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マニギアード~ゼロの機士~  作者: 白峰 黒夜
3章 バトルスタート編
32/61

24 ライトニングスピード

わくわくドキドキ

ライトニングスピード

意外とお似合い

 それから三日後、空は実習戦闘に選ばれてた。


 「よっしゃ~!やっと俺の番だぜ~!」

 うんうん、めっちゃウズウズしてたもんな

 「ははは…蒼騎の試合見てから空は我慢してたからね…」

 ガレージが一緒の陸はひしひしと感じてたんだろう、隣で爆弾が爆発しないか…


 「空、楽しみにしてるぜ?」

 「言われるまでもねぇぜ、実習戦闘の観戦で自分のシミュレーションはやりまくってたぜ」

 空は本当に俺の試合が終わってから本当に戦いたがってた


 ギアの訓練は基本的に歩く、走る、武器を振る、武器を受ける、位しかまだ許されていない


 皆、一通りやって来ると実習戦闘をしてみたくなってくる…そしてウズウズして戦いたがってくる


 「待ちに待ってたんだ!俺も蒼騎みたいにバサバサ切りまくるぜ!」

 楽しみにしてるぜ?



 文字通り開幕、初っぱなから激走

 「マジか…」

 

 ある程度ギアが出る場所は決まってる。そこへスタートダッシュをかけた

 

 初戦のはずなのにイキイキとしてて残酷、浮き足立つ他のギアを狩る


 足を狙い動けなくなったギアを確実にポイントが取れる所を狙う

 倒れた獲物をさばくように切って次を狙いに行く


 これの繰り返しだった


 「空…やりすぎだろ…」

 実習戦闘を出来なすぎて、こじらせたな…

 「まぁ…何となく想像ついてたけどね…」

 陸が遠い目をして言ってる

 俺がポイントを大量獲得して羨ましがり、確実に間接を狙い大量にポイントゲット


 今回の状態になった


 不幸な奴らだ…野獣と戦ってるのと変わらないしな。


 ライトニングスピード《疾風迅雷》


 このはの最速記録が更新され、ある意味一番戦いたくないギアと言われたのは言うまでもない


 「つまんねぇ~!弱すぎじゃね?」


 楽しそうな空がホールに戻ってきての一言目

 お前…確かに30分で終わったとは言え皆初戦だからな。こんなもんだって…


 あまりに早くて前倒しで整備になったとは言え、結構満足してるっぽい空


 「へっへーん、ポイント大量に頂いたぜ!そしてガッツリカスタマイズ出来ちゃうよ」


 そりゃぁ…アレやればな…

 俺もやろうかな?とか考えると

 「次からは対策されそうだよねぇ~」

 だよな、千花の言う通り。他のギアも真似するだろうし、同じ事をしてても勝てない


 ロボットを作ってるわけじゃない

 様々な状況に対応できる『機士』を育ててる

 だから実習戦闘を見ることも立派なカリキュラムになる。良い所は真似する、悪い事はやらない

 そういう学習でもある


 一度、実習戦闘を経験すると意識が変わる。改善点が分かると言うか、戦闘に向かないとか

 

 俺はやっぱり戦いたいです!

 そして今日の異例の早さによって、明日は午前と午後の2戦連続の実習戦闘が決定された


 「空君が早いから~」

 「本当だよぉ~」

 女性陣二人が選ばれた不満がこぼれた


 空は乾いた笑いをしていたけど、速攻で終わらせれば1日2回の実習戦闘が出来る?と思うと早く終わらせてほしいと願った


 自分のギアを見に行く、なんか日課になりつつある。フレームを換装して少し細くなったリンドブルム。

 カスタマイズする場所が多過ぎる

 ポイントが欲しいんだよ!


 「蒼騎さん?」

 知らぬうちにうなっていたらしい

 『マスター、フレームの換装及びジョイントの可動に問題ありません』

 右腕のジョイントは先にカスタマイズしてたから上半身のフレームとジョイントは思い通りにオルニウム化が完了だね!


 頭の設計でもするかと思ってメインモニターで項目を調べている

 「ん?アストルム…システム?」

 なんだコレ?こんなの前には無かったぞ?入れとくか効率性が上がるって書いてあるし

 と頭部のデザインを描いていくと3Dに変換され立体図が出てくる


 「ここがもうちょっと…」

 気に入るまで描き続ける…終わった

 そう思って時計を見ると17時

 「ヤバッ!この…」

 振り返ろうとしてこのはと目が合った

 「はい、どうしましたか?」

 ニコニコしながら此方コチラを見ていた

 「帰ろうか?」

 「はい!」


 聞けば少し前から集中して設計図とにらめっこしてた俺を見てたらしい

 会話が終わるとノワールに止められた

 『マスター、頭部へのアストルムシステムの組み込みに1週間の製作期間が必要になります』


 …

 「えっ!1週間もかかるの?」

 あれ?『頭部への?』他の部分もあるってこと?

 『今から開始してもよろしいでしょうか?』

 「たっ頼む…」

 予想外のシステム…変なのに手を出しちゃったかな…と目眩がした


 


 その時警報が鳴り響いた

 「なんだコレ?」

 『所属不明の敵戦力が発生しました』

 衝撃が走った


 スピーカーでも流れてきた

 「只今、所属不明の敵戦力による攻撃が確認されました。構内の機士はガレージにて待機してください」


 空気がピリつく、戦場の空気ってこんな感じだろうか?

 「出撃…するんでしょうか?」

 「う~ん…それはないと思うけどね。まず武器が無いし、念のための待機かな」

 素手で特攻とかバカにも程があるし、30人しか実習戦闘してないのに戦場に送り込んだら死ねって言ってるようなもんだ


 このはは心底ホッとしたようだ

 「ノワール、前入れておいた刀も頼む」

 『了解しました』


 フレームを工夫していたら余ったオルニウムとマテリアルで刀も作れるくらい余った。


 武器はまだ使っちゃいけないが、作って置いとくだけなら問題ない


  フレームは三層構造

 『ボーン』『アドホック』『シェル』

 で出来ているフレームは大抵『ボーン』の事だ。作れる所がいっぱいある


 個人によってギアは変わっていく

 こんな風に考えてないと緊張で倒れそうだ。このははいつの間にか手を握っていた


 10分程経った

 「所属不明の敵戦力が消息を絶ちました、帰宅を許可します。気を付けて帰宅するように」


 このはが崩れ落ちそうになって支えた

 「蒼騎さん…ごめんなさい」

 「無理すんなよ?」


 ぞろぞろとガレージから出ていく学生達、皆が憔悴しょうすいしきっていた。


 多分俺も同じ顔をしてるのかな…

 「蒼騎…お前は平然としてんだな」

 後ろから空が出てきていた

 「ん~?そう見える?意外と緊張してるよ」


 「やっぱり蒼騎は凄いね…」

 陸も元気が無さげだな…アレ?雪と千花は?通信しながらガレージの横で待ってみる


 出てきたな

 「二人とも大丈夫か?」

 「「なんとか…」」

 グッタリしてる…明日の為にセッティングもしてた二人にはにはキツい


 「おい、空、陸、支えてやってくれ」

 空は雪を、陸は千花を支えてあげてた


 「ありがとう…空…」

 「ありがとうね…りっくん…」

 アレ?結構仲良いんじゃん?お似合いだなとか思ってると

 「お似合いですね」

 「そうだな」

 このはが代わりに言ってくれた

 一抹の不安は少し和らいだ

 



読んでいただきありがとうございました

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