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マニギアード~ゼロの機士~  作者: 白峰 黒夜
5章 夏の騒乱編
54/61

42 騎士と番犬

夏休み?何それ


決闘だ!


飛び入り参加!?


 機士は公務員である

 学生で見習いとはいえ

 『機士』

 である事に違いは無い。


 夏休みは各地方の衛星基地に派遣され基地で夏を過ごす、つまり…場所によっては地獄・・である


 「うぉ~!海側の配属よ!来い!」

 この発言はソラである

 「何バカな事言ってるの、海なんて最前線じゃないの」

 ユキの言う通り、敵部隊が上陸しやすい関係で海が最前線だ


 のだが

 「海が人気なのは分かるけどね…」

 リクは苦笑しつつ答える


 「素直に『ユキの水着姿が見たい!』って言えば見せてあげるのにねぇ~雪ちゃん?」


 「そうよ、言ってくれれば…って何言ってるのよ!」

 皆で笑いながら雑談をしている


 「ミカエルは~…アメリカで決定なのか?」

 隣のイケメンに問いかけるとため息と哀愁を漂わせて答えてくれる

 「はぁ…ボクは日本が好きでいずれは日本に住むつもりなのに…アメリカに行かなきゃいけないなんて…」


 あまりの落胆ぶりに周りが苦笑いを浮かべる

 「ミカちゃん、一応進言してみたらどうよ?」

 ソラが女の子っぽい言い方したけどミカエルの事だ。マイケルとかミハイルとかは言われたが『ミカちゃん』は初めてだったらしく日本っぽいということで気に入ったらしい


 「イチオウ言ってあるけどね…」

 期待が持てないらしいけど、とりあえずは言ってあるらしい


 期待を持てないのも当然で留学生は基本的に祖国への仮配備が決まっている事が多い。親日国の子供しか、この学園に入学にゅうたいできないと言うのもあるが…


 「で…ガルム君は何故ここにいるのかな?」


 暴走したあげく俺にギアを刻まれて転がされたパイロットがいた。メチャクチャ罪悪感を感じているらしい&暴走を止めてくれた?とか言って変に懐かれた。


 「師匠レーラー…どうかお許しを…」

 「ガルム、君は既にソウキに許されているだろ。迷惑をかけてはいけない」


 ミカエルとガルムの間に火花が見える…想像イメージだが、互いに対抗心を燃やしていて良い好敵手ライバルになるだろう


 いつの間にか白熱したらしく

 「「決闘だ!」」


 二人は出て行った

 が、こんな面白そうな事を見逃すつもりなんてものはなく…

 「見に行くか」

 「「お~!」」

空と陸の返答をきっかけに皆で行く事にした



 ミカエルとガルム

 ミカエルのギアはいかにも『騎士ナイト』って感じる頭部で3分の1位カスタマイズが進んでいる

 以前俺が漏らした『フレームを優先的にカスタマイズした』を参考に恐らくフレームはオルニウム化がされているだろう


 そしてガルムのギア

 以前のように塗ってない所は無くなりまた真っ黒に戻っていた

 少ないポイントでコツコツとカスタマイズしているらしく…若干旧リンドブルムに似ている…ケルベロスっぽくはなっている


 「手加減はしないからな!」

 「あの時の様に無様な姿は見せないために全力を尽くす!」


 うんうん…二人とも気合いがのってるね!と言う訳で

 「俺も参戦ね~」


 ガバッっと向かれた

 「「「「「『えっ…』」」」」」

 ノワールまで言うとは

 「マテ蒼騎、何故君が参戦するんだ」

 「そっそうです…師匠レーラーが参戦したら何のための決闘か分からなくなってしまいます…」


 何故か狼狽うろたえている二人

 「俺は師匠じゃないし…この争いは俺が切っ掛けだからな!俺が納《勝てば》めれば万事解決だし、ぶっちゃけ戦闘したい」


 最後に本音が漏れてしまったが新しい機体で全力戦闘してみたかった

 そして件の二人は俺の返答にガックリしている

 「つ~わけで!」

 俺の声と機械音と共にクロノスが演習場に上がってくる

 「「ゲッ!」」

 仲良く嫌そうな声だしちゃって…泣くからな


 「どうりでいねぇと思ったわ」

 「「先に行っててくれ」って言ったからトイレかなと思ったら…」

 空と陸は平常運転だった

 「私は戦闘したいんだなと思って見送りましたが」

 笑顔なこのはの発言に苦笑しつつ、『お気をつけて』が気になったけど、やっぱり見抜かれていた


 「新しい機体で戦うんでしょ?」

