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9.水着を作ろう!

 前回の反省。肌色は危険。

 佑太は前回の反省を前向きに検討した。

(ニキの水着姿が見たい!)

 前向きすぎる検討だった。


 ニキに尋ねた所、水着はあるがそれは日本の水着とは違い服の延長で、要するに昔の人が来ていた上下繋がった前身水着であった。

 正直それを着たニキも見てみたいと思うのも大概だが、やはり嬉しくない。

 佑太はニキに何とか水着を説明すると


「下着じゃないの?」


 と言われた。

 確かにとも思ったが佑太は地面に様々な水着のデザインを描いてみせた。

 定番のビキニからワンピース、ハイレグに危ない水着まで思いつくままに。


「佑太のいる世界ではヒモを着るの?」


 ニキの純粋な質問には「男だからわからない」とだけ答えた。


「でもこれは面白いですね。私、着てみたいかもです!」


 気がつくといつの間にかヒスイを始めとしてラピスにスピネルも覗きこんでいた。

「その明らかにヒモなのは嫌だけど確かに色々あるのね。他にはどんなのがあるの?」

 スピネルに聞かれて頑張って現代日本で見た水着の数々を思い出しては地面にデザインを描いていく。

「伸縮性があって水をはじく素材が良いのね。ワイバーンの羽ならどうかしら?」

「そうですね。2、3匹捕まえて羽をむしり取ればいっぱい水着が作れそうです!」

「加工は私の眷属に任せて。手先は器用だからきっと大丈夫」

「それなら染料は私が用意するわ!どうせなら自分だけの水着を作りましょう!」

 ラピス、ヒスイ、ニキ、スピネルと話がどんどんまとまっていく。

(ワイバーン、ごめんなさい・・・)

 その一方で佑太は犠牲になるワイバーン達に心の中で詫びるのであった。


 ドラゴン四姉妹によるワイバーンの虐殺から始まった水着作りは色々あったが完成し、ついにお披露目の日を迎えた。

 佑太はニキに作ってもらった特製のボクサータイプのパンツ水着を着用して、先日の一件でニキの巣穴に新しく作られた温泉に浸かりながら四姉妹が来るのを待っていた。

「佑太、お待たせ」

 一番手はやはりニキらしい。

 振り返ってニキの姿を見た佑太は思わず声を飲んだ。

「どうかな?似合うかな?」

 ニキは黒のビキニを着用していた。

 元々素晴らしいスタイルのニキだったが、水着の黒と白い肌のコントラストが目にまぶしい。

 顔は僅かにほほを染め、いつもの積極的なニキが恥ずかしそうに佇む姿はまさに素晴らしかった!

 胸もお尻もくびれすら拝めるその姿に佑太は感動していた。

「佑太?」

「ありがとうございます!」

 佑太はお風呂の縁に打ち付ける勢いで頭を下げた。


「佑太、お待たせ♪」

「あ、あんまりジロジロ見ないで!」

 続いて現れたのは下はパレオで隠しながらも上はクロス・ホルターで胸元を強調と言う(佑太視点で)オシャレな青の水着を着たラピスと、食い込がきわどく美脚の魅力が余す所なく発揮された赤のハイレグワンピースを着たスピネルだった。

 青と赤、ニキもそうだがそれぞれに自分のカラーを前面に押し出したそれらの水着は肌の白さと合い交じり実に華やかであった。

「流石に最初は抵抗があったけど着てみると案外良いものね水着って。何だか心がウキウキするわ!」

 そう言って楽しそうなラピスとは反対に最初は乗り気だったスピネルがどことなく恥ずかしそうだった。

「だって・・・裸よりもより体の曲線が強調されているみたいなんだもの・・・。何だか恥ずかしい」

 そう言ってもぞもぞと足を動かす姿はかえって艶めかしい。自然と視線が足の付け根に向かってしまう・・・。

「佑太は見ちゃダメ!」

「ぐおっ!目が!!」

 そんな佑太に焼きもちを焼いたニキが佑太の両目を手でふさぐ。

 もっとも勢い余って危うく佑太は光そのものを失う所であったが・・・。


 それぞれ水着でいる事にも慣れ、4人でのんびり温泉に浸かっているその時にその爆弾は落とされた。

「ごめんなさぁい!この水着、着るのに手間取ってしまってぇ」

 声を聞いた瞬間


(いやぁどの水着でもあなたの場合は手間取りそうですけどね)


 と佑太は内心で思ったが、それとは別に期待に胸を膨らませてヒスイの水着姿を見た。


「佑太!」


 佑太は湯船の中で鼻血を出して気絶した。

 着るのに手間取ったというヒスイの姿はほぼ裸だった!

 よく見ると白くて細いヒモのようなものがVの字の形で大事な部分を申し訳なさそうに隠してはいた。


 いわゆるVストリング水着であった!


 しかし普通の水着を着てもなお卑猥に見えるその体つきでVストリング水着を着てはそれはもう裸も同然であった!

 むしろ局所を隠している分だけ妄想が働く分裸よりもイヤラシかった!


「ヒ、ヒスイ!あなた、なんて恰好を!」

「似合わないですか?」

「似合う似合わないで言えば恐ろしく似合うのだけれどその水着が似合うと言われても私なら微妙な気持ちね」

 スピネルは妹の破廉恥な姿に顔を真っ赤にして慌てて姉のラピスの後ろに隠れてしまう。

 ラピスはラピスで顔を赤くしながらも複雑な心境を顔に出していた。

 そんな中ニキは


「佑太、死んじゃイヤぁ~!!」


 湯船に浮かぶ佑太の体にしがみついて泣いていた。

 仰向けに湯船に浮かぶ佑太のその顔は、しかしどこか満たされたような微笑みを浮かべていたのだった。

 佑太に直撃した爆弾。その名は「セクシーダイナマイト」と呼ばれるものであった。


「うふっ♪」



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