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第1話 元悪役令嬢は友人とお風呂に入る

実は書き溜めがヤバいので、更新速度が近日中に落ちるかもです

まあ、一か月間は連日投稿できるように、努力します(できるとは言ってない)

 フェリシアとアナベラがロンディニアでデートをした日の翌日。

 いつものようにフェリシアたち、ライジングは朝練をしていた。

 

 季節は秋。運動するには涼しく、ランニングや筋トレも捗る。

 もっとも涼しいとはいえ、体を動かしていれば暑くなるし、汗を掻く。


「今日の練習はここまでだ」


 キャプテンの宣言でもって、その日の朝練は終了した。


「ふぅ……早いところ汗を拭いて着替えないと、風邪引きそうだな」


 フェリシアはだらだらと汗が体から流れるのを感じながら呟く。

 まだ運動を終えたばかりなので、体は暑い。

 だが時折吹く風は、体が濡れていることも合わさってとても冷たい。


「お疲れ様ですわ、フェリシアさん!」(今日は私がタオルを渡すわ!)

「お疲れ様です、フェリシアさん!」(これだけは譲るわけにはいきません!)


 睨み合うケイティとブリジット。

 どちらがフェリシアにタオルを渡すかでいがみ合っているのだ。

 

 ライジングの日常風景である。

 ……しかし、今日はいつもと違った。


「フェリシア! これ、どうぞ!!」

「ん? ああ、ありがとな。アナベラ」


 ケイティとブリジットを差し置いて、アナベラはフェリシアに駆け寄り、タオルを渡した。


「お? ちょっと暖かいな」

「うん! 魔法で温めて置いたの」

「へぇー、気が利くな。ありがとう」


 仲良さそうにするフェリシアとアナベラ。

 これにはケイティとブリジットはあんぐりと口を開け、硬直する。


 そんな二人に対し、アナベラはちらりと視線を送り……勝ち誇った笑みを浮かべた。


 ケイティとブリジットは思わず歯軋りをした。


(さ、先を越されましたわ! と、というか、いつの間に……)

(いつの間に仲良くなっているんですか! きぃー!! この私を差し置いて!!)






 

「ふぅ……こういうのは、高い学費払わされるだけあるぜぇ……」


 湯舟に浸かりながらフェリシアは気分良さそうに言った。

 貴族の子女や金持ちが大勢通うだけあり、浴槽は広く、そして湯舟の種類もそれなりにある。


 フェリシアは湯舟には毎日、長時間浸かるようにしている。

 そこそこ風呂が好きな質なのだ。

 

「最近、少し寒くなってきたよなぁー」

「そうですわね」

「そうですね」

「そうだね」


 ブリジットとケイティとアナベラは、時折フェリシアへ視線を向けながら相槌を打つ。

 元々“隙”が多いと男女問わず評判なフェリシアだが、今は多いどころか、隙しか見当たらない。


 女同士だからか、一切隠すつもりがないようで、全身をさらけ出している。

 時折、長い手足を伸ばし、心地よさそうに声を上げる。

 白い肌は僅かに紅潮し艶めかしい色合いに代わっていた。

 長い金髪を団子のようにまとめ、うなじを出している。

 その白いうなじは、汗か水蒸気かは分からないが、水滴で濡れていて、フェリシアが体を動かすたびに垂れ落ちる。

 白く綺麗なお腹はほっそりと引き締まり、僅かに縦線――腹筋――が浮かんでいる。


(本当に……綺麗ですわ。羨ましい)

(やっぱり、無防備過ぎてちょっと心配になります……)

(女同士だけど、やっぱり綺麗な物は綺麗だと感じちゃうのよねぇ)


 ブリジットとケイティとアナベラはフェリシアを眺めながら考える。

 一方でフェリシアはそんな友人たちの視線には一切気付く様子はなく、増々無防備な姿を晒す。


「私、のぼせてきたわ……先に上がるね」(なんか、くらくらして来ちゃった)


 アナベラはそう言って立ち上がった。

 元日本人の彼女は決して風呂は嫌いではない……が、長風呂は得意ではない。


「……私ものぼせてきましたわ」

「私もです」

「おう……私はもう少しここにいるぜ」(……体調でも悪いのか?)


 普段はもっと長時間、フェリシアに付き合ってくれるブリジットとケイティが立ち上がったのを見て、フェリシアは内心で首を傾げた。

 とはいえ、引き留めるわけにはいかない。


「さーて、次は蒸し風呂にでも行こうかな」


 気分良さそうにフェリシアは立ち上がった。






「ちょっと、アナベラさん」

「話があります」

「……何?」


 脱衣所で着替えを終えたブリジットとケイティは、アナベラを呼び出した。

 何となくアナベラは何の話か察しながら。二人についていく。


 アナベラを隅へと呼び出したブリジットとケイティは本題に入った。


「ちょっと、最近フェリシアさんに馴れ馴れし過ぎですわ!」

「そ、そうです……フェリシアさんは優しいから、何も言わないですけど……き、きっと迷惑しています!」

「ふーん」(……何でこいつら、悪役令嬢みたいなこと言っているんだろう?)


