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いでぃおっと・ファンタジー  作者: づき
旅立ちの章
6/16

連行

熱中症には気をつけてくださいね。

「う、うぅ・・・ここは・・・?」

ウェンズデー・テルが目を覚ますと、そこはベッドの上だった。

しかし、そこは自宅の寝室のような落ち着いていられる空間ではなかった。


十人ほどの兵士たちに、囲まれていた。


さらによく見渡すと、枕元にある丸椅子に座った女剣士に目が入った。

「気がついたか、ウェンズデー・テル。私はマルティナ。お前のことは、調べさせてもらったよ」

女剣士はそう言って、手に持っていたものをテルの眼前に示した。

「コレと一緒に随分と暴れたようだな。・・・あの森から、四人の遺体が見つかった」

テルはソレと彼女の言葉で、昨日のことを思い出した。

この金色の剃刀で、殺すだけ殺し尽くしてやろうと心に決めて、そこらにいた人間を殺した。

そしてその野望にも似た思惑は、この女剣士の登場により、あっさりと破られることになる。

「普通ならこのまま公開処刑にしてやってもいいのだが、お前にいくつか聞きたいことがある」

テルは少々驚いた。

問答無用でしょっぴかれることを、覚悟していたためである。

「ウェンズデー・テル。お前、どうやってあんな力を引き出したのだ・・・?」

そう言うや否や、マルティナは横になっているテルの胴に向けて、剃刀を振り下ろした。

「っ!?」

彼は戦慄した。

コレで切られたら、それこそ真っ二つになってしまう。


だが、剃刀は毛布に切れ目を入れた程度で、もちろん彼が切り裂かれることはまったくなかった。


「私が同じようにコレを使っても、昨日のお前がやっていたようにはならなかった。・・・お前はコレの真の力を引き出すことが出来る人間なのだろう。ということで」

マルティナはテルに手鎖を掛けて、荒めに立たせた。

「ひとまず我々と一緒に来い。まずは帝国に行き、帝の裁定を受けろ」

「・・・どうして」

「決まっている。お前は『勇者の剣』に選ばれた可能性があるからだ」

ずきずき痛む包帯まみれの腕を兵士に掴まれ、テルは顔を歪めた。

「・・・何だか知らないが、俺は怪我人だぞ。しかもマルティナ、あんたのせいでこの様なんだからな」

「ああそうだな、その通り。ちなみに私もお前のせいでこの様さ」

額や腕や足など、鎧の隙間から見える治療の形跡を前に、テルは黙り込むより他になかった。




今回は誰も死にませんでした。

やったぜ。

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