3 リンドブルム
突然の衝撃
自分のギアが貰える事になった
欲しい機体は手に入るのか
それもそのはずだ
教師の言った一言でクラスに衝撃が走った
「では、自分のギアを選んでみましょうか。基本的に早い者勝ちなので、さっき気になったギアを選ぶと良いですよ。」
えっ?いきなり選ぶの?
「本当に選ぶの?」
声が聞こえてくるし皆の顔にそう書いてあった、だからよく見ておいてくださいねと言われたと理解した。バタバタと選び出すクラスメイト達
「急いでね~」
俺は決まっていた
「こいつだ」
さっき見て一番綺麗と思ったギア、見た瞬間に完成形が見えた
前に立ち、ギアの前にあるパネルで認証した
すぐ後に横から声がかかる
「これは僕が先に選んだ、だから別のを選べ」
不快な物言いで後ろから割り込まれた
「早い者勝ちなので、これは俺のギアです。割り込みは困る」
運悪く俺のギアを選んだヤツがいたようだ。態度がデカイどこにでもいそうなクレーマーがここにもいた
騒ぎになる前に教師と姉さんが飛んできた
「先に選んだのですが後から退けと言われて…」
俺は説明をしてギアはカメラアイが録画してるし、パネルで認証してしまっている。
基本的に後先の言い訳は通用しないがクレーマーは引かなかった
「僕が選ん…「ハイハイ、じゃぁギアに選んで貰いましょう?それなら文句ないわね?」
紫苑姉さんの言葉に頭を傾げた、ギアに選んで貰う?訝しげにしぶしぶクレーマーも引き下がり少し下がった場所に離れて立った
紫苑姉さんはギア向かい発言する
「アナタはどちらに乗ってほしい?」
言葉に無人の筈のギアが動き出した、一瞬唖然としたが俺の前に片膝を突き、手を伸ばした
『貴方です』
言葉を話して更に驚いた
隣で口をパクパクさせたクレーマーは、じゃぁ貴方は別のを探してねと教師に言われ、とぼとぼと去っていった
これで正式に俺のギアだ
意地悪な姉さんは隣で
「このギアは私が作ったの」
と子供のような笑顔でこっそり教えてくれた
最新鋭のAI搭載型マニギアード
AIが搭載されている以外は他と変わらない、自律で動けるという利点がある
「さっき俺の事見てただろ?」
ギアに言ってみる
『はい、ギアを丹念に駆動系等など調べられていたので気になりました』
機械が喋ってるとは思えないほどの切り返し、そして人ではない。さっきの不思議な感覚の正体、コイツの視線だ
『ギアに名称を付けてください』
コードネームってやつだ。大抵はこの学校を選んだ時点で色々考えたりする
『銀色の魔女』シルバーウィッチのように世間が見たままつける場合もあるが
「リンドブルム、コレ以外に付けないから変えなくて良い」
このギアを見た瞬間に一番合う、神の啓示のように完成形のイメージと名前がが頭に入ってきた。
『リンドブルム…重複の確認も済み承認しました。以降リンドブルムとして登録されます』
「よろしくな、リンドブルム」
俺だけのギア『リンドブルム』
リンドブルムの意味は『有翼の竜』だ
竜に見えたのだ
AIは女性の音声なのが若干違和感を感じるが、ギアとは別に名前をつけた方が良いだろう。俺のイメージのリンドブルムは雄々しい竜だ
さっきとは違って俺だけのギアになったので触ってもOK
「カッコいいな…」
ギアの差し出された手に手を重ねる
エスコートされてるみたいだなと苦笑してしまう
ペタペタと触りじっくりと見て、完成イメージを重ねる
「そういえば前は紫苑さんが乗ってたのか?」
『いえ、私は誰も搭乗させたことはありません』
何で俺?と思ったがすぐに疑問は消えた
『大切にしていただけると思ったので』
うん、一生大事にするよ
もしかしたら壊れる事もあるだろうけど、その時は謝ろう
そして自分も乗れないと判明したのに
なぜか自慢げな姉さんは無視しておく
2万字…いっぱいあった方が良いのだろうか、悩みながら書いて見ようと思います
もしかしたら徐々に増えていくかもしれません