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マニギアード~ゼロの機士~  作者: 白峰 黒夜
4章 外の世界編
43/61

33 遠い道のり

行進

ボロ負け

到着


 「整列!進め!」

 教官達の檄がとび、ギアが1列に並び一定間隔で走り出す

 列の1番後ろにいるけどギアが歩いているのを見ていると結構シュールな光景だ


 「これから長旅だな…」

 実際の話、茨城県から富山県まで行かないといけない。

 「楽しみだな~!」

 能天気な親友が1名いた

 10分後に、やっと自分の番…最後が出発になった。


 1時間後

 基本的に川沿いをギアで走っていた

 川と言うのは敵が奥深くまで侵入する経路にもなりうるものなので警戒をしながら進行するという訓練も兼ねていた


 そして思う見渡す限りの森林地帯

 昔は田園が多かったが人口の激減や疎開によって放置された所を再開発によって環境を整え自然を多くする事になった




 2時間後、群馬の中心地に近づいている

 なんか遅い気がする?ペースが落ちてきている。ちなみに物凄い楽な格好で走っている

 完全にシートに寄りかかり足を補助バーに乗せてて見られたら多分…怒られる


 「ここから郊外の通行を開始します、周りを注意しながら破壊しないでください」

 遅い原因がわかった、やっときた市街地区画の通行


 基本的に道は広くされているので余程の事がないとコケない…はず


 こうして町を横切ると何か巨人になった気分になる

 「怪獣になった気分だな」

 「破壊の限りを尽くす怪獣はきっと邪魔だろうね」

 空と陸が暴れそうな話をいていた

 確かに邪魔な建物だ、進行方向にあったら壊したくなる気持ちが分かったけど

 「護るものを壊すなよ」

 一応釘を刺しておいた


 少し進むと開けた場所に出た

 山奥なのにも関わらず結構整備されいた。

 突如、警報が鳴り響く


 地面から箱が飛び出して開いた

 武器が収納されていた

 「これは訓練です、これは訓練です。敵が襲来しました各自武器を装備し迎撃してください」


 …まさかの疲弊した所に、この訓練

 刀を抜こうとした瞬間、教官に止められた

 「それ使って良い分けないでしょ!、貴方とシルフィードは周りを見てて。機士団の任を全うしなさい」


 …何ィィィィィイ!?

 俺いつの間に機士団にされてんだ!?


 『マスター、武器携帯は機士団権限のようです』

 やられた…俺は心のなかで崩れ落ちていた。笑ってる団長アイツの顔が目に浮かぶ…


 くっそぉ~…


 軍のギアが敵として戦ってくれているらしい、俺も戦いたい…と思っていると1機のギアが近づいてきた

 

 「機士団の方ですね、部隊長の神坂コウサカ 道風ミチカゼ上級機士です。基地までの誘導を任されました」

 

 「来栖 蒼騎です。ご足労かけます、誘導の方お願いします」

 反射的に答えてしまったが、機士団でいいやと諦めた


 ギアの戦闘は正直凄かった

 当たり前だけど、ボロ負け。さすが現役のプロ機士だ、経験も技術もレベルが違う

 後から聞いた話だが、『学生に負けたヤツがいたら演習量を10倍にします』とにこやかに神坂上級機士が言っていた


 ここで朗報

 4人が勝ったのだ

 空と陸が1対1で僅差で勝った

 雪と千花は2対1で勝った


 残念ながら3名は10倍になるようだ

 「素晴らしいですね。学生とは思えない戦いぶりでした。」

 本当に感心していた。現役の軍人として、学生と引き分けは負けと同義だろう

 逆に言うとそれだけ4人は、がんばったとも言える


 「これから基地へと向かいます、皆様はお辛いでしょうがガンバってください…それとも野営しますか?」

 

 通信を飛ばしながら周りを見ていった

 倒れているギアは一斉に起き上がり一つの執念で動いた


 温泉に入りたい!!


 「大丈夫みたいです。では俺は…私は一番後ろに戻ります」


 「ははは、『俺』で良いですよ。学生ですからそこまで肩肘張らないでください、軍人になってからで良いですよ」

 先頭に向かって走っていった、結構砕けた方でいい人っぽい


 「俺は…やった…ぜ…」

 「僕も…なんとか…」

 二人がようやく復活した、相手が相当強かったのに僅差で勝ったのだから疲労も大きい

 「羨ましい…」

 あの時以降に実習戦闘の訓練が出来なかったし、正直楽しそうだった

 強襲訓練だし


 一応1時間の休憩があった

 めっちゃ怒られてる軍人3人がいたがさっき負けた人だろう…お気の毒に…


 ほぼ本気の戦闘をした皆はぐったりしていたが温泉の魔力は恐ろしかった。休憩が終わり、走るペースが上がっていた



 富山基地が見えた時には歓声が上がった疲弊ひへいしきっていたので元気はあまり無かったけど


 150機のギアが収納されるのに1時間掛かった、その時間を利用して皆は運動用の服に着替えていた


 基地には

 多脚型やタンク型、フロート型等のギアがあった

 地形によって使い分けるそうだ

 癖が強くてあまり操縦したがる人はいないみたいだけど


 一通り見学が終わるとシルバーウィッチが飛んで来た、皆が向き敬礼し時が止まった


 紫苑姉さんが降りてきて、前に軍人が整列していた

 「お目にかかれて光栄です、御足労をお掛けして恐縮です!式守元帥殿」

 「やめてください、今はただの一教師ですから」

 姉さんが狼狽うろたえている

 元帥げんすい…ほぼ一番上の役職じゃないか!昔は名誉職なんてバカにされていたが機士の中では違う

 単独行動が許可されている最強の機士に与えられる最高の役職と階級だ


 俺、すごい人と知り合いだったんだなと改まっているとチラリと姉さんがこちらを見た


 「ここからは私が預かり旅館に案内します。よろしいでしょうか?」

 嫌な予感も的中し、全権をブン盗った

 元帥だから断るに断れなくて、めっちゃ困ってる神坂さん…

 「よ…よろしいのでしょうか?」

 「私が全責任を持つのでご心配なさらずに!」


 敬礼して去っていく一団

 「ではついてきてくださいね~」

 軽い!声も楽しそうだ、旅行に来た気分なんだろう。地下通路から旅館まで一直線という変な作りだった


 それもそのはずで『ときわのやしろ』という老舗っぽく作ってある財団所有の保養地兼旅館だったから…


 さっき知ったけど1年全体で154人いるらしい、一ヶ所にまとめるわけにもいかないので1クラスずつ分けたら俺達はここに泊まる事になった




 

読んでいただきありがとうございました

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