04.05 砦の戦士 後編
ヴァルゲン砦司令官ポネットは、シノブ達を夕食に誘った。砦に着いたのは夕方遅くだから、ちょうど良い時間だったのだ。
会議用らしい砦の広間に通されたシノブ達は、食事をしつつポネットに旅の理由を語っていく。
「な、なんですと! 竜と戦うとは真ですか!?」
今回の目的が竜退治と聞いて、ポネットは表情を一変させた。
本来は豪放な性格だというが、隣国の使者イヴァールや領都の内政官シメオンもいるからか先ほどまでは穏やかに話を聞くのみだった。しかし今のポネットは、歴戦の軍人に相応しい鋭さを声と表情の双方に滲ませている。
「シャルロット様! 街道の魔獣退治では!?」
ポネットは軍務で鍛えた大声でシャルロットに問いかける。
イヴァールはヴォーリ連合国の使者としてヴァルゲン砦を通過したが、先を急いでいたから詳しい事情を伝えなかった。そのためポネットは、街道で異常発生した魔獣退治の協力要請に来たと思っていたようだ。
「異常発生した岩猿共の退治に、我らを率いて出陣されるのかと……」
「その程度でドワーフが助けを求めるわけがなかろう」
唖然とした表情のポネットに、イヴァールが野太い声で応じる。
確かにドワーフの戦士達は優秀で、魔獣程度なら難なく追い払う。今も多少後手に回っているが岩猿達を充分に凌いでいた。
「だが、イヴァール殿! シャルロット様は次代の伯爵、竜と戦うなど言語道断だ!」
驚きのあまり隣国からの使者ということも忘れたのか、ポネットはテーブルを叩いて怒鳴った。熊の獣人である彼の怪力に重厚なテーブルが鈍い音を立てて軋み、卓上の食器が揺れる。
「ポネット司令。心配してくれるのは嬉しいが、継嗣であればこそ避けて通れないこともあるのだ。私は自分の役目を果たしたいと思っている」
つい先日までの部下を落ち着かせるかのように、シャルロットは優しい声で語りかけた。しかし柔らかい声とは裏腹に、彼女の決意を表すかのように濃い青の瞳には真剣な色を宿している。
「心配無用です。シャルロット様はあくまで旗頭。主役は隣のシノブ殿です」
シメオンが淡々とした口調で隣に座る巨漢に告げた。
会食の席は、奥の上座にイヴァール、シャルロット、シノブと並んでいる。イヴァールの脇から下座に向かってポネットとシメオン。シノブの側は、アミィ、アリエル、ミレーユの順だ。
「シメオン殿。主戦力がシノブ殿なのは間違いないが、私も後方で待機しているつもりはないぞ。……シノブ殿のお力だけで解決されては、ベルレアン伯爵領の者として立場がないからな」
「……正直に言わなくても良いでしょうに。ですが、シノブ殿が中心なのは間違いありません。
閣下のお墨付きですし、領都でイヴァール殿もその実力を確認済みです。そうですね、イヴァール殿?」
シャルロットが不満げな顔を向けると、シメオンは僅かに表情を動かした。真っ正直なシャルロットの言葉を呆れつつも微笑ましく感じたらしい。
更にシメオンは伯爵の保証付きと示した上で、イヴァールに向けて話を振る。
「ああ。シノブは間違いなく竜を倒す勇士だ」
シメオンの言葉に、イヴァールは無造作に答える。しかし短い言葉には深い信頼が滲んでおり、彼がシノブなら確実と思っているのは誰の目にも明らかだ。
「シノブ殿は、それほどまでにお強いので!?」
イヴァールの言葉が信じられないのか、ポネットはシャルロットに向けて問いかける。
「うむ。イヴァール殿も驚いていたが、強力な光の魔術で太さ1mの柱をあっという間に切り裂いたのだ」
シャルロットは、領都セリュジエールの領軍本部でシノブが見せた魔術について説明した。
あっという間に高さ50mもの柱を作ったり、それを遠方から切り裂いたりした光景を聞き、ポネットは驚愕したようだ。
「なるほど……シノブ殿は強力な攻撃魔術を使えるのですな。それに、剣でもシャルロット様に勝利した腕前でしたな」
ポネットは穏やかな顔に戻って呟いた。