 元々悪役令嬢の取り巻きであるブリジットならばともかくとして、ケイティまでそんなことを言いだすとは、少し驚きだ。


「私にフェリシアが取られんじゃないかって、不安なの?」

「そ、そんなことは……あ、ありませんわ!」

「ち、違います……そ、そうじゃなくて……」


 二人とも声が震えている。

 やはり図星だなと、アナベラは内心でほくそ笑んだ。


「フェリシアは別に誰かの物じゃないわ。勿論、あなたたち二人の物でもない。だから私がフェリシアにどう近づこうと、仲良くしようと、あなたたちに文句を言われる筋合いはないわ!」

「むむむ……」


 ブリジットは悔しそうに歯軋りをする。

 まさか、フェリシアの所有権を主張するわけにはいかない。

 一方ケイティは……


「ふーん……まあ、良いです。あなたがそう言うなら、私にも考えがありますから」

「か、考え? 何だって言うのよ」

「お忘れですか? アナベラさん。私は……フェリシアさんのルームメイト(・・・・・・)です。私がフェリシアさんの、一番の友達なんです!」


 ニヤリと笑いながらケイティは言った。

 これにはアナベラも声も詰まらせ、ブリジットはさらに悔しそうに歯軋りをする。


 一方、そんな二人に対し、ケイティは自慢するように言った。


「私はお二人が知らないことを知っています。フェリシアさんはですね、お部屋にいる時はとっても無防備なんです。着替えをする時とかも、全然体を隠さないんです」


 何故か自慢気に話を始めるケイティ。

 若干、話が妙な方向に行き始め……アナベラとブリジットは眉を顰める。


「今は冬ですけど、夏はもっと凄いんですよ。一時期、下着で過ごしていましたから。まあ、さすがに下着の中は見えないですけど……伸びをすると、ブラウスが浮き上がって、おヘソがチラっと見えるんです。そうそう……フェリシアさんのおヘソ、とっても綺麗でしょう? あれはですね、週に一度掃除しているからなんです。オリーブオイルと綿棒を使って……まあ、さすがにその時は恥ずかしそうに、私から背を向けてやるんですけど、たまに擽ったそうな声を出すんです。それで私が覗き込もうとすると……どうしたんですか?」


「い、いや……ちょっと、その……」

「ドン引きですわ……」


 アナベラとブリジットは揃って、一歩下がった。

 まるで得体のしれない物を見るかのような視線を、ケイティに向ける。


 これにはケイティも少し、ショックを受ける。


「な、何でですか!」

「いや……だって……普通、友達の下着が見えることを自慢する?」

「……友達だと、思っているのですわよね?」


 疑念の視線を向けるアナベラとブリジットに対し、ケイティは何を言っているんだと、胸を張ってこたえる。


「友達ですよ。それ以上の何だって言うんですか!」


 憤慨した様子のケイティ。

 一方でアナベラとブリジットは顔を見合わせ……そして握手を交わす。


「ケイティさんの魔の手から、守らなければなりませんわね」

「同感ね。このままではフェリシアが危ないもの」

「ちょ、ちょっと……な、何なんですか? ま、まるで私が、おかしいみたいじゃないですか! ご、誤解があります。誤解が!」


 必死に弁明しようとするケイティと、友情を深め合うアナベラとブリジットの二人。

 さて、そんな時だった。


「ん? お前ら、まだそんなところにいたのか? 湯冷めするぞ」


 タオルで体を拭きながらフェリシアがやってきた。

 女同士だからか、体を全く隠していない。


「フェリシアさん、ダメですわ! ちゃんと隠さないと!」

「そうよ……この世にはね、人畜無害なフリをした狼がいるのよ!」


 慌ててフェリシアのもとへ駆け寄り、体を隠すように伝えるアナベラとブリジット。

 

「な、何なんですか! 私は普通です!」


 そして半泣きで叫ぶケイティ。


(何なんだぜ?)


 フェリシアは不思議そうに首を傾げるのだった。


ケイティさんから漂うヤバイ奴感……

ちなみにケイティさんは一種の最大値の目安です

SCPで言うならクソトカゲポジションです

フェリシアちゃんのお友達でこれよりヤバくなるのは、多分いないです


フェリシアちゃん、逃げて! そいつは危ない人よ!

と思う方はブクマ、pt等を入れて頂けると

フェリシアちゃんがケイティの魔の手にかかる、間違えた、魔の手から逃げることができます


次回予告

マルカムがTo loveるを引き起こします

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