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マニギアード~ゼロの機士~  作者: 白峰 黒夜
4章 外の世界編
45/61

35 敵勢戦力

赤の点滅

ギアもどき

夢の中だけでも

 「…なんだコレ?」

 赤いランプも点滅している

 ノワールが放送より早く教えてくれていた

 『所属不明の戦力が富山湾沖から侵入があった模様、ギアに搭乗し待機してください』


 リフトに飛び乗る、制服を着替えシェルを着込むとシートに座った

 すると突然ギアが動き出した

 『登場を確認し、要請があったので移動します』


 地上に出された

 シルフィードも出てきていた

 「機士団の手を貸していただきたい」

 神坂さんと姉さんがギアで現れた

 「彼等はまだ1年生です!とても実戦なんて…」

 過保護…から言っている訳じゃないのは分かっていた。時期が早いと言う事だけど、いずれはやらなくてはいけない事だ


 「やらせてください」

 「覚悟はあるつもりです」

 俺達の決意を示した


 「分かりました、でもシルフィード…貴女はダメです。カスタマイズによるオルニウム化が間に合っていません、教官として学生が犠牲になるのは許可できません」


 このはが絶句していた、カスタマイズをしていなかったことがここで響いてしまった


 「…蒼騎さん、無事でいてください…」


 自分が着いていけないと辛いだろう。

 愛する人を死地へ送り出さないといけない


 「絶対に戻ってくるから心配するな」


 シルフィードは格納庫へ収納されていった

 「では着いてきてください」


 すごいスピードで走り出したが追い付ける、クラスメイトとは比べ物にならない

 「さすが1年生で機士団になった方ですね、自信を無くしそうです」

 「いえ…自分なんかまだまだですよ」


 そう話ながら富山であった戦争を思い出していた。誰もあんな思いはさせない


 丘を越えると海に戦艦が5隻あった

 既に3機のギアがいた…負けた3人のギアだった


 無謀にも所属不明な『敵』は特攻を仕掛けてきたが市街地からは外れていた

 そして驚きがあった

 着岸していた戦艦から5機のギア?が現れた


 「まさか…開発したのか?」

 ギアに似てはいるけど、かなり太い。それに開発なら出来るだろうなとは思っていた

 「鹵獲ロカクされたことはあるんですか?」

 「かなり前に腕が取れた、足が取れたとかならあったけど今はない」


 ソレだな…オルニウムは合金化したら検出不可だし、拾って構造さえ考え太くすれば作れない事もない


 もともと日本でもオルニウムが無い時は考えていた訳だし…アレよりはレベルが高かっただろうけど


 せいぜい長くて3時間の制限ありのギアもどきだろう、重武装で更に時間が減ってそう。


 そんな考えをしていた時に、こちらに気付き銃を撃ってきた


 「避けろ!」

 実習戦闘でケルベロスに襲われた時から敵を前にした時は油断しないと決めていた


 言われる前に飛び退いてしまった


 そして反射で飛び出す、敵へ向かって刀を抜いて


 「待て!」

 止まれるわけがない、止まったら良いマトだ。既に危険と見なされ敵は此方コチラに向けて撃っている


 「すみません、鎮圧します」

 機士団の実習戦闘を思い出す、アレに比べれば何て事はない

 ブースターを使って斜めに走る、敵のガトリングの射撃に追い付かれないように全速力で


 「無理はするなよ!」

 「了解です」


 1機が先行し過ぎていたので武器ごと斬らせて貰う

 ガトリングを斜め下からギアもどきの胸部にかけて斬り裂く、仲間ごと撃ってくるとは見下げたクズ共だ


 刀の切れ味に全く問題はない


 味方の援護射撃もあり2機は沈黙していた、残りは2機。

 しかしその2機は雰囲気が違った


 腕がほぼマニギアードの物だった、恐らく傑作機だろう


 動きが少し違うけど大差無い、片腕を斬り落とすと逃げ出すが逃がすわけがない


 蹴り倒して踏み潰した。それっきり動かなくなった、もう1機も4人で倒したようだった


 「やった…な…」

 「こういう事ってよくあるんですか?」

 当然の疑問だった、ギアでの戦闘は命の危険があるのだから


 「1ヶ月ほど前に1度だけあった、最近は領海ギリギリに浮上してたりするんだ」

 「すみません、ソレ貸して貰えますか?」


 狙撃用のライフルを借りて構え、戦艦の管制室を撃つ

 ダッーン…ダッーン…ダッーン


 一瞬気づくのが遅れたが止められた

 「待てっ!」


 ダッーン…

 「1隻あれば大丈夫ですよね?」

 神坂さんは絶句していた

 周囲の確認をして俺は単独で基地に戻る…つもりだったがシルバーウィッチが空から降りて同行した




 帰ったら、このはが抱き付いてきた

 「大丈夫だったよ」

 何も言わないけど頭を撫でる、気丈に振る舞っていたんだろうけど俺の姿を見て壁が崩れたんだろう


 「蒼騎…大丈夫?」

 「姉さんも見てたでしょ?1発も当たってないし何とも思ってないよ」

 何とも思ってない、多分これが問題ではあると思う。多分、人を殺した。でも本当に何とも思ってない


 敵に何か思う必要はない、人は繋がりの生き物だ。心の奥底には仇討あだうちしたいと思っているのかもしれない


 ここでは特に子供の頃を思い出してしまうし


 リンドブルムを収納すると神坂さん達が戻ってきた

 「すまなかった…学生の君にあんな事を…」


 正直驚いた、怒られると思っていた

 勝手に突撃して敵を排除して4つの戦艦を潰して1機を踏み潰した


 「気にしないでください、それよりやり過ぎました…すみませんでした」

 深く頭を下げた


 「コチラが援護要請を出したんだ、想像以上の力を貸していただいた。ありがとうございます」

 逆に頭を下げられた


 謝り合戦になりかけた時に姉さんが割って入った


 「いえ、私が迅速に街の安全を確認できれば殲滅も出来ていました。教師として未熟だったせいです、申し訳ありません」


 さすがに元帥に謝られて合戦は止まった。戦艦は恐らく中国の物だった。ギアもどきも当然回収したとの事


 それ以上は話を聞かなかった


 旅館に戻って、このはに手伝ってもらい洞窟風呂を貸し切り3時間入った

 また3人だったけど、俺の気を紛らせる為だったと思う



 本当は全裸でプカプカ浮いていたかったけど、また阻止されてガッカリしていたのは内緒だ…



 俺が戦場に出たことを知っているのは一部だった。夕飯は昨日と同じバイキングを美味しくいただいた


 今日は空と陸の部屋に押し掛け雪と千花も呼んで、6人で海外ドラマを見て遅くまで見て過ごした


 このはが眠そうにしていた頃に自室に戻り布団で眠った



 懐かしい夢を見た

 戦場にならなければ過ごせたであろう日常、このはと手を繋いだ自分と手を繋いだ両親。

 笑顔の祖父母が出迎えてくれた幸せな日々…そこから明るくなっておぼえていない





読んでいただきありがとうございました

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