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24話 世界で一番アツい夏休み ②

 


「起きてたなら、何でミアを起こしてくれなかったの〜?

 起きたらランディが居なくて寂しくなったじゃない」



 寝室の方からミアの声が聞こえて来た。

 どうやら起きて来たようなので、ミアの方を向く…ぬ、ぬおお!ま、待て!



「ちょ、ちょっとミア!ふ、服を着なさい!」


「ええ〜、今更良いじゃない?

 あんな事しちゃったのに、今更恥ずかしがるなんて変な人」



 ミアの顔は赤い。

 まだ酔っているから恥ずかしいとか思わないのかも。

 ミアはそのままあられもない姿で冷蔵庫からミネラルウオーターを持って来て、僕の膝の上に少し斜め気味に座り出した。

 お尻の弾力のある柔らかさが、僕の太ももから伝わって来る。




「あ、い、いや…ま、マズいよ。

 こ、こんな事は…そ、その…」


「もうミアの裸には飽きちゃった?」



 ミアが大きなピンクの瞳を潤ませながら、僕を見つめている。

 ヤバい!異様にドキドキする…な、何でだ!

 僕は理性を持った節度のある人間だ。



「あ、飽きたとかじゃなく…い、いや…は、恥ずかしいから…その…」


「ふふふっ、なんか照れてるランディ、可愛い」



 ミアの顔が近付いて来て、柔らかな唇が僕の唇と重なった。

 柔らかくヌメっとしたものが、僕の上下の唇の隙間から侵入して来る…

 コレは…し、舌か!そ、そんな!舌を絡めるなんて…

 ああ…ぼ、僕は…理性的な…欲に流されない…



「んっ、はぅんっ、アッ…ンンッ…」



 ミアの艶めかしい吐息交じりの美声が、僕の鼓膜を刺激する。

 いつの間にか、僕はミアの大きな胸を触っていたようだ…

 この柔らかな弾力は、僕の中の何かを掻き立てる。

 僕はゆったりとしたソファに、ミアを押し倒してしまった。



「あんっ、ま、まだ…あ、あの…痛いの…優しくして…ね?」



 ミアの潤んだ瞳はとても愛らしく、桜色の唇はとても魅惑的だ…

 僕はミアの唇を奪いながら、ズボンと共に理性を脱ぎ捨てた。





 ◇◇◇◇◇





「な、何だか…ぼ、僕は…ミ、ミアの事が…す、好きなんだな」


「うん…ミアもランディの事が大好き…」


「な、何だか…ミ、ミアを見ていると…む、胸が…ドキドキするんだな」


「ふふふ…何で『裸の団長』みたいな口調なの?」



 あの後、僕らは何度も肌を重ねた。

 今僕はクイーンサイズの大きなベッドの上で、ミアに腕枕をしている。

 まさか、『裸の団長』みたいな口調になるとは…

 今まで異性を意識した事がない僕にとって、こんな事は生まれて初めてだった。


 そして、何故人々が恋愛するのか、何となく分かった気がする。

 これまでミアの事は、とても整った顔立ちの女子という認識だった。

 今は、ミアがこの世で一番可愛い女の子だと、確信してしまっている。

 色恋に現を抜かすと、人は馬鹿になると昔爺ちゃんが言ってたけど、確かに今の僕は完全な馬鹿だ。



 でも…今までに感じた事が無い程幸せだ…





 そのまま2人でゴロゴロしていたかったけど、レインが午後7時にホテル内のレストランを予約しているらしいので、急いでシャワーを浴びて私服に着替えた。


 ミアは水色のグラデーションがかかった薄手のワンピース姿なのだけど、何か良い意味で色々とヤバい。

 王国は恋人に堂々と好意を伝え合うお国柄だけれど、恥ずかし過ぎて上手く言葉に出来ない僕は、顔を熱くさせながら俯くしかない。


 ミアが両腕で僕の左腕を抱き込むようにして腕を組んで来る。

 恥ずかし過ぎて顔面が爆発しそうだ。

 そういえば、王都の市街地を歩くカップル連中も、学院のカップルも、みんなスキンシップが凄かったなぁ。

 人前でキスをする人達も多かった。


