04.08 リソルピレンの山中騎行 後編
「うおお!!」
イヴァールが雄たけびを上げてドワーフ馬ヒポに跨って岩猿の群れに突進していく。
シャルロットが槍を投擲し、シノブとアリエルが岩弾を発射、ミレーユが強弓で射る。四人が遠距離攻撃をする中、イヴァールの愛馬ヒポは街道の中央を猛烈な速度で突進していった。
「もう、イヴァールさんってば!」
射線に割り込まれたミレーユは、思わず舌打ちする。
彼女の憤慨など聞こえるはずもなく、ヒポに跨ったイヴァールは巨大化した雪男のような魔獣目掛けて突き進んでいく。
「仕方がない、私もイヴァール殿に続くぞ! アリエルとミレーユは両脇の岩猿を狙え! 敵はいくらでもいる!」
シャルロットは三本の長槍を投げ終えると、最後の一本を手にしたまま自身の軍馬アルジャンテを疾駆させる。
岩猿は三十頭以上いたが、最初の攻撃で十頭近く倒れている。残りの半分以上はイヴァールに襲いかかるようだが、一部はその脇からこちらに向かってきた。
「猿共よ! ヒポの突進、受けてみろ!」
向かってくる岩猿とすれ違いながら、あっという間に距離を詰めたイヴァールは、体長3mもある岩猿の群れに突入していった。
ずんぐりしたドワーフ馬と戦士。騎乗したイヴァールは岩猿より頭二つは低く、その中に埋もれるかと思われた。灰色の毛を振り乱して迫る岩猿は、長い毛のせいもあって一段と大きく見える。
しかし次の瞬間、金属鎧を着けた愛馬ヒポの突撃で岩猿を蹴散らし、イヴァールは巨大な戦斧を叩きつけていた。
ヒポに跳ね飛ばされた岩猿はピクリとも動かず、巨大な戦斧は暴風のような勢いで振り回され、一撃一殺という言葉の見本を示すかのように、岩猿達を屠っている。
シャルロットも向かってくる岩猿に最後の長槍を投げつけると長剣を抜き、イヴァールの下へと愛馬で駆けて行った。
「あれ、アミィさんは?」
ミレーユはアミィの攻撃がないのを不審に思ったようだ。矢を射る合間に、アミィが乗っていたフェイのほうを一瞬見るが、馬上には彼女の姿はない。
「アミィ殿は、馬を下りて駆けていきました」
戦闘に参加していないシメオンがミレーユに答える。
「どこに行かれたのですか?」
アリエルがあたりを見回すが、街道にはアミィの姿はない。
「さあ? 魔術で姿を消してしまったので……イヴァール殿の近くに!」
シメオンが指さす方を見ると、岩猿の背後から斬りつけているアミィの姿があった。
アミィが電光のような跳躍を繰り返すと、三頭の岩猿が倒れていた。
「うわ……ああいう使い方もあるんだ……」
アミィが幻影魔術で偽伝令に化けたところを見ていたミレーユだが、姿を消せるとは思わなかったらしい。思わず矢を放つのも忘れ、唖然とした様子で声を上げた。
「接近したら現れるのは、味方から間違って攻撃されるのを避けるためですか?」
シメオンはシノブに問いかける。
「多分……アリエルさん、ミレーユさん。残り、少ないですよ」
「あっ、そうだった! このままじゃ五頭倒せない!」
シノブの声に、ミレーユが素っ頓狂な声を上げる。
戦闘前に二人が「五頭倒す」と言ったのを思い出したらしい。接近する岩猿に再び矢を射かけていく。同じく五頭と宣言したアリエルも、慌てて岩弾を発射する。
シノブは彼女達の言葉を憶えていたので、その分を残しておいたらしい。
「あちらも、もう終わりのようですね」
シメオンの言葉にシノブが前を見ると、イヴァール、シャルロット、アミィの三人に倒された岩猿達が地に伏していた。
◆ ◆ ◆ ◆
