ヒカリへ

君は今、幸せですか？

なんてね。

大丈夫、聞かなくてもわかってるよ。

君がいきいきと過ごす日々を見ているから。

それに、その日あった、嬉しかったこと、楽しかったこと、悲しかったこと、幸せだと思ったこと…。

いつも君が僕にいつも報告してくれるからね。

その話がきけることが僕も楽しいし、喜びなんだ。

本当に君はいつも僕を楽しませてくれるね。

良かったよ、君と一緒にいられて。

そして君が幸せと思ってくれて良かった。

本当に良かった。

なに？僕かい？

もちろん、僕も幸せだよ。

君を守ること、幸せになってもらうこと。

それが僕の目的でなんだから。

君に想って貰えて僕は世界一の果報者だよ。

いつもありがとう。

予定日まであと2日か…。

赤ちゃん、もうすぐ会えるね。楽しみだね。

そうだね、絶対この子はかわいいよ。

男の子でも女の子でも君に似て目がくりくりで、かわいいんだろうなぁ。

いや、絶対にかわいい。

だって君みたいな美人さんに似るんだよ？

それに、ほら、お父さんだってカッコイイしさ。

これはもう完璧に子どもは美男美女だね。

ごますりなんてしてないよ。

街に出た時の人々の視線が物語ってるでしょうよ。

みんな君と、その子のお父さんを見るんだからさ。

だからその子は赤ちゃんのときも成長して大きくなっても、いつでもいつまでもかわいい子になると思うんだ。

そりゃあ、我が子は可愛いっていう贔屓目はあるだろうけどね。

いろんな瞬間をみて、成長をみていくんだね。

子育て、協力しながら、だね。

ねぇ、不安はないかい？

僕と出会ってからはだいぶマシになったけど、君はまわりに気を使ってすぐ溜め込むタイプなんだから心配だよ。

どんなことでも不安なことは言いなよ？

言葉にするだけでも頭の中も気持ちもスッキリするからさ。

ストレス溜め込むのは体にも心にも毒だからね。

君にも、みんなにも健やかでいて欲しいからね。

あ…もうこんな時間か…。

もうそろそろいかないといけないんだ。

本当は赤ちゃんに会ってからが良かったんだけど…期限が合わなくて。

せめて赤ちゃんに会っていきたかったなぁ…。

でもさみしくないでしょ？

立会い出産だもんね。

僕は傍にいられないけど、旦那さんが君の傍にいて、君を支えてくれるから。大丈夫だよ。

あ、そういえばその子には声をかけておいたんだ。

君のお母さんもお父さんもやさしい素敵なひとたちで、君と会えるのを楽しみにしているんだよ。

だから、安心して元気に無事に生まれておいでって。

大丈夫、きっと上手くいくよ。

じゃあ、そろそろ僕はいくよ。

さっきも言ったけど、僕は本当に果報者だ。

最愛のひとに…君に出会えて、結婚して、君を守れて、君が幸せでいてくれて、僕を幸せにしてくれた。

僕は死んでしまって君をひとりにしてしまったのが無念だったけど、君は前を向きながらも僕を忘れないでいてくれた。

たくさん、僕に話しかけてくれてありがとう。

旦那さんも見知らぬ僕のことを大切にしてくれて、君を幸せしてくれて感謝してる。

彼は本当にいい男だね。

大変なこともあるだろうけど、二人で協力して乗り越えていってね。

君たちならきっと大丈夫だから。

今まで本当にありがとう。

多少の心残りはあるけど、安心して輪廻の輪に還れるよ。

ヒカリ、ありがとう。

それじゃあ、先にいくね。

いつかまた会おう。

またね。

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はじめまして、マサユキと申します。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

ヒカリへ は昨日ふと思いついて書いた作品です。

例え相手には絶対に伝わらなくても、想いをひっそりと伝えたっていいじゃないか。と思いまして。

亡くなった夫が、愛する奥さんに想いを伝えるというありがちストーリーになっております(笑)

独白という形で進めたので少しだけ彼らについてお話しますね。

夫(僕)は亡くなってしまったんですが、ただただ愛する奥さんが幸せでいてくれることだけを願い、見守っていたわけです。

それである程度(結構な年数)見守って、彼女に幸せかと確認して、でも相手には聞こえてないし、そもそも今まで見守っていたから幸せなのは知ってるしということでぽんぽん言いたいこと言って逝くという。

普通な内容ですね(笑)

タイトルは奥さんへのメッセージなのと

輪廻転生の輪とかは光の世界のイメージなので、そこに向かう…

という意味を込めてヒカリへとなりました。

これも普通ですね(笑)

ただ、とにかく全員に幸せになって欲しいと思ったら、みなさん本当に出来た良い人しか出てきませんでした。

こんな完璧人間なんてそうそういないですが、こんな風にいがみあったり妬むことなく、手に手をとって素敵な世界になったらいいのになと思います。

初めてまともに人様の目に触れた作品なので、ご感想頂けたら嬉しく思います。

またどこかでお会いできることを願っています。

みなさんが幸せでありますように。