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マニギアード~ゼロの機士~  作者: 白峰 黒夜
4章 外の世界編
44/61

34 遠征というより旅行

良い旅館

美味しいご飯

観光


 「すっげ~…」

 旅館に入って、みんな思っただろう

 老舗っぽく作ってある、のに最新鋭なシステム満載。鉄筋コンクリートの骨組みに木製の外観と内観

 暖かみがあって素晴らしい


 「良いなぁ~…普通の旅行で来たい」

 思わず本音が漏れる、落ち着く雰囲気にやられた

 「部屋わりはガレージと同じですから部屋を聞いて向かってくださいね」


 日程は今日の移動と見学、明日は観光

 明後日に帰郷の予定だ


 そしてみんなが我先にと温泉に殺到した、俺は裏技を使ったけど

 「コレ予約できますか?」

 「えぇ大丈夫ですよ」

 「18時でお願いします」


 コレとは貸し切りだ

 1時間半だけ小さな温泉を貸しきれる

 大風呂は無理だけど8ヶ所あるうち2ヶ所は個室に近く貸し切りが可能と受け付けに書いてある、使わない手はないだろう


 このはの荷物も持って、すぐに部屋に行って畳に倒れる

 和室って良いよね

 「静かで良いところだね」

 「そうだなぁ~…」

 本当に静かで落ち着いて休暇や療養に向いてる、コンコンっとノックが聞こえ開けたら

 「蒼騎~」

 …姉さん、学生じゃないんだから…

 「一緒にお風呂行こう」

 ガクッ…いやいやダメでしょう、と思ったら思わぬ援護射撃が後ろから聞こえてきた

 「私も行きます」


 姉さんに予約を見られたと思って諦めた

 時間まで部屋で暇を潰した

 なぜか姉さんの膝枕をさせられている俺、『姉の特権です!』じゃないから…

 しかしこの旅館は雰囲気が良い

 ゆったりとした時間が流れていて眠りたくなってくる


 意外と体も疲れていたんだろう

 時間になる5分前に向かって先に入った


 施錠式で間違えて入ってくるということはないけど

 「気持ちいいぃぃ~」

 姉さんの声が響いて、なんでこうなったんだろうと考える

 少し離れた場所に、このはと姉さんがいる


 意図せずに混浴になってるし


 洞窟温泉という響きで予約した。半露天風呂の洞窟と言うことで、奥深くまであって暗めで落ち着く


 ちなみに一番奥に俺はいる、目を閉じて風呂を心ゆくまで堪能する

 熱過ぎず、じ~んわりと芯まで熱が染みる


 「はぁ~…気持ちいい…」

 「気持ちいいですね」

 ビクッ!このはがいつの間にか隣にいた

 「ごめん、驚かせちゃいましたね」

 苦笑しながら言われた、あれ?姉さんは?と思ったら、やっぱり隣にいた

 「美少女に挟まれて幸福者ね~」

 「姉さんは美少女じゃなくて美女でしょ」

 俺の返答に姉さんは満足そうな態度で温泉を楽しんでいた


 ちなみに姉さんも予約したらしく3時間は入ってられると言っていた…逆上ぼぼせるわ!


 それに晩飯が無くなる

 1時間半は入っていた、もともと長湯が好きで本を持って入る位だけど


 晩飯はバイキング形式だった

 富山の名産品はもちろん、スタンダードな料理もあった。一応遠征ではあるけど団体旅行と言っても差し支えない


 白海老やホタルイカ、カニなど海産物が美味しかった。

 個人的には氷見牛のビーフシチューが口のなかでホロホロとほどけ、脂身がジュワーっと溶け出して甘い香りが鼻から抜けた


 カレーにも氷見牛が使われていた。ゴロゴロとした大きさで食べごたえがあった、ビーフシチューとはまた違った食感が美味かった

 煮込みすぎず噛める固さを残していた


 このはが俺の食べてた物をメモしていた、最近になって気づいたけど作ってくれてる料理に反映されてた



 「いつでも食えるとかバカにできないうまさだった…」

 腹一杯食わせていただきました

 「氷見牛…用意できないですね」

 このはが今度作るメニューを考えていたらしい


 「マジ美味かったわ!」

 「本当だよね、明日も食えると思うと楽しみだね」

 空と陸が俺と同じようにガッツリいただいていた


 「遠征ってより旅行よね」

 「意義な~しよぉ~」

 雪と千花も楽しんでるらしい


 「で…それはずさんの?」

 空は『オムニス』が気になったらしい

 「私もソレ気になったけどなに?」


 簡単に説明したけど

 「アストルムシステムだとソレになるの!?絶対にする!」

 6人が心に決めたようだ、正直オススメできないけどな…反動的な意味で


 オブジェクトを被らなくて良いのは楽だし髪型を気にしてる人には良いかもだけど


 今日の移動でクタクタらしく皆はおとなしく部屋に戻っていった

 「お帰り~蒼騎~」

 部屋に入ると仰向けになって、こちらを向いた浴衣の人物と目が合った…姉さん…なんでいるのよ


 くつろぎすぎ!


 疲れてるし布団を敷いて寝た…ら、潜り込んできやがった…


 「久しぶりにお姉ちゃんと寝ようね~…Zzz」

 相変わらず、超寝付きが良くて追い出す暇もなかった…小さい頃はよくこうして寝てたけどさ?


 彼女…このはが隣にいる状態でコレはダメだと思うんだ、このはの方をチラッと見るともう寝ていた


 諦めて懐かしむように深く眠った



 朝、額をぶつけ目が覚めた

 「痛った~…」

 相変わらず姉さんが寝ていた

 何か違和感を感じ視線をずらすと仁王立ちの、このはがいた

 うん…明らかに怒ってる


 このはに姉さんは怒られていたけど、のらりくらりと避けていた


 今日は自由行動が許されている

 よって寝ていても問題ないはずなんだけど、二人に連れ出された

 姉妹に引っ張り回される弟ってこんな感じだろうなと現実逃避しながら着いて行った


 実際は食べ歩きと、お土産物を買っていただけなんだけどね。湖畔の温泉街と言う事もあって、風景も素晴らしく賑わっていた。


 7月で本来なら暑い筈なんだけど避暑地に作られているので、とても快適に過ごすことができる


 昼食は地味に修羅場だった

 俺の横をめぐって微妙な争いをしていたけど朝の事もあり姉さんが負けた…が正面という事をいかして、つい…あーん作戦に引っ掛かり食べてしまった


 紫苑姉さんは俺を甘やかしてくれてて、結構癖になってる事も多い。それだけ心配してくれてたと言う事なんだろうけど…


 午後は、このはが腕を組んで離さず観光した。姉さんは渋々了承してはいたけど、やっぱり楽しかった様であまり気にしてはいなかった


 15時になろうかと言うときに何となく『リンドブルム』を見たくなり、二人に了承を取り見に行くことにした


 旅館で制服に着替えつつ恐らく癖になってるんだろう自分の行動に苦笑しつつ基地へ向かった


 リンドブルムの前についた時、基地に警報が鳴り響いた



読んでいただきありがとうございました

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