「指揮官が必要ですね」
前線で戦っていたイヴァール達のところに行くなり、シメオンが口を開いた。
「今回はこちらの力が上回っていたから良かったものの、竜退治ではこうはいかないでしょう。それぞれが勝手に戦っているようでは勝てるものも勝てません」
「そうだな。統率された集団のほうが何倍も強いものだ」
又従兄弟の淡々とした言葉に、シャルロットが頷く。
シャルロットは兜を取って汗を拭っている。鎧下を首まで降ろした彼女は、美しいプラチナブロンドを煌めかせながら、言葉を続ける。
「……前衛はイヴァール殿に私。後衛はシノブ殿、アリエル、ミレーユ。アミィ殿は遊撃といったところか。上手くバランスが取れた一隊だが、その実力を発揮できてこそだ」
「はい。後衛は前衛陣と協調してこそです。シメオン殿の仰るように、指揮官が決めた作戦を忠実に遂行する必要があります」
シャルロットの意見に、アリエルも賛意を示した。やはり軍人としては統率力をと思うのだろう、熱の篭もった口調で続く。
「ふむ。それは道理だな。優れた戦士長による鉄血の集団。戦いの基本だな。……で、どうする?」
イヴァールが野太い声で会話に加わった。彼は戦斧の手入れを終え、再び鞘を付けたところだ。
「さっき、いきなり飛び出していった人が良く言いますね~」
ミレーユは呆れたような声を上げた。もっともイヴァールが己の行動を棚に上げたのは事実で、他も似たような表情だ。
「む……昨日のお主らの戦いで血が騒いだのだ! まだ俺の腕を見せていなかったしな!」
珍しくイヴァールは口ごもると、大声で反論する。おそらく痛いところを突かれたからだろう。
「それで、どうするのですか? 私はシャルロット殿で問題ないと思いますが」
シノブは逸れかけた話を元に戻す。
司令官としての経験があるシャルロットなら指揮官に適任だ。イヴァールも戦士だが、真っ先に突進するくらいだから先鋒を任せるべき。シノブは、そう思ったのだ。
「何を言うのですか。指揮官は貴方ですよ、シノブ殿。
竜退治の主戦力は貴方です。貴方が勝てると思ったら戦闘を続けるし、駄目だと思えば撤退するしかありません。
貴方の魔術は我々の想像がつかない域ですから、他の誰も適切な判断を下せません。前衛であるならともかく後衛として攻撃魔術を放つなら、その間に指揮することも可能でしょう」
シメオンは、若干呆れた様子でシノブに説明する。彼は最初からシノブを指揮官に据えるつもりだったようだ。
「俺もシノブの指示なら従うぞ。俺が認めた勇士だからな」
イヴァールは大きく頷いて同意する。こちらも異存はないようで、手にした戦斧を高々と掲げる。
「そういうわけだ、シノブ殿。よろしく頼む」
シャルロットもシノブに笑いかける。それにアリエルやミレーユも同意するように微笑んでいる。
「シノブ様! 皆が認めているんです。指揮、よろしくお願いします!」
駆けてきたアミィも、嬉しそうな声を上げる。彼女は投擲した槍や使えそうな矢を回収していたのだ。
シノブが皆の中心となって戦うことが誇らしいようで、アミィは薄紫色の瞳を輝かせている。狐耳や尻尾も元気よく動いていた。
「……わかった。どう戦うかは、道々シャルロット殿やイヴァールと相談しよう」
「シノブ殿。指揮官であれば部下に敬称を付ける必要はありません。階級や役職は構いませんが、『様』や『殿』などと呼ぶのはどうかと思います」
シノブは指揮官就任を受け入れるが、シメオンが僅かに眉を顰めた。
戦いの場のみではなく、日常でも立場に相応しく振る舞うように。どうやらシメオンは、そう言いたいらしい。
