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マニギアード~ゼロの機士~  作者: 白峰 黒夜
4章 外の世界編
53/61

41 思ってるよりは頼られてる

親友


勝手知ったる


信頼


 このはと離れ一人寂しく黙々とクロノスの調整中…

 「ヒャッホ~イ!」

 とはいかず

 既にそらがいた

アルム・ティグリスを全速力で行動できるように訓練している。

 

 「どんな調子よ?」

 「いや~ヤバイな!カスタマイズする度にドンドン調子が良くなっていくぜ!蒼騎に『自分でカスタマイズしていけよ』って言われた時は正直これ以上に良くなるのか!?って信じられなかったけどな~」


 「まぁ~基礎設計のつもりで作ってたからな、あと使うか参考にするかは使用者次第だし」

 「イヤイヤ!実際に使えるし参考にもなるし蒼騎様々だぜ」


 思ったより好評なようで良かった

 恐らく想像してるより遥かにリミッター付けまくってる事に空は気付いていないと思う

 その為の『自分で好きなようにカスタマイズしろよ』と言う発言だ…が

 最初のリミッター付きの設計図通りに作ってアレだけの出力が出てしまっていた

 陸のネムス・ガーランドもパワーがあり過ぎているため、ある意味で失敗例とも言える


 机上の空論は難しい

 だからこそ自分に合わせてカスタマイズしていってもらう、そして改善していけば安定していくだろう


 そして2機の完全劣化版のクロノス

 リンドブルムを完全に仕上げるための試作機。カスタマイズはあまりするつもりはなくデータを取る為に作り模擬戦闘に参加出来るようにレギュレーションを合わせて作った機体


 正直物凄く…扱いやすすぎる

 


 リンドブルム…どんだけシビアな操作性なんだよ!…って言うのは逆ギレだろう、圧倒的に操作の経験と技術がない

 そして自分にあわせきれていない、まだまだ成長の余地があると思うとウズウズしてきてしまう。


 『クロノスの動作パフォーマンスを元に常時フィードバックしリンドブルムに反映いたします。』

 「ありがとう、頼む」


 ノワールさんは相変わらず素晴らしい働きをしてくれている。

 先回りで仕事をしてくれていて作業が滞る事無く設計に専念できる。

 最近は感情のようなものや『間』を取るようになり人間っぽく感じてきている

 更には言葉遣いも少しずつ変化しているようで、成長が楽しみな部分である




 …

 蒼騎が背中を預けてくれる位に強くなる…そんな目標を持ち、練習《コソ練》していると初めて見る真っ白なマニギアードが現れた

 「お~っし…アレ?空、練習してたんだ?」


 蒼騎の声だった時はかなりビックリした。まさか2機目が出来上がっていてそれに乗ってくるとは思わなかった。

 「それどうしたのよ?」

 「前のリンドブルムのパーツ塗り直して組み直しただけだぞ」


 初めて見たのに、どことなく見覚えがあった理由が分かってスッキリした。

 どんな性能か気になりはするけど、まずは自分の特訓をする


 『跳ぶ』『走る』『止まる』(全速力で)


 せっかく蒼騎から貰った設計図で作ったら高性能過ぎだったんだから、『過ぎ』の分を扱えるようにならないと蒼騎に負ける気がしてくる

 (本人は設計ミスと言い張っているけど)


 実際に扱えれば多くの大切なものを護れるようになれる


 個人的に考えてる四足になるビーストモード、蒼騎達がビックリするだろうなと考えていたのでユキに相談した所


 『蒼騎君って空の事を理解してるんだね~』

 と言いながら設計図を見せてきた

 四足にしようとしてた痕跡があった

 クッソー!と思って本人に聞いたら

 『ソラティグリスなら四足にしそうと思ったけど途中で飽きた』


 ここで普通はちょっと笑ってしまう所だけど蒼騎の場合は

 『違うアイディアを思い付いた』

である

 恐らく陸のネムス・ガーランドだろう

イメージは大樹から伸びる枝葉の腕


 6本の腕がある『らしい』

 実はまだ誰も見た事がない

 模擬戦闘では使うまでもなくパワーで押しきっていた


 かく言う俺も、あの時に出せるフルスピードでないわけで…とか白いギアで器用に準備体操してる親友を見ながら思う


 蒼騎の良い所は俺達を信じきってる。

悪く言うと過剰評価している気がする、のにも関わらず蒼騎自身は自分を過小評価している


 まぁ昔からなんだけど…

俺と陸は蒼騎が学校の一部成績は良くなかった頭が良いことを知っていた。

 

 その原因は大抵教師にある

蒼騎は気になると『よく質問する』

『なぜ?』『どうして?』『どういう意味で?』


 子供が興味を持った時に親身になってくれる教師に会えれば天才になれる可能性だって出てくる


 この時に実際『このは』と言う教師に会えたようで成績は上がって、教師に質問する事は無くなり、空を見るようになった。

 因みに俺じゃなくて外の青空ね


 あの時位からマニギアードの事を色々と考えていたんだろうな~と今になっては思う。


 一緒に遊んでいた時もディスプレイにマニギアードが映ると食い入るような目付きをしていた

 「どうした?上、見たまま突っ立って?」


 親友が近付いていたらしい

 「いや~蒼騎は、よく青空見てたなと思ってさ」

 「あぁ~…あの頃は竜でも飛んでたら良いのにな~…とか思ってたんだよ。」


 頭をきながら言っているのが想像できる、蒼騎と言う男はロマンチストなヤツなのだ

 「それで翼のあるリンドブルムなのね」


 「細長い『龍』より力強い『竜』の方が好きだからかな…あと蛇苦手だし」

 蛇が苦手なのは、よく知っている

 蛇が出た時は悲鳴あげてマジ逃げしてたし、悲鳴らしい悲鳴はアレしか聞いたことがない。蒼騎にも苦手な物があるんだなと知れた良い思い出だ


 そして蛇足だけど足があれば細長い生き物でも大丈夫だ、足がないのがダメらしい


 「そろそろ準備運動終わった?競争でもする?」

 足の話を変えてみるけど

 「アホか、初期のティグリスでも追い付けないのに、今カスタムされててもっと追い付けるわけないだろ」

 口は悪いが褒め言葉だ。ちょっと嬉しい


 「はっはっは!スピードなら任せろ!」

 ちょっと調子に乗るけど

 「おう、頼むぜ二人とも…陸はいないけど」

 意外と信頼されていると実感して、むずかゆい


 そして二人で笑いあった

 

読んで頂きありがとうございました

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