1 かけだし機士
運命が動き出す、光か闇か
選べるのは自分だけ
戦争が終わり日本は変わった。侵略行為を受けて意識が変わったと言うべきか、たった一機で敵国の侵略から守りきった圧倒的な兵器を見たからか。
そして日本の分かりやすい変化の一つ
『機士』と言う称号ができた
人型の兵器を操縦する者に与えられる称号で日本に軍が再配置された。この財団が兵器を秘密裏に作り国を救った事を利用し、財団を国が軍に採用したのだった。国や人を守る機士を育てる為の学校、自衛隊より前衛な組織だが自衛が原則な為、攻撃的ではない。
「これが『ときわ機士学院』が発足された経緯です」
一応ここは高校という扱い、教師がオリエンテーションで話してくれた。ここは日本で唯一の機士専門の養成学校である。機械工学、電子工学、操縦技術、国家防衛、様々な地形による戦術、これが基本的な内容である
そしてもう一つ、自動化が進んでいて無人のバスが敷地を走っている。あまりにも広大な土地でバス移動が基本である。
配属されたクラスで移動中、機士と呼ばれる由縁である人型兵器の整備棟に来た。圧巻の一言に尽きるだろう
一面に並んだ数々の機体、微妙に形が違うのは卒業生が自分の機体と交換で最終課題として作製したハンドメイドだからだそうだ。
人型機動兵器『マニギアード』
マヌーバーとギアを組み合わせた造語で高機動戦略兵器が訳で機士として搭乗する機体であり、説明は続く
「このマニギアードはパワー型、ガード型、スピード型、サポート型、バランス型の五つのタイプに別れます。」
パワー型は攻撃に特化したタイプ
ガード型は防御に特化したタイプ
スピード型は高機動に特化したタイプ
サポート型は他の機体の補助に向いたタイプ
バランス型は弱点が少ないタイプ
生徒が手を上げ質問をした
「どの型が一番多いのでしょうか?」
確かに気になる疑問ではあったが意外な言葉が返ってきた
「サポート型やバランス型が少なめであとは同じ位ですが、個人により合うタイプが全くと言っていいほど違います。『搭乗者が多いから』でタイプを選ぶと操作に苦労するので、自分で合う型を探した方がいいです。」
ここの教師陣はこの学校の卒業生が多い、つまり教師であり機士なのだ。
ベテランの搭乗者であり言葉に説得力があった。他人をマネして苦労したのかもしれない。
ここで俺の紹介をしておこうと思う
来栖 蒼騎、茨城県で生まれ五才の夏に富山県の祖父の元に家族で遊びに来て友人と共に戦争にあい両親を亡くした。戦争孤児ってやつだ。
この学校は戦争孤児が優先的に入れるようになっている。独立支援も兼ねた学校になっていて、とても良くお世話してくれている家に悪いと思って入学した。
戦争が起きた事によって、いくつかの地方が疎開の為に消滅した。地元である茨城県の南地方もその一つであった。
その疎開地域の湖一帯に、この学園は作られたのだった
もう1話続投します
読んでいただきありがとうございました