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マニギアード~ゼロの機士~  作者: 白峰 黒夜
5章 夏の騒乱編
57/61

閑話休題 10 ケース1

空間転移装置


実験は難しいね


色々な結晶


 やぁ皆、元気かい?

 皆大好き神谷博士だよ


 空間転移装置が完成してね…協力してくれた蒼騎君に許可証をプレゼントしたんだけどね…

 まぁ~…その経緯を話そうと思う



 蒼騎君に協力と言う名の素人…ギアバカ同士に通じる突拍子もない発想力を意見として取り入れた

 「単純過ぎて気がつかなかったけど色々とはかどったね~」


 本当に彼の発想力には驚く

 彼自身は「机上の空論」とよく使ってるけど、あんなに計算され尽くした机上の空論は見事としか言いようがない


 「あんな感じでリンドブルムも作られたんだろうね~」

 たのしすぎて思わず一人言が漏れていく。


 アストルムシステムを組み込んでカスタマイズを止めようとしない所か、進化させようとしている。


 同時進行で空間転移装置のプログラムを組み上げつつ最終調整をしていく


 システム自体は協力してもらった時にトライ&エラーで即時調整をしていったので、ほぼ出来上がっている


 「どうせなら…空間を繋げて移動出来たら楽だよね~」

 移動できるならこの考え方はアリだと思う。失敗すると空間にある物質に『刺さる』と言う欠点はあるが…

 槍が生えているギアの手を見て思う


 恐らく人間だと千切れるだろう

 想像したらグロすぎて気分が悪くなった…


 しかし一種の夢である事は言い様もない


 「という訳で!」

 森でコッソリ研究する事にした。

 それはもう誰にも内緒で…


 「ココと…ココを繋げる」


 空間に穴を開けてワームホールにするイメージで『送る』と『届く』と言う概念を変える為に研究をしていた。


 「何故、繋げられないのだろう…」


 空間転移だけなら簡単だった、だが

 『空間に穴を開ける』

 ワームホールがこんなに難しいとは…ブラックホールを作らない為に色々と思考を巡らせているが、どうしても出来ない


 そんな時に本来なら思い付きもしないであろう発想力の玉手箱な『彼』の言葉を思い出した


 『同じ所に同時に作用させたらどうなるんですか?』


 まさにひらめきと言って良い言葉

 あの時は


 「多分だけど不発で終わっちゃうよ~」


 何て言っていたけど

 「同じ場所に同時に作用させる…それを二ヶ所に発生させて周波数のように合わせれば…或いは…」


 方針が決まり歴史が変わる瞬間だった




……

 その頃、森の異変をいち早く察知した者がいた。

 「…何でコレが大量に漂っているのかしら?」

 式守 紫苑は首をかしげた。

 森の奥からホタルのようにフヨフヨと漂っている。こんな事をする…出来る人間は一人しか心当りがなく頭を抱えた。


 「念のために見回っておきましょうか?」

 肩に向かい語りかけながら森の奥へと歩き出した。




 その頃…

 「う~ん…繋がっているはずなんだけど、石が出てこない」

 確認用のドローンを研究室に忘れたと言うこともあるが…石を投げてもう1つのワームホールから戻るかの確認を原始的な実験方で確認している。


 「う~ん…」

 考えすぎて唸っている

 ちょ…ねぇ…おー…っと…

 「ねぇってば!」

 「うぉっ!?」


 いつの間にか紫苑が来ていた事にも気付かない位に物思いにふけっていたようだ

 「紫苑か…どうしたんだい?」

 「あのね…どうしたんだい?じゃないわよ…この穴から精霊が大量に出てきてるわよ…」


 …なんだって?精霊の住む場所に繋がっている?残念ながらボクは第二次変成が、『まだ』起きていない

 「止めよう」


 いざ言ったは良いが止まらない所か機械がプスプスいって壊れてしまった。なのに穴は開きっぱなしなのだ…


 「…どうしよう?」

 「あのね…私に聞かれても…あっ水晶とか置けば良いんじゃない?前に実験で精霊がドンドン入っていったじゃない?」


 アレはたまたま鉱物の研究中に精霊が現れた事があり入っていった事があったのだった。……


 「コレで大丈夫だと良いんだけど…」

 研究室にあった水晶やサファイア、ルビー、エメラルド、アメシスト、シトリン、アクアマリン、ブラックダイヤモンド…等々の貴重な結晶塊クラスターを8ヶ所に置いていった


 何故8ヶ所かと言うと…

 「何故8ヶ所も開いているんだ…」

 想定外の出来事だったらしい、同じ場所に重ね掛けする事によってゲート自体が別の場所に『飛んで』しまったらしい


 ある意味では成功していたのである


 「ドンドン入っていくわね…」

 二人でルビーの結晶塊クラスターを眺めていると光だした。

 「爆発しないよね?」

 「私に分かるわけないじゃない…」

 見合わせたけれど結晶塊クラスターに視線を戻すと変化を見守った


 …地面に根を張った?とでも言えば良いのだろうか?結晶が成長したのだった。恐らく別の結晶塊クラスターも同じだろう…


 「大事なサンプルだったが…こんな結果が得られるなんて…」

 以前に精霊が入り込んだ水晶はより輝きを増した位だったのに、コレだけ大量の精霊が入り込むと鉱物の成長に作用するとは興味深い…


 「コレ…山みたいになったりしない…よね?」

 「正直な所は分からない、だが鉱物の構成上は成長に必要な物質が地中に多いから多分根を張ったんだと思う」


 根を張ったとは言っているがクラスターから結晶がトゲのように地面に突き刺さっているのだ。


 鉱物の成長は本来なら何百年何千年かかるものだ。それが精霊が入り込む事によって、たった1日で伸びたのだ。

 置いてきたクラスターが全て成長し採取が可能なら大金持ちなのだが前代未聞の出来事なので迂闊に砕く事も出来ないだろう。


 「何か…森全体に意志を感じる…」

 紫苑が何か言うがボクは感じる事が出来ない。第二次変成で細胞も変化する事によって感覚が鋭敏になったようだ。


 それだけではないのだが…


 「恐らく結晶塊クラスターが成長して地面に精霊の力が影響しているのだろう。陰陽五行の流れは出来ているからね…」

 紫苑の視た光景では、8ヶ所のゲートから出てくる精霊には色があるらしく…色にあった結晶塊クラスターを置いていったようだ。


 陽炎かげろうが揺らめく赤はルビー、水明すいめいが青はサファイア、恵風けいぷが吹く緑はエメラルド、岩と木が入り乱れる黄はシトリン、紫はアメシスト、雪花せっかの舞う薄青はアクアマリン、深淵しんえんのような黒はブラックダイヤモンド、1番煌めいていた場所には月長石と水晶が一緒になった結晶塊クラスターを置いてきたそうだ


 最後のは自分で発掘した一番のお気に入りだったのだが、自分が起こした未曾有の可能性には変えられない。


 「さて…コレからどうなるんだろうね」

 つい笑みがこぼれてしまう、コレがボクだ。危険の可能性があったとしても研究者としてのさがだけは忘れる事は出来ないようだ。


 ケース1と記録し経過を観察する事にした。

 蒼騎君と言い楽しい事は尽きない

 そんな時に彼のパートナーから連絡が来たのだった。



 補足だが…色々と走らせてしまった紫苑に怒られた事は言うまでもない

 


読んでいただきましてありがとうございます。

楽しんでいただけたら幸いです。

よろしくお願いいたします。

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