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プロローグ

 少年は死を覚悟した。


 少年は今がどういう状況かは理解出来ていないが、自分が置かれている状況だけは理解出来た。自らの身体は動かず、自分に殺意を向けた人間が眼前に立ち尽くす。いや、身体は動かせないことは無いが気付いていたというのが正しい。自分はこの場にいる自分に殺意を向けている人間達には数も力も及ばないということを…。自らの腰には剣を携えているが、それを抜く力も気力も残されてはいなかった。


「封印を解いた瞬間に地下の天井が崩落するのには驚かされたが、まさか人間が上から降ってくるとは驚きだ」


 その言葉でようやく彼はこの状況の理解に至る。事の顛末はそう難しい話では無かった。


 彼は偶々にもこの男達を見つけ、何か違和感のような物を感じていた。今日はどちらかと言えば祝事のイベントなのだが、この男達からはそういう雰囲気を感じなかった。端的に言うと勘なのだが、彼はそういう直感には秀でていた。それ故、後をつけていたのだ。そして今は使われてないであろう教会の中に男達が入って行くのを確認。そして、中に入るといきなりの出来事で頭は真っ白になったが、地響きと共におそらく自分は地下に落ちたのだとようやく把握出来た。


「まあ、見られたからには死んでくれや。上から目撃者の抹殺の許可も降りている。こっちも仕事なんでな」


 そう言って男達は彼に銃口を向ける。彼は自分に銃口を向けられて尚、取り乱すことはない。唯々、自分は15や16の齢で死んでいくのかとどこか他人事のように考えていた。そして、引鉄が引かれようとしたその瞬間ーーー。


 彼と男達を遮るようにカードが地面に突き刺さる。







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