖いから降りると言ったので、ペースを落とした軽めのランニングでホテルへと戻った。



 でだ…



「ん〜?チミたちは昨日僕に偉そうに説教してくれたね?

 それが今朝はどういう事かね?」


「く、くぅ…夏休みに海外旅行に来たのに…まさか早朝トレーニングするとか…そんなのとか…思わなかったっていうか…」



 ホテルの僕たちの部屋。

 朝食をルームサービスで頼んだ僕らは、早速今朝の醜態を問いただした。

 レインは気まずそうに俯いたまま、蚊の鳴くような声で答える。



「ベティがいるのに何てザマだ?

 せめて防音結界を張りなさいよ。外に艶聲が響いていたゾ?」


「う、うっさいわね!

 下手くそなアンタと違って、レインは上手いの!

 ミアちゃんを悦ばせる事も出来ない男に、説教されたくないわ!」



 くおぉ!精神攻撃は向こうの方が上手か!

 っていうか、僕が下手だって何で分かるんだ?

 い、いや!あんな不謹慎な行為に、学生が上手いだの下手だの言うのはいけない!

 ま、負け惜しみでは無い。そういう事をしないのが健全な学生なんだ。



「あ、あの…3回目の時は…ミアも…そ、その、気持ち良かったっていうか…へ、変な感じになったっていうか…」



 ミア!な、何て事を言うのかね!

 ダメだ…皆んなが堕落して行くよ、爺ちゃん…



「ああ!もう!旅行に来て浮かれる気持ちは分かるよ。

 でも、完全にダラけてしまったら、また冒険者としての緊張感に戻すのは難しいんだ。

 オンとオフは切り替えて、遊ぶ時は目一杯楽しむ、トレーニングの時はしっかりと集中する。

 良いね?」


「チッ、分・か・り・ました!どうもゴメンなさいね!」


「うん。僕も浮かれてた。

 ランディ、ゴメン」



 ベティは嫌々な感じで、レインは素直に謝ってくれた。

 ベティには納得いかないけど、もうグチグチ言うのはやめよう。



「いや、僕も嫌味な言い方をしてゴメン。

 じゃあ、気持ちを切り替えよう。

 残り今日入れて5日、朝5時と夕方5時からは2時間のトレーニング、それ以外はバカンスを楽しむっていうのでどうかな?」


「「「賛成チッ!!!」」」



 う、うん…まぁ、不満を引きずるのは良くない。

 今日はビーチで遊んで、昼はBBQだ。

 あ、その前にミアの水着を買いに行かないと…




 ◇◇◇◇◇




「ねぇ…ど、どうかな?」



 試着室から出てきたミアの水着姿は、予想を超えて凄まじい破壊力だった…

 裸を見たのに…な、何で布地が有るこの姿で、何とも落ち着かないような、何ともけしからん気持ちになるんだ?


 凄まじい胸の膨らみが、あの白地に花柄が散りばめられた面積の少ない布地によって強調されている…

 形の良いお尻も何というか、あの白い布地によって何ともけしからん感じに見える…

 な、何か言わねば…



「い、いや…す、凄く似合ってるんだけ…ど…

 やっ、やっぱり、他の人に見せたくない…かな?」


「ホント独占欲強い変態だよね。

 ほら、このパレオを巻いて、下はショーパンを履けば大丈夫でしょ?」



 そう言って、ベティが水着と同じ生地の大きめの布をミアの上半身に巻き付けた。

 すると、肩周りは出ているものの、先程までのけしからん感じが霧散して、清涼感のある夏の美少女みたいな雰囲気になった。



「おお!凄え可愛い!

 それにしよう!それを買おう!」


「ちょ、ちょっと、ランディ…恥ずかしいから大声出さないで…」



 あ、しまった。

 僕とした事が…




 さて、色々あったけど、僕らはホテルのすぐ裏手にあるビーチに来た。

 この区画は、ホテルの高い部屋に泊まっている人しか利用できないようで、僕たちの他には10人くらいの人が居るだけだ。

 あまり周囲を気にせずに遊べそうだな。



「ヒャッハーッ!!!」



 僕は掛け声と共に跳躍して、海にダイブした。

 海に入るのは生まれて初めてだから、かなりテンションが上がってしまっている。



「う、うげえ!しょっ、しょっぱ!!!」



 海水は想像以上に塩辛かった…

 いやぁ、でも海水が気持ちいい!

