4 ギアに夢中
他人行儀
無事に選べた
ガレージ
ひたすら無視しておく
ある意味、今はリンドブルムに夢中だ。自分だけのギア、新しいオモチャを与えられた子供のような楽しい気分。
突然ギアを選べと言われた事は驚いたが今では感謝だ。俺のクラスが最初にここに来た事、自分の知り合いがクラスに集まった事、俺を選んだリンドブルム
リンドブルムを見つめながら思う
ここで無視された事に耐えきれなくなったらしい紫苑姉さんが袖を掴む。リンドブルムが片膝を着いた状態なので周りからは見えにくいが英雄がいると嫌でも注目される。
袖を振りほどくと他人行儀な態度で俺は更に突き放す
「申し訳ありません、新入生なのに英雄の手を煩わせてしまいました。他の方々も見てあげてください」
この対応を想定していなかったのかアワアワしている。きっとお姉ちゃんありがと大好き!位を想像してたんだろう
俺は子供か!
「そっ…蒼騎君?そんな意地悪しないで?」
微妙に泣きそうな雰囲気を醸し出す紫苑姉さん、この態度に弱い…俺が折れる合図。
「はぁ…姉さんが先に意地悪い事しといていつも俺が折れてズルくない?」
毎度の事で慣れてはいるが愚痴くらいは言う。
えへへっなんて照れ笑いして誤魔化すのも何時もの事、一騎当千の英雄も一人の人間と言うことだ
こんなやり取りをしているとハッと思い出したように姉さんが
「このはちゃんにピッタリのギアを紹介しようと思ったんだった!じゃぁね蒼騎」
頭を撫でて走っていく。小さい頃からの習慣だ、ここでやらなくても…とは思うけど。その後を追うと、すぐ隣のギアの前に二人ともいた
「このはちゃん!コレなんかどう?」
コレがオススメなの!と力説していた
「私もこのギアが気に入っていたのでコレにします」
隣も自作のAI搭載型だろうと推測した。偶然にも、このはが気になりよく見ていた機体だった。フレームが似てるのを見て作者は同じかもな~…なんて思ったが実際そうだった
空と陸も早い者勝ちと聞いて、気に入ったギアのために走って行ったが無事に誰も選ばなかったようだ。
「よっしゃ~!選ばれてなかったぜ~」
「僕も大丈夫だったよ」
観る目は確かな親友達だから良いギアを選んだはずだ。
「いいギア選べたっぽいし、幸先が良いな」
ギアはある程度タイプが見分けられるようになっている。細目のスピード型から太めのガード型。見た目だけで判断出来ないが、傾向位は読み取れる
個人的な感覚だと空はトリッキーな戦いを好む性格、陸は守り主体の性格、表面だけで判断するなんてバカのする事だが…
次々と他のクラスが集まってギアが選ばれていく、遅いほど残り物しかなくなる。ギアは200体あった、学年全体で150人…当然選ばれないギアもある
かく言うリンドブルムも長い間に選ばなかった…イヤ、機士を乗せなかったようだ。AIによる搭乗の拒否、選んだ機士が乗れなかった時を想像する…笑えない
それとも本当に選ばなかった可能性もある。作者の紫苑姉さんが搭乗出来ないと聞いた時はちょっと笑ったが恐らくAIを積む前には乗れたんだろう
さっきのクレーマーも俺が選んだのをあえて選んだ節があったし、物静かそうな俺を選んで横取りを考えたんだろう
そして横取りして搭乗拒否…見たかったが拒否されたのは見れたのでよしとしよう
全員がギアを選び終わったようだ。そして一旦クラス毎に各作戦室に集合した。このはと少し離れる。女子が珍しくない、とはいえ少ないことは事実だ。
このはと話したそうな二人組がいたので譲った形だ。
教官から各々に小型の端末を渡される
「この端末がギアのガレージキーとなります。ガレージは基本二人一組での使用となります。先ほどギアを見学していた時に二人一組になっていたようなので登録されています。」
いつの間のか組分けされていた
「いつでも変更は可能なので心配しないでください」
ギアの方向性の違いなども出てくるからだろう
攻め特化のタッグや攻めと補助などスタイルに合わせるのは大事だ。
命を預け合うから
淡々と進むが自主・自律性を尊重した学校だけあって色々と進行が早い。端末に個人認証すると表示される名前
ガレージNo.S-05 来栖 蒼騎
えっと空か陸かな?と思って見ると
ガレージパートナー 玖条 このは
きっと紫宛姉さんの仕業だろう、勝手知ったる人物だった、気を使わなくて良いのに…本当の所はマジでありがとう。
ガレージは当人しか入れないのだ
知らない他人と同室でピリピリして爆発とかしたくないよね。
とか思っていたら、あぶれただけだった。端数でクラスの男女が奇数で必然的になった
運命のイタズラだなぁと白々しく思う
200字ほど