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マニギアード~ゼロの機士~  作者: 白峰 黒夜
1章 オリエンテーション編
12/61

閑話休題2 はじめての休日

木漏れ日のような暖かさ

変わり始めた日常

地味に予習復習


 あったか~い…とまどろむ私

 ふわふわな抱き心地を腕に感じる小さい頃の幸せな気持ち


 大抵は蒼騎さんの後ろに隠れたり、しがみついていた恥ずかしがり屋の思い出


 目を開けると肩が見えて、頭が重い

 間近に寝息が聞こえる

 あっ、私ソファーで眠っちゃったんだ。そう気づく、頭が重いのは寄り掛かられているから、嫌な重さではない。むしろ私を信頼して預けてくれている。

 嫌なわけがない


 私は今抱き付いている状態で動けない。

 隣に蒼騎さんがいるのを考えると私のせいで動けなかったのかな?と思う


 ゆっくり腕を抜いて見る

 きっと余程、側にいて欲しかったんだろうなと自分の行為に苦笑してしまう

 昨日の変成反応はとてもツラかった

 一言で言うと熱い、もしかしたらあの日をトラウマに思ってしまっているのかな…


 腕が抜けそうな時、抱き寄せられた

 ビクッとしちゃう

 そろりと上を見ると熟睡中で無意識の動きだったみたい

 ダメだ、もう動けない。幸せそうに寝てるのを起こすのは申し訳ないけど起こすしかないみたい


 「蒼騎さ~ん…起きてくださ~い」


 すんなり起きてくれた

 ゆっくり薄く目が開いていく

 「お~…おはよ~う…んぅ」


 また寝ちゃった!

 「起きてください!」

 「あぁ…ゴメン…」


 まだ気づいていない?

 視線が合う…近くてドキドキする

 「…うわぁ!ゴメン!」

 私が上にいたせいで飛び起き上がれなかったようでアワアワしてます


 巻かれた腕が解かれたので離れながら手を伸ばし蒼騎さんを起こします

 かなり力が付いたようですが、あまり腕が太くなっていないのが嬉しい限りです。

 筋肉ムキムキな腕だったらどうしよう…と昨日は心配していましたが、むしろちょっぴり細くなったくらいでした


 引き起こされれ、ちょっとビックリしていますね

 「ありがとう」

 いつもゴメンの後のありがとう、感謝されると嬉しいです


 今日は軍高ではじめての休日です


 まだ少し疲労感が残っているのでナノマシンの投与での変成は恐らく狙った物だと思いました。

 休日前なら支障はないですし、何より体を慣らすこともできます


 と言ってもガレージに籠ったりする人もいるそうですが


 「今日は買い出しにでも行こうか?」

 お出掛けのお誘いです。返事は決まっているじゃないですか。

 「お散歩しながら行きましょう」


 そうして寮の前の公園を散歩しています



 気分転換として誘ったが楽しそうでなによりだ

 隣のこのはと散歩をしていて思う


 この公園は再開発で実験的に作られた場所で整備もよくされている

 この学校を作った『ときわ財団』の事業の一部だと習った

 自衛隊と協力関係にあり、交通事業が第二の主力になっている


 これはギアが関係している

 ギアは基本的に二足歩行で高機動力が売りの兵器だ、つまり一点集中で重量がかかる場合が多い

 そこで道路や上下水道をブチ抜いてギアが動けなくなったり、交通網を麻痺させては軍への批判が上がってしまうので防衛的な手回しでもある

 密かにオルニウム鉱石を使い、ギアを存分に使えるようにもする狙いがある


 今現在オルニウムの鉱脈を捜索もしているそうだ

 枯渇問題は今の所は無いが、日本以外でオルニウムが見つかった場合の軍事利用の心配だ

 日本でもオルニウム自体が秘密裏に扱われているのである

 以外と国内限定で流通しているのは秘密だ


 基本的に50%以上オルニウムを使うと加工がほぼ出来なくなる

 70%を含むとマテリアルによっては破壊すら不可能になる

 シルバーウィッチはこれだ


 初期のギアは10%で鉄製(アイアン)

 正確には各パーツがクロムモリブデン鋼とオルニウム10%の合金でギアが出来ている


 来週からはモニター授業、ガレージでギアの調整

 意外性がある教官達のお陰で退屈はしない、突然でビックリはするが


 「今日はなに食べたいですか?」

 こちらに後ろ向きで歩きながら聞いてくるこのは

 「ハンバーグ?か肉じゃがかな」

 どうして疑問系なんですか~なんて笑いながら言うこのは…可愛い

 目が良くなった事は地味に嬉しい


 見えなかったモノが見える

 素晴らしい事だ


 変成での変化を噛み締めながら休日は過ぎていった



読んでいただきありがとうございました

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