 僕は波に逆らって泳ぎ出した。



「ちょっと待ってえ〜!

 ミアも泳ぐ〜!」


「はっはっは!モタモタしてると置いてくぞ!」



 ビーチパラソルとデッキチェアがあるスペースで、モタモタしているミアに声をかけた。

 海に入る時はパレオを外すんだな。

 まぁ、人も余り居ないし…いや、少し離れた所にいるオッサン3人組がめっちゃミアをガン見してやがる!

 魔力操術(ハッキング)でアイツらの眼球を破裂させるか?



 迷っている内に、ミアが海に入ってこっちに泳いで来た。



「お待たせ〜…ん?どうしたの?怖い顔して」


「いや、あのオッサン達がミアの水着姿を見たからな。

 眼球を爆破しようと考えてた」


「やめて!ワイハーで問題を起こすのはダメだよ!」



 そ、それもそうだな。

 海外で犯罪を犯すのはまずい…い、いや、王国内でもダメだ。

 ミアの事になると、つい頭に血が上ってしまう。


 気を落ち着かせた僕は、ミアと海で追いかけっこをしたり、潜水をしたりと、とにかくはしゃぎまくった。

 小一時間くらい海中を堪能したので、一旦上がる事にした。



 ミアがタオルで体を拭いている間に、僕はクーラーボックスから瓶入りの炭酸飲料水を2本取り出した。



「ねぇ、ランディ。

 あの…日焼け止め塗って貰っていい?」



 ビーチパラソルの下に置いているデッキチェアの背凭れを倒したようで、その上でミアはうつ伏せになっていた。

 サイドテーブルに置いてある小瓶が、日焼け止めのようだ。

 僕は炭酸飲料水をサイドテーブルに置いて、日焼け止めを手に取った。



「全身に満遍なく塗ってね?」


「あ、ああ…じゃあ足の方から塗るか」



 僕は小瓶の白い液体を手のひらに取って、おっかなびっくり足先から塗っていく。



「イヤんっ!くすぐったい!」



 ミアの足がビクンと動いた。

 な、なんか足の方から見るミアのお尻が…な、何ともけしからん感じだ…

 しかも、何かヌルッとした感じの液体を、ミアのしなやかな筋肉を備えた脚に塗り込む際に、手に伝わってくる感触が何とも…

 特に太ももの裏からお尻付近は色々とマズい感じだ。



「んっ…あんっ…」



 脚の付け根付近を塗った時、急にミアから何ともけしからん感じの声が漏れた。

 こ、これはアウトなヤツか?

 僕の理性が崩れてしまいそうだ…イヤ、ダメだ!

 そう、これは治癒行為の延長だと考えるんだ!


 何とか立て直した僕は、背中や頸、肩、腕と順当に塗り込んで行った。

 良し、前は自分で濡れるだろう。



「じゃ、じゃあ…前の方も…ね?」



 え?うえええ!?

 ま、前ってどういう事!?

 胸の膨らみと谷間がめっちゃ主張してますよ?

 しかも、頬を赤らめて潤んだ目でお願いするとか…

 ほ、惚れてまうやろ!!!


 僕はドギマギしながらも、再び脚先から塗って行く。


 無心だ!コレは治癒行為の延長に過ぎぬ!


 や、ヤバい!股の付近はヤバいぞ!



「んっ、イヤんっ!…」



 し、しまったぁっ!ちょ、ちょっとマズイ部分に触れたみたいだ!

 ダメだ!僕は理性の塊ぞ!

 良し、お腹周りはまだセーフだ!


 問題は…2つの巨大な丘と、面積の小さい布地の境目付近だな…

 下の方のアングルから見る巨大な胸は、僕の獣性を呼び起こすほどのインパクトだ。


 僕は恐る恐る下乳のあたりから塗り始めた。

 ミアの上体が少しびくんとなり、胸が少し揺れる。



「なんかモッコリしてるわよ。ヘンタイ君?」



 ドドキイイイン!!!


 不意に後ろからベティの声がして、僕の心臓は一瞬停止した。

 し、しかも、モッコリだと?


 ハハ、あり得ない。

 理知的な僕がモッコリなんて…



 …ホンマや!



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