その納得したらしき表情に、シャルロットも安堵の溜息を漏らす。
「……だが、シノブ殿。イヴァール殿にその実力を証明されたのなら、我らにもぜひお見せいただきたい」
ポネットは再び険しい顔になり、射殺すような視線でシノブを睨みつけた。
言葉は礼を失していない。しかし挨拶のときのような柔らかさは全くなく、果し合いの申し込みを思わせる鋭いものだ。
「ポネット司令!」
「シャルロット殿、確かにイヴァールだけにお見せしたのでは不公平でしょう。……それでポネット殿、何をすれば良いのですか?」
シャルロットは鋭い声で制したが、シノブは問題ないと応じる。
今までの話題が自分の実力についてだったから、シノブは口出しを控えていた。下手に口を挟んでも自身の力を誇るように聞こえてしまうと思ったからだ。
しかし実地で見せろというなら別だ。このまま押し問答が続くより、何らかの証を立てたほうが手っ取り早いだろう。
「……明日の朝お伝えします。こちらにも準備がありますので。
イヴァール殿、明日半日いただきたい。出発は午後からとなってしまうが、こればかりは譲れぬ」
ポネットはシノブからイヴァールへと視線を向けると、唸るような声で半日待てと言い放った。
「構わぬよ。セリュジエールでシノブの協力を得たから良かったものの、そうでなければ王都まで行ったかもしれん。半日くらい大したことではない」
「それではシノブ殿、準備があるのでこれにて失礼しますぞ」
イヴァールが悠然とした口調で応じると、ポネットはシノブに一礼した。そして彼は足早に立ち去って行った。
「……シノブ殿。ポネット司令の要請など無視しても良かったのでは?
今回の件は、閣下がお決めになったこと。つまり領軍最高司令官が承認した作戦、一司令官の言い分など聞く必要はありません」
シメオンは、いつもの無表情でシノブに問いかける。どうも彼はシノブの本心が知りたいらしく、静かな瞳には内心奥深くまで見通すような鋭さが宿っている。
「そうなんですけどね。でも彼はシャルロット殿をとても心配しているようだから……。どうせなら安心して見送ってほしいので」
「勝負を受けたのはポネット司令のためですか。お優しいですね」
「司令はシャルロット様が着任して以来、ずっと補佐として支えてきたんですよ。口には出さないけど娘のように思っているんじゃないですか」
シノブはシメオンの思いに気付きつつも、敢えて軽い調子で笑いかけた。するとアリエルとミレーユが、感心したような声を上げる。
二人はシャルロットと一緒に砦で勤務してきた。おそらくポネットに反対されたまま旅立ちたくはなかったのだろう。シノブが申し出を受けて、ほっとした様子である。
「シノブ殿、ありがとう。ミレーユの言うとおり、ポネットは親身に私を支えてくれた。
軍規を盾に従わせるのは簡単だが、できれば彼に納得してもらいたいと思っていたのだ」
シャルロットは無理強いをせずにすんだのが嬉しいようで、シノブに礼を言った。
「優しいだけでもないですよ。
ちょうど良い機会だから、司令が準備してくれるもので腕慣らししたいし。イヴァールやシメオン殿にも、私の戦いを見てもらったほうが良いでしょう?」
シノブは、悪戯っぽく笑いながら言った。
「……シノブよ。もっともらしい事を言うが、本当は奴の心意気に応えただけなのだろう? お主の考えなど読めておるわ!」
イヴァールはシノブにニヤリと笑うと、目の前の酒をグイッと飲み干した。
「そうですね、イヴァールさんの言うとおりです。シノブ様、シメオン様くらい無表情にならないと何を考えているか簡単にわかっちゃいますよ」
アミィまでイヴァールの尻馬に乗ってシノブを冷やかした。薄紫色の瞳も悪戯っぽく輝かせている。
「……これは、思わぬところから攻撃が来ましたね」
普段控えめなアミィの発言に、シメオンも微かに驚きの表情を浮かべる。その様子を見て、一同は大笑いした。