確かに遠慮があっては、一瞬の判断に支障を来すかもしれない。
「そ、そうだな。我々はシノブ殿の指揮下に入るのだから、呼び捨てでお願いする!」
シャルロットは、僅かに頬を紅潮させてシノブに頼み込む。
交流を重ねるうちに、シャルロットはシノブに強い敬意を抱いたようだ。おそらくは、シノブが彼女を超える武力の持ち主だからであろう。
もちろん武術の腕と指揮能力は比例しないが、こちらもと期待するのも無理からぬことかもしれない。
「そうですね。戦闘中は余計な言葉を省くものです」
アリエルもシャルロットを後押しするように言葉を添える。
口にしたのは単なる同意だが、それだけではないとアリエルの楽しげな笑みは語っている。どうやら彼女は、別の意味でもシャルロットの支援をしたいようだ。
「では、この旅の間だけということで。……シャルロット、イヴァール。戦い方について相談しよう」
シノブは少し気恥ずかしく思いつつも受け入れる。指揮についてのみならず、寄せられる思いにも気付いていたからだ。
◆ ◆ ◆ ◆
そこから次の集落、ティラバクラ村までは何事もなかった。シノブはその間、シャルロットやイヴァールと戦闘方法について相談しながら進んで行った。
全体の指揮は後衛のシノブが執り、アリエルが副官としてサポートする。
前衛はシノブの命令を元に動くが、接近した後の割り振りや細かい動きについては、シャルロットが指示する。
アミィは前衛に入った時はシャルロットの指示に従うが、通常は遊撃や斥候を務め独自に動く。
シノブと心の声でやり取りできるアミィにとって、距離や障害物は関係ないので適任である。
「なんと! アミィにはそんな力があったのか! 幻影魔術もそうだが、敵でなくて良かったぞ!」
シノブやアミィと親しい女騎士三人は既に知っていたが、初耳のイヴァールやシメオンは驚愕した様子を隠せなかった。
「姿を消して本陣と随時連絡できる斥候ですか……。遠くの相手と話す力は、距離にもよりますが軍事以外にも使えますね。
シノブ殿、私達でも習得できるので?」
シメオンは、領軍や都市間での連絡に使えないかと思ったようだ。
「これはアミィの一族の秘伝なので……それに、幼いころから修練しても習得できるものは極めて少ないようですね」
シノブとアミィが使っている心の声は、元がスマホの機能なので習得できる可能性は限りなく低い。
シノブは伯爵に説明したように、一族の秘伝と言って誤魔化した。
「それは残念ですね。ですが作戦の幅が広がります」
戦闘に加わらないシメオンであるが、元々、子爵の嫡男として戦闘訓練は受けているし、軍の扱い方もそれなりに詳しいようだ。彼は、自然と参謀のような立場に収まっていた。
「イヴァール殿の突撃と戦斧の破壊力は、凄まじいものがありますね。あれなら一人で街道を突破してきたというのも頷けます。
数十頭程度の岩猿であれば、前衛はシャルロット様とイヴァール殿で問題ないでしょう。
まず後衛が遠距離から攻撃し、残った敵を前衛が蹴散らす。アミィさんは前衛の援護程度で充分です」
アリエルは、イヴァールの獅子奮迅の戦いを振り返りながらシノブに進言する。
「そうですよね~。ドワーフの戦士は凄く頑健ですけど、イヴァールさんは特に凄かったですよね~。
『岩猿の皮を貫くのは一流の戦士でも苦労する』って言ってましたけど、イヴァールさんは一撃必殺だったじゃないですか」
ミレーユは、前日のイヴァールの言葉を口にした。
