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マニギアード~ゼロの機士~  作者: 白峰 黒夜
4章 外の世界編
42/61

32 明日の準備

思ってるより疲れる

知恵熱

刀に凝りすぎ


 余裕なのは最初だけだった

 初めの1時間までは余裕だったけど、次第に辛くなっていく。ギアが動かなくなっていく…なぜか反応しなくなっていく


 原因は脳や体の疲労


 少し休憩すれば走れるけど、次第に動けなくなるギアが多かった、俺は2時間までは走れた。そこからは皆と同じで次第に動けなくなる


 「シートをカスタマイズしてる分…ましなんだろうけど…」

 コレは地味に辛い、慣れるとは言われていたけど


 「疲れましたね…」

 このはが珍しく疲れを口にした

 「大丈夫か?無理したらダメだからな?」

 このはが、がんばり屋なのは昔からよく知っている。俺のいうことだけはすんなり聞いてくれるので止め役だった

 「はい…ありがとうございます」

 言葉が嬉しそうに感じてるなか


 「ダメ…二人を冷やかすチャンスなのに…疲れて頭が働かないわ…」

 「本当だよぉ~…うぅ~…」

 まさかの雪と千花からだった


 冷やかしに来るとは余裕ありそうだな

 「コツってないのかな?」

 『無心だそうです』

 まさかのノワール様からの天の声が!…冗談はともかく…

 「何も考えるなってことか?」

 『近いようで遠いです。意識しすぎるなの方が正しいと思います』


 あぁ~…なんか納得できた

 走る!って肩肘を張って下手に集中しすぎて、勝手に疲労が溜まっていく

 人間…自分の体ならそこまで意識しないで歩いたり走ったり出来るしな


 ギアを生身のように扱えるようにする

 とりあえずシートに全身をあずける

 目を閉じて脱力を意識、深呼吸して意識がギアになるイメージ

 ゆっくりと目を開けて、こっちに行くか…

 歩き出す、目的もなく…とりあえず進む


 何となく、ぎこちないながらも動けている。特に何か考えると言うことはない、ただ進む、進むだけ、この道を行く


 普段と同じように周りを注意しながら、休憩してるギアを避けていく


 「コツはつかめたかしら?」

 教官がいつの間にか横を歩いていた

 「無心…意識しすぎないですかね?」

 ノワールが言ったことだけど


 「そうね、意識しすぎると疲れちゃうからね。『人間のように無意識に』が基本の最終ね」

 人型の最大の利点を活かすなら最高だ

 教官が邪魔しないように離れていった


 ちなみにコツは無線共有で自分のクラス全員に流してた


 「「「「「「ありがとう!」」」」」」


 いえいえ、どうしたしまして

 個人的にはクラスを最強にしておくと色々楽そうな気がしたし、いざと言うときは助けてもらうし。持ちつ持たれずだよね


 無線を7人に合わせ直すと

 「はぁ…これで疲れなくなるのかな」

 「意識しすぎるな…か」

 空と陸は…なんか無駄に疲れてる


 「蒼騎君が教官のアドバイスを流してくれたのは良いけど…」

 「あの戦闘をした蒼騎君にされたアドバイスを実践できるのか心配…」

 雪と千花は微妙に酷いことを言っている気もする

 「さすがソウキだね!」

 「ミカエル…私を置いていけ…」

 ミカエルとグラムは正反対らしい


 こうして最後までひたすらギアで走っていた。大分走れるのは増えたと思う、疲れ過ぎて何も考えられなくなって歩けるようになった者もいた


 「無我の境地…」

 空もその一人で、うめいていた…

 「大丈夫か?」

 大半が疲れすぎて頭が働いていないのかブツブツ言ってる状態で帰宅していった


 次の日には皆が普通に走れるようになっていた。次の日になったから分かったけど、結構ハードな特訓だった。


 知恵熱ってやつだ


 病気じゃないので医療用ナノマシンでも直せない。ので俺を含めて皆顔が赤く熱っぽい

 

 「本日は午前中に端末にデータを送るので遠征の道のりや装備の確認して、午後はギアに持ち物を積んで明日に備えておいてください」


 昨日の感じから今日もギアで走ると思ったけど、こうなるのは想定済みだったらしい。

 皆がフラフラしている、上級生とすれ違うと懐かしむように遠い目をしていた…多分現実逃避だと思うけど


 少数に特例のメッセージも送られてきた


 来栖 蒼騎

 ギアの武器携帯を許可します

 装備しておくように


 …マジで?いったい何するんだよ…とか思ったら、このはにも届いたらしい

 このはもシルフィードに幅が少なめのブロードソードを作っていた。恐らく一定以上の戦闘能力を持つものか、カスタマイズの状態で選ばれていると思う


 「蒼騎さんも届きましたか?」

 「届いたけど、いったい何させる気なんだろうね?」

 二人で頭をかしげたけど熱っぽいので即考えるのを止めた


 メンテナンス自体は毎日行うものなので最低限で済むので、ほぼ試作用のシートで寝ていた


 お昼頃には、ほとんどの人が体調は改善していた。実質遠足のような感じで皆は浮わついていた。


 「御菓子って持っていく?」

 「当たり前でしょ、バスじゃないし暇で死んじゃうわ」

 雪と千花の女子っぽい会話だけど、勝手に進まないから映画を見てたら着いてました~…なんて出来ない


 今思うと凄くつまらない気がしてきた…


 「ある意味実戦の練習だからな…」

 「市街地で戦う場合もあるだろうし…」

 ギアが戦争に出たら即終結しそうだよな


 「俺は温泉が楽しみだな」

 暗い話題はここまでで良いだろうと思い話題を変える。温泉街で宿泊もあるようだ

 軍の基地では宿泊は出来ないのでギアの収納をして見学したら地域性を勉強して自由時間だそうだ


 「楽しみだな」

 「初外出だね」

 「学園内で全部揃っちゃうもんね」

 「温泉街で楽しめたら良いなぁ~」


 やっぱり遠足…というより旅行は浮かれるよなと思いながら昼食は終わった


 午後は買い出しと衣服を積んだ

 服を3着づつ、携帯食料4個、御菓子5個、飴1袋、飲み物4本


 飴は暇潰しで入れたけど、一応最低限だ


 そしてリンドブルムに刀を装備させておいた、刀の入れ物をとても個性的に作ったった。

 人間のように刀を限界まで引き抜く必要が無いようなローラースライド式の鞘を考えて作っておいた


 刀を抜く時に鞘の刃側が開いて直接抜刀が出来る、刀を納める時は下から入れれば閉じる


 こんな装備を持たせる遠足ってどうなのよ?とは思ったけど念のためだろうと思って指示に従う、一学生として…軍人として…



読んでいただきありがとうございました

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