 ロビーへと向かう途中、何組かの夫婦やカップルとすれ違ったけど、みんな僕らのように密着して歩いてる。

 僕は閉鎖的な帝国で生まれ育ったので、こういう光景の一つに自分がなってしまっている事に違和感を覚えてしまう。

 ミアは王国生まれなんだろう。

 以前から積極的にスキンシップを取って来てたし、今も全く照れが無いみたいだ。



「ランディ、遅かったじゃないか?」



 待ち合わせのロビーに行くと、先に来ていたレインに突っ込まれた。

 僕は、屈託のない笑顔を浮かべる親友の顔を、何故か見る事が出来なかった。


 王国の有名な詩人の言葉に、『初めて接吻を交わした日は、母上の顔を直視することすら叶わなかった』という物があったけど、何か分かる気がする。

 初めてミアと交わった後、親友の顔さえ直視出来ないのだから…



「その雰囲気と、ミアちゃんの歩き方…

 アナタ達、一線を超えたわね?」



 ビクゥッ!!!

 な、何故ベティはそんな事が分かるんだ?

 ま、まさか、千里眼のスキルを身に付けたのか?



「えへへへ、そうなの。

 ランディに、大人にして貰っちゃった」



 あ、アッサリ認めるのか!?

 いや、まぁ隠す事ではないが…



「ふ〜ん…

 僕には卒業するまでそういう事はすべきじゃないってご高説を垂れていたランディがねえ…

 食事をしながら、どういう事かじっくり聞きたいねえ」



 ぬおおお、レインの笑顔が怖い!

 これは、晩飯の時間は地獄になりそうだ…




 ◇◇◇◇◇




「へぇ…酔っ払ってたら何をしても良いんだぁ?」



 凄く豪華な食事が並んでいるというのに、全く何の味もしない…

 レインの追及が執拗過ぎて、どう返したら良いか分からない。

 隣ではミアが向かいに座るベティと、楽しそうにお喋りしているので、こちらを助けてはくれないだろう。



「でも、ランディの言い分はミアちゃんに失礼だよね?

 まるで、ミアちゃんとした事が、酒の力による過ちみたいに聞こえるよ」


「そ、そんな訳有るかぁ!

 恋心だと自覚が無かっただけで、今までもミアに魅力を感じる事は何度も有ったんだ!

 酒が入って自分の気持ちに素直になれただけで、ミアとの事は過ちなんかじゃ断じて無い!」



 あ…ムキになって大声で叫んでしまった。

 やばいぞ…他のテーブルの人達が僕を見てニヤニヤしている。

 向かいに座るレインも、やたらとニヤニヤしている。

 僕を嵌めやがったな!



「もう、あまりランディをイジメないの。

 私たちだって、先週しちゃったでしょ?」


「いやぁ、あの堅物のランディが普通に恋愛するのが面白くてつい。

 ゴメンよ、ランディ」



 く、くそぅ…僕の純愛を弄びやがって…

 っていうか、お前ら先週かましてたのかよ!



「ランディ、そんなに怒らないで。

 それよりも、明日ビーチに行く前に水着を買いに行きたいんだけど、ミアは初めてだからどんな水着が良いか分からないの。

 ランディに選んで欲しいんだけど…ダメ?」


「み、み、水着い!?

 他の男にミアの肌を晒す訳にはいかない!

 水着なんて断じてダメだよ」


「大丈夫だよ。

 僕らはロイヤルスイートに泊まってるから、プライベートビーチで遊べるんだ。

 そんなに人は居ないさ」


「そうそう。

 それに人前ではパレオで隠しちゃえば良いんだし。

 ランディはミアちゃんの水着姿見たくないの?」


「み、見たい!

 断じて見たい!」



 僕は随分と煩悩に染まってしまったようだ…



 その後、皆んなで和気藹々と明日以降の予定について話し合ったり、レイン達の馴れ初めを聞いたりして時間は過ぎて行った。

 食事もお酒もとても美味しくて、こんな毎日が続けば良いなと思ったのだった。




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