「これでもセランネ村の戦士長だからな」
イヴァールは無造作に言う。
「やっぱりイヴァールも高位の戦士だったんだ。でも、それにしては質素な感じだけど」
シノブは、前日会ったドワーフの戦士イスモの装いを思い出した。
エトラガテ砦の守護隊長である彼は、黒く長い髭を飾り紐で結わえていたが、イヴァールは簡素な革紐で縛っているだけだ。
背負っている巨大な戦斧や戦棍は重厚なもので、いかにも名工の作と思わせる外観だが、彼自身の身なりは飾り気がない。
「俺は飾り立てるのは好まん」
彼は、言葉少なに答える。
「ドワーフは髭や髪の飾りで身分を表すと言う。身分相応にするのも役目の内では?」
シャルロットが、彼の言葉に疑問を抱いたのか問いかける。
メリエンヌ王国では身分や役職に応じ、装備が厳密に決まっている。
たとえば彼女達が騎士鎧の上に纏っている白いマントは貴族の証。さらに、シャルロットの金糸で縁取られたマントは、大隊長以上にしか許されていない。
彼女は、身分相応の格好をしないイヴァールを、不思議そうに見る。
「色々あるのだ。そんなことよりティラバクラが見えて来たぞ」
話を逸らすかのようなイヴァールの言葉に前方を見ると、木々の間から村落が見えてきた。
ティラバクラ村は、セランネ村とエトラクラ村の中間地点にあたる。
エトラクラ村よりはかなり大きいようで、それなりに開けた平地に大きな畑があり、その間に家々が並んでいた。
とはいってもシノブの目には、ごく僅かな平地を何とか活用している山村に見えた。ベルレアン伯爵領で見た広い耕地を持つ村々に比べたら、どれだけの作物が取れるのだろうとシノブは考えてしまう。
「ふむ……防護柵を増やしたな」
シノブの隣で騎乗するイヴァールが、村の様子を見て呟いた。
「見ろ。外側の新しい柵は、俺が通った時にはなかったものだ」
イヴァールの言葉にシノブが柵を見直すと、確かに外側のものは新しそうだ。
村の外周を囲む防護柵は、古い内周のものに加え、外周にさらに頑丈なものを作っている最中で、ドワーフ達が忙しく働いている。まだ完成までは時間がかかるようだが、三分の一ほどは出来上がっている。
「おお、セランネの戦士イヴァール。無事に戻ってきたようだな」
防護柵構築の指揮をしていた、白髪混じりで灰色となった髪と髭のドワーフがイヴァールに声を掛けてきた。
エトラクラの村長と同様に、長い髭を数本の三つ編みにして、後ろに流した髪も細かく編みこんでいる。そして、長老格であることを示す綺麗に彩られた革紐で、髭や髪を縛っている。
「ティラバクラの村長アーポ・ハリ殿。だいぶ柵を増強したな」
一種の決まり文句なのかエトラクラと同様の呼びかけをした後、防護柵について問うイヴァール。
「お主も街道で見ただろうが、岩猿共が溢れておるのでな。
奴らは牛や馬を狙ってくる。牧場から村に引き上げて来たが、柵がなければ意味がない」
体長3mもある岩猿を防ぐため防護柵も巨大なもので、シノブにはちょっとした城壁のように見えた。
たしかに、これだけのものを牧場全てに張り巡らすのは不可能だろう。
「街道では三十数頭の岩猿を退治した。奴らはまだ増えているのか?」
「うむ。どうも我らの牛や馬が目当てのようでな。山の幸以外にも、旨いものがあると思ったのだろう。
男衆が総出で戦っているが、このままでは長くは持たん」
村長のアーポは困り切った顔でイヴァールに言った。
「安心しろ。この者達が竜退治の勇士だ。
ティラバクラの男達よ! 竜を退治して山が落ち着くまで、今しばらくの辛抱だ!