 「気になるよねぇ~」


 雪と千花は何となくわかってたっぽい、さすがこのはの親友達だな


 「ではでは…」

 クロノスで歩き始めると演習場の2ヶ所からこちらに向かってくる

 「ソウキ!負けないよ!」

 「あの時からの成長みてください!」


 2機のギアが襲いかかってきた

 結構なスピードで迫ってくるミカエルの

 『シュバルエルセイバー』

 騎士らしくメインは剣と盾だが、盾に銃が付いていてガードした所にドカンッ…と言う訳ではなく、ガードする前に撃つスタイルだ

 そして銃にバリエーションがありバズーカ、ライフル、ガトリング、マシンガン等をアタッチメントとして付け替える事が出来て意外性があって面白いし機動性もあって見かけ通りではない


 最初の1戦だけ普通?の単発式を使い2戦目以降の実習戦闘で見事に引っ掛かり、蜂の巣や狙い打たれたヤツが結構いた


 もう片方はガルムの

 『シュバルツァー ケルベロス』

 最近知ったけれどシュバルツァーって『黒(色)』と言う意味らしい

 恐らくアストルムも積まず、ポイントの全掛けもせず、暴走もしなかったら肩以外は俺のこんな感じになったんじゃないかな?って形状だがコンセプト自体が違う


 リンドブルムに手も足も出なかった事を多少は悔しがっているようで、最近は俺に勝手に付き従ってアイデアを反映している

 実は鬱陶しいので軽め《思い付き》の設計図をあげて厄介払いしようとしたら余計に懐かれた…

 って訳でシュバルツァーケルベロスは陸上接近超攻撃型でケルベロスらしく三つの頭を持っている

 二つは背中に生えていて肩に喰い付く様な作りになっていて、エネルギーを送り込んで収納式鋼爪クローに流し込んでレーザークローになる

 もちろん実習訓練では使用禁止だ

 次にやったら退学だろう


 脱線はここまでにして、それ等が全速力で走ってくる


 クロノスは真っ白な機体なので目立つ

 更にリンドブルムから搭乗席を移設していないので座り心地はよくない

 性能もガタ落ち(新入生にしては良い方)だからな…動くの反応速度は相当上がってはいるけれど

 

 移動してくる2機のギアを見ながら、じっくり考えると…えぇ~2対1はズルくない?協力してるつもりはないだろうけど完全に俺狙いだよね?


 「2体1なんて卑怯だ~!」

 試しに叫んでみる

 「君はいるだけで卑怯だ!」

 「師匠レーラーがいたら決闘に集中できない!」


 ひでぇぐさ

若干連携が取れているように見えるのが厄介だ。何かにつけて二人は張り合っていて良いライバル関係だし


 「あぁ~負けるかも?」 

 

 『マスター、計算上で負ける可能性はありませんが何故心配しているのですか?』

 ノワール…俺をそこまで信頼してくれてるとは…

 「ノワール、勝負に絶対はないよ。油断したり、突発的な出来事が原因で負けたりする事もあるんだよ」

 『かしこまりました。偶発的なランダム性を考慮し再計算いたします。…』

 now loading…


 うん、その計算終わる時は始まってるけどねっ!


 もう目の前に来ている

 シュバルツァーケルベロスが風を切り音をさせ迫りくる

 うんうん上手く設計出来てたみたいだな。相変わらずの机上の空論設計図だったが参考にしたギア《・・》はアルムティグリス、空の改良型を参考にした。

 仕組み自体は秘密にされているが勝手に機構を想像するのは自由だ。

 改悪しなければのアルムティグリスより攻撃面や機動性は良くなるだろう


 「あの時の無様さをかてに精進しました!」

 ブロードソードを逆手に持ち斬りかかってくる。確かにあの・・・よりは腕も冷静さも段違いだ

 しかし


 「なかなかだな…っと」

 ブロードソードを刀の鎬《鎬》の部分で受け流す

 ギアに刀を反映させると重過ぎてしまう為に工夫がされている


 そもそも受け太刀をしてはいけない物なので、その点を強化した受け流す作りになっている。

 「師匠…やはり見事だ」


 受け流されたシュバルツァーケルベロスは後ろへ通り過ぎていく。あのスピードを出せば300mは止まれないだろう

 

 次いでシュバルエルセイバーが迫り来る


読んでいただきましてありがとうございます。

ペースは遅いですが何卒よろしくお願いいたします。

m(_ _)m

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