表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マニギアード~ゼロの機士~  作者: 白峰 黒夜
4章 外の世界編
50/61

39 空ver2

(仮)

ガレージ交換

雪に感謝

 「よくこういうの思い付くよな」

 空が端末画面を見ながら言ってくる


 「半分は思い付きだからな、後は他のギアを観察してみて『ここがこうだったら、もっと良いんじゃないかな?』とか見たりしてな」


 観察は大事だ、だからこそ実習戦闘のモニター観戦が組み込まれている。


 弱点は?スタイルは?カスタマイズは?改善策は?、こういうのを見て試しに想像や設計をしてみる


 「コレは?」

 足回りの設計図の1部分が気になったらしい、確かに設計してなかったら俺でも分からないギミックだ


 「陸戦型の高機動脚部:(仮)だ」

 「何で(仮)?」


 よくぞ聞いてくれた!

 「想像だから」

 見事なまでにズッコケてくれた

 実際に高機動な動きには足裏の接地面が少ない方が速くなる、だけれど安定性が減ってしまうので小細工をした


 「いざとなればモニターのシミュレータを使うのが一番早い」

 貴重なオルニウムを使う場合は、使用が無理な設計では作れないようになってる


 シミュレータは打ち込んで使用に耐えられるか?動きは大丈夫か?作れるか?等の色々な項目が全てクリアしてはじめて作れる


 極端な話、棒一本の足は駆動の関係で作れない…と言う感じだ


 「なぁ…話は変わるんだけどさ」

 「ん?…どうした」


 神妙な面持ちで聞いてくる

 「夏休み…どうするよ」

 俺がズッコケた


 「どうするよって…一応遠征あるらしいぞ?」

 一応は端末に計画書が送られている


 「俺は海に行きたい!そして水着姿の雪が見たいんだ!!」

 めっちゃ目をキラキラさせながら、アホな事を言う親友にまたズッコケた


 「…良いんじゃない?空が雪さんを大好きなのだけは、よ~く分かった。安心しろ俺は口が固い」


 「バッ…ちっ違げぇよ!ああ見えて面倒見がよくて優しいだろ?しかも超可愛い…」


 動揺してボロボロと心の声がこぼれ落ちていく…俺は聞いていないフリをして網ですくっていった、10分後



 そして出来上がった、恥ずかしさのあまり頭を抱えて動けなくなった空

 「じゃぁな」

 もちろん容赦なく置いて…ウオッホンそっとして置いてあげようと帰ろうとして

 「置いてく気かよ!」

 飛び起きた、空はこうでなくっちゃな



 「冗談はともかく…良いんじゃないかな?実際お似合いだし、連携の練度もあがって一石三鳥だ。さっさとガレージを交換しろ」

 途中から、めんどくさくなったがそれが手っ取り早い。


 「そうだな…言ってみるよ」


 腹をくくったらしく決意に満ちている所に爆弾を落としてみる

 「シェル姿も見放題だな」


 空が思考停止に陥ったのは言うまでもない





 こちらも悩んでいた

 「はぁ…」

 「どうしたのぉ?ユッキー?恋の悩み?空君はカッコいいもんね?」

 千花が変なことを言うので、頭を狙った手刀は止められた


 「ガレージの事でちょっとね…」

 「交換しちゃう?私は別に構わないよぉ~?私達だとスタイルの問題で足を引っ張りあっちゃうし」


 千花の言う通り完全なサポート型ではないにしても、サポート型同士が組む事はあまりない


 「それに陸君りっくんとのコンビネーションがスゴくしっくり来てたしぃ~」


 千花も意外に手応えを感じていたようだった。千花が嫌がっていたらガレージの交換はやめようと思っていた


 「そうなの?じゃぁ交換しちゃおっか、私達も強くなれるし」

 「ユッキーは毎日、空君と一緒にいられるよねぇ~」

 チラッと視線を外すと蒼騎に空が相談していた。最近の空が落ち込んでいたので心配していた


 おもむろに近づいていき

 「ガレージの移動しましょ」

 次の日には早速交換された



 …ヤバイ!めっちゃ気まずい!

 空はパニクっていた

 …二人きり…なんか気まずい!

 雪もパニクっていた


 「こっ…これからよろしく」

 「わっ…私もよろしくね」


 誰かが見ていたら、きっとこういうだろう『初々しい、微笑ましい』

 所が空はスイッチを入れ換えた

 蒼騎に貰った設計を仕上げていかなければいけない


 「それって昨日、蒼騎君に相談してたやつ?」

 「そう、『蒼騎おれだったらこうする』を自分流に変えていけって言われてね」

 

 蒼騎の設計って想像にしては完成度が高くないか?カーボンナノチューブを編み込んだ人工筋肉のサスペンションを各脚部に組み込んでる


 「…これだとパワーが有りすぎるから、ここをもうちょっと少なくした方が良いと思うよ」

 ジーっと設計図を見ていた雪の言葉だった

 「えっ…分かるの?」

 俺には細かい所は分からないけど、スゴく動けるのは分かってる


 「完全には分からないけど、コレをそのまま作ったら多分…速すぎて簡単には止まれないんじゃないかな?」

 聞いて唖然とした。だからコレが取り外しできる設計になってるのか!

 蒼騎…やってくれるね、そこまで俺を買ってくれてるって事か?やってやろうじゃねぇのよ


 親友の悪知恵を自分のスタイルに落とし込んでやると躍起になって設計した


 そして3日後に出来上がった


 「蒼騎!出来たぜ!」

 「おー…まさか、そのまま作ってねぇよな?」

 コイツ!マジであのまま作ってたら危なかったのか…雪の助言に感謝した


 「雪が言ってくれなかったら、そのまま作ってたわ…」


 「ハハハ…悪かった、本気で走ってみてくれよ」

 蒼騎がマジで頭を下げてた。許すけどよ、歩いてみたけど以前よりレスポンスが良い…良すぎる


 「俺のギアを見い!!!ろあぁぁぁあああ~!そ~う~き~のバ!カ~!」


 見事なまでに走りが良すぎて、ブッ飛んでいった

 想像通り過ぎた


 思った通りダウン《・・・》グレードをして、あの機能性は成功だな。空以上の速さを出すのは不可能だろう


 多分俺じゃ扱いきれないだろうし

 個人的には空を最速の機士にしようとしてるし、なれると思っている

 それほどの信頼をよせている


 「こっ…この野郎…」

 地味にダメージがあったらしい

 「ちょ~っとハイスペックに設計しすぎてたからな、雪さんに感謝しといた方が良いぞ」


 嫌がらせではない

 思ったより高性能過ぎただけだ

 だからこその「自分のスタイルに合わせて作れよ」と言っておいたんだけど


 ガレージの交換で救われたな…と心の中で苦笑した



読んでいただきありがとうございました


更新が止まっていたのは私生活が忙しかったためです。もし楽しく読んでくれている方がいたら心配させてしまい申し訳ありませんでした

更新頻度は下がると思いますが、これからもよろしくお願いいたします

m(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