八月三日
君が帽子を落とした八月三日は
終わらずに何処かへ行った
雨は降っているのに空は晴れて
憎たらしいほど綺麗な夕焼けさ
君が帽子を落とした八月三日は
変わらずに此処へと残った
終わろうとする気配すら無くて
憎たらしいほどに綺麗な夕焼けさ
錆びた線路を歩いて旅に出ようか
濡れた制服を置いていこうか
あの入道雲の下はきっと雨が降ってる
でも其処へ向かうしか無いんだ
汽車に轢かれてしまう前に
サイダーと風船ガムは
隠れて吸った煙草に
ファンタジーなイラストは
物憂げな言葉の羅列に
ぐしゃぐしゃになった紙飛行機
夏なんてすぐに死ぬくせに
消えないなんてさ
君が帽子を落とした八月三日さ
憎たらしいほど綺麗な日々だったのさ