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いでぃおっと・ファンタジー  作者: づき
旅立ちの章
4/16

森の死闘

相変わらずの文字数です。

「大きく出たものだな、ウェンズデー・テルとやら・・・しかし、その手錠に縛られていては、死ぬことも殺すことも出来ないのではないか?」

ハルス・・・『沃野のハルス』の手錠は鋼鉄を超える強度を誇る合金によって作られている。

当然ながら、人間の腕で引き千切ることは不可能。

だが。

「それはどうかな!!」

テルは剃刀を手錠と手首の間に差し込み、刃を後ろに引いた。

するとどうだろう、剃刀は鋼鉄を超える合金をいともたやすく切り裂いてしまった。

「な、何という切れ味・・・!!」

「さあ脱出したぞ!覚悟しろよ、補佐官殿!!」

鎖を手放し、距離を取ろうとするハルス。

それは、悪手であった。

テルは手錠を巻き取り、その先に剃刀を持参していた荒縄の残りで柄を鎖にくくりつけ、その状態でハルスめがけて投擲した。

こうすればわざわざ取りにいかなくとも、簡単に回収出来ると考えたのだ。

「早速最速で死ね!!」

ハルスはそれを見て、死を覚悟した。


が、予想に反して彼は、生き永らえた。

「やれやれ、情けない奴だ。・・・右腕としては不適合だな」

彼の目の前には、見慣れた上官の姿があった。


帝国軍実地部隊第六号・マルティナ隊隊長『女傑のマルティナ』である。


「私たちには任務があるのだ。・・・敵の方から獲物を放ってくるなど、またとない好機。だからこうして」

マルティナの手には、鎖にくくりつけられた剃刀が。

「キャッチするのが筋だろう。・・・たったこれだけで、任務は完了なんだから」

彼女は荒縄をほどいて、見事剃刀を奪取した。

「!!し、しまった!!」

テルは鎖を引き戻すが、もう遅い。

そして戻ってきた鎖の先には、剃刀の代わりに爆弾が。

「死ぬのはそっちだ、マヌケ」


迷いの森に、爆発音がこだました。



「よし、回収っと。・・・もしかしたら、あいつはコレを盗んだのかもしれん。ということは、コレはディバイドを誘き寄せる餌になるな・・・」

マルティナはそう言いながら、剃刀を見る。

剃刀が、光を放ち輝いている。

「な、何だ・・・?」

彼女の身体がその光に照らし出された、その時。


彼女はその身を、九回に渡って切りつけられた。



今回は誰も死にませんでした。

やったぜ。

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