山の平穏を必ず取り戻すと、アハマス族エルッキの息子イヴァールが誓おう!」
イヴァールは、防護柵を作るドワーフ達に、大声で宣言した。
柵を作りながらイヴァールやその後ろのシノブ達を見ていたドワーフ達は、イヴァールの大音声に驚いたものの、その厳粛な表情を見ると大きな歓声を上げた。
◆ ◆ ◆ ◆
先を急ぐシノブ達は、足早にティラバクラ村を後にすると、セランネ村へと向かった。
途中、二度ほど岩猿の襲撃があったが戦い方を相談したシノブ達は危なげなく倒していった。
二度ともティラバクラ村に着く前のように、三十頭以上の集団であったが、後衛の遠距離攻撃に打つ手もないまま数を減らされ、わずかに残ったものもシャルロットやイヴァールにあっけなく屠られていった。
「しかし、シャルロットはどうして槍を投げるの?」
二度目の戦いの後、シノブはシャルロットに訊いてみた。
槍を投げるくらいなら、ミレーユのように弓を使えばいいのでは、と思ったのだ。
「こ、これはな……お爺様の得意技なのだ」
シャルロットは、なぜか顔を赤くしながらシノブに答えた。
「シャルロット様は先代様を凄く尊敬されていますからね~。
先代様は20年前のベーリンゲン帝国との戦いで、敵陣の将軍まで槍を投じて討ち取ったんですよ。手に取っての槍術でも王国一と言われてますけど、凄いですよね~」
口ごもったシャルロットに代わり、なぜかミレーユがシノブに説明する。
「そう言えば、まだこの逸話はシノブ様にはお話ししていなかったですね。
戦後、エクトル六世陛下からその功績をお褒めいただき『雷槍伯』の二つ名を授かったのです。その逸話を聞いたシャルロット様は、ことさら長槍の投擲を訓練されまして。
実は初代伯爵シルヴァン様以来、ベルレアン伯爵家には槍の達人が多いのです」
続いてアリエルもシノブに説明する。
ちなみにエクトル六世とは前国王の名だ。エクトル六世は、現国王アルフォンス七世とベルレアン伯爵夫人カトリーヌの父である。
「なるほどな。先祖伝来の技というわけか!」
イヴァールが感心したように言う。
「尊敬する先代様の技を受け継ぐというのは、良いことだと思うよ」
それだけでもなさそうだと思うが、シノブもシャルロットを褒める。
「そ、そうか! シノブ殿にそう言ってもらえると嬉しいな!」
シャルロットは紅潮した顔のまま振り向くと、その青い瞳を輝かせた。
「俺も祖父から色々教えてもらったよ。……小さい頃に教えてもらった事って大きくなっても心に残ってるよね」
シノブは三年前に亡くなった祖父を思い出した。
由緒ある家系を誇りに思っていたシノブの祖父。その影響で歴史に興味を抱いたシノブにとって、祖父と過ごした日々は懐かしい思い出だった。
「シノブ殿もお爺様に教えを受けたのか……お会いしたいのでは?」
遠く故郷を離れているシノブを気遣うシャルロット。彼女の表情には憂いの色が浮かんでいる。
「会うのは無理かな。三年前に他界したからね」
夕日で赤く染まる空を眺めながらシノブは答える。
「それは……失礼した……」
シャルロットは余計な事を聞いたと思ったのか、その表情を暗くする。
「気にすることはないよ。77歳だったから大往生だと思うし。
なんとなくね、先代様に似てるんだ。豪快で、誇り高くて……。悲しい顔をしてたら怒られるんじゃないかな。俺はそう思っているよ」
シノブは、シャルロットを振り向くと優しく笑いかけた。
「シノブ殿……」
シャルロットは夕日に照らされたシノブの柔らかな笑顔を見つめる。
「それにね、アミィやシャルロット達がいるんだ。寂しくなんかないよ。なあ、アミィ?」
シノブは、シャルロットの反対側で馬を進めるアミィを振り向いた。
「……はい、シノブ様。私達が一緒です!」
シノブに声を掛けられたアミィは、穏やかに微笑むと元気よく答えた。
彼女の明るいオレンジがかった茶色の髪が、沈みゆく日の光を受けて美しく煌めいた。
お読みいただき、ありがとうございます。




