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マニギアード~ゼロの機士~  作者: 白峰 黒夜
1章 オリエンテーション編
11/61

8 ナノマシンの変成

赤銀色の液体

変質する肉体

目が良くなった


 それからの一週間はギアの基本をみっちり叩き込まれた。

 構造、電装、マテリアル、武器、性能、方向性、オルニウム

 瞬く間に過ぎていった


 そして週の最終日

 ナノマシンが完成したと端末にメールが入るので採血したところで集合する

 皆が黙っている。きっとこう思ってるだろう

 「あれ体に入れんの?」

 空が口に出した言葉通り


 色とりどりの試験管…ではなく赤銀色の試験管

 赤色と銀色の絵の具が混ざった水…とでも言えば分かりやすいか


 あれは見本だ

 でも注射を打つのは自分の血から作ったナノマシンだけど…見た目は同じ

 自分の組織から作った物なので拒否反応も出なく安全性は高い

 見かけの問題だ、でも俺は違った


 機士になりたい


 機士になって大事なものを護りたいんだ。俺が救われ世界が変わったように誰かが生まれ変わるきっかけになれたら嬉しい


 俺の番になった

 うん、赤銀色で体に悪そう。さすがに苦笑いしてしまう

 注射を打たれる瞬間に怯む。うっ…


 流れ込んでくる感覚

 じんわりと熱を感じる、まさか拒絶反応?ボンヤリしていると看護師が

 「熱っぽく感じるかもしれませんが異常は無いので安心してください」

 

 はい…と答える位しかできない

 ナノマシンの投与が終わると10時だが今日はコレで終わり、帰宅になった

 

 正直どう帰って来たか分からないくらいの状態になっていた

 寮では服を着替えてベットに倒れ込む

 

 インフルエンザ並の熱っぽくダルい感じ、コレで異常は無い

 つまり…こうなるのが普通と言うことで授業なんか出来る訳がない

 全員机に突っ伏してうぅ~うぅ~唸ってゾンビ集団の誕生だろう

 ナノマシンが身体中を巡ってるのを感じる

 

 何を行っているかと言うと

 血管の掃除、臓器の点検、筋繊維の修復、ナノマシンの製造拠点作り、体の変成らしい。投与前に説明を受けたがここまで凄いとは…

 

 体の変成

 変成が原因でこのダルさが起きる

 体が変わっていくのだ

 分かりやすい変化は痩せる。体に必要な分だけ脂肪が残る

 目が悪い人は眼鏡が必要なくなる

 筋肉がしなやかで柔らかくなる

 

 他は見えないが、筋肉と骨は破壊と再生を繰り返し、強化され熱っぽくなる

 変成は6~8時間

 

 夜の5時くらいに、このダルさが終わる予定

 限界の睡魔に襲われ、深い眠りにつく



 目が熱い

 骨も手も足も背中も

 本当は夢でアノ日の業火で焼かれているんじゃないか?力が入らない


 熱い…天使が手を伸ばし救いを差し伸べてくれる、それを掴もうとした時


 目が覚めた

 ダルさは一切なくなっていた

 時計は17時前、何か変わっているか確認すると指が若干細い

 起き上がると動きが軽く、伸ばしても体が固くない

 シャツをめくると体が引き締まっている


 スゴい、変成した


 そして腹へった

 エネルギーが相当使われたんだろう


 空腹感が物凄い

 隣の扉を見る、このは…は変成の途中かな

 きっと同じように空腹のはずだ何か作って待とうか


 …冷蔵庫さん、玉子以外に何も入ってないじゃないですか

 玉子焼きなら作りたての方が美味しいしな、なんて悩んでいると


 ガチャ…音と共に振り向いて時が止まった

 

 美しい、その一言すら陳腐だ

 「あの…蒼騎さん?少し痩せてましたね」

 女神が…このはが喋っていることに気付いた

 「あっ…あぁ、痩せた?」

 鏡を見ると確かに気持ち痩せてる?

 普段から見てないと気づけないと思う

 

 「このはは更に綺麗になったね」

 俺にはそう見える

 「蒼騎さん、目が良くなったんじゃ?」

 冗談めかして言ったつもりだったらしいが

 

 はっ!!片目が悪かったの忘れてた!

 良い目の方を隠すと悪かった方が鮮明に見える

 「治ってる!やっぱすげぇ!」

 

 今まで損してたんだな

 こんなに美人が側にいながら目のせいで魅力を半減させていたとは

 

 クスクス笑うこのはって超可愛い

 「買い物行こう!腹減ったよ…」

 「そうですね、玉子しかありませんし」


 買い物バックは前より量が多いのに軽く感じる。何もかも生まれ変わったみたいだ


 夕飯はこのはが腕を奮ってくれた

 いつも美味しいです、病み上がり?だから更に美味しい

 なんと言うか楽しい、気が許せる存在ってのは本当に大事だ

 このはを見てるとそう思える


 せめて皿洗いは!と強奪した

 このはも変成で疲れているはずなんだから、ゆっくりさせてあげたい

 ソファーでテレビを見ながら思う

 うとうとしていると肩に寄り掛かってきた、このは…寝ちゃったらしい


 正直、体がバキバキで動きにくい

 ここで良いか…と昔のように寄り添って眠った



読んでいただきありがとうございました

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