◆ ◆ ◆ ◆
翌朝、シノブ達は砦から数km離れた演習場にいた。
街道から東に数km離れたヴァルゲン砦守護隊の演習場。攻城兵器の試射も行うため、広大な演習場は高い防護柵で囲われている。
「……武器は模擬剣のみ、兵士を殺さず陣中の私まで辿り着ければシノブ殿の勝ちです。
シノブ殿にはあの位置で待機してもらい、我々の攻撃をもって開戦とします。なお、後方の的を破壊された場合もシノブ殿の負けとします」
シノブは演習場の中央近くでポネットと向き合っていた。その脇では、シャルロット達も彼の説明を聞いている。
「ずいぶん厳しい条件ですね~。てっきりポネット司令との決闘かと思ってましたけど」
ミレーユは、ポネットが示す内容に眉を顰めている。
「司令と決闘しても、竜を退治できるという証にはならないでしょう。
……よく考えた条件だと思いますよ。確かに、あれらの兵器から自陣を守りつつ攻撃できるなら竜との戦いでも安心できるでしょう」
シメオンはポネットの背後に展開された守護隊を眺めた。
昨夜から準備していたのだろう、守護隊は巨大な投石機や大型弩砲を自陣に設置し、開戦を待っている。
「ふむ……あの兵器が竜のブレスの代わりというわけか。昨日のシノブではないが、良い腕試しには違いないな」
イヴァールは黒々とした長い髭を扱きながら呟いた。彼はシノブなら勝利は間違いないと思っているようで、悠然とした様子を崩さない。
「ですが、攻撃魔法は封印されたようなものです。致命傷を与えず戦う以上、戦術は大幅に限定されます」
アリエルは案ずるような表情となる。
確かにレーザーの術でも使えば簡単に勝てるだろうが、それでは大惨事だ。単なる模擬戦で命を奪うなど論外だから、シノブも充分に加減するだろう。
その場合、大勢からの攻撃を一人で抑えきれるのか。アリエルならずとも疑問に感じるところではある。
「大丈夫だ。我らはシノブ殿を信じて待てばよい。そうだろう、アミィ殿?」
シャルロットは落ち着いた様子でアミィを振り返る。
彼女の穏やかに流れるような身ごなしにつれ、綺麗に結い上げたプラチナブロンドが朝日に煌めいた。
「はい、シノブ様ならきっと勝利されます」
アミィは、シャルロットの言葉に頷いた。彼女やシャルロットは、不利な条件と知りつつもシノブの勝利を確信しているようだ。
観戦者達が語らっている間に説明が終わり、シノブとポネットは、それぞれ自陣へと下がっていった。もっともシノブの陣地には兵士を模した的がいくつか立っているだけだ。
対する守護隊側はシノブから300mほど向こうの小山に布陣している。数百人の兵士が、それぞれの攻城兵器に取り付き開戦に備えていた。
「……300人くらいいるんじゃないですか? 通常勤務をしている兵を除いて、交代要員を全て動員したんじゃないですかね……」
ミレーユは、呆れたような声を上げた。
演習場の隅の観戦塔に上ったシャルロット達。その右側に広がっているのは、ポネット率いる守護隊である。
守護隊の陣地には投石機が10機あり、それぞれ6人ほどの兵士が配置されている。大型弩砲は100以上あるが、これも2人一組で操作するようだ。
その他は陣地の守備をする兵だろうか。盾と槍を持った歩兵達もいる。
「あれだけの兵器を運用するとなれば、当然ですが……。砦で勤務している隊を除いた4大隊が揃っているようですね」
アリエルも、同僚の言葉に同意する。
「そろそろ始まるようだぞ……」
シャルロットの言葉に皆が守護隊の陣地へと顔を向ける。すると巨大な軍馬に跨ったポネットが、高々と右手を掲げていた。
「開戦! 投石機、発射!」
大音声で告げられた合図に、準備済みの投石機を操作する兵達が動いた。10機の巨大な投石機から放たれた大岩は、わずかに発射のタイミングや着弾点をずらしながらシノブとその周囲に迫っていく。
人の背の半分ほどもあろうかと思われる大岩が、唸りを上げて飛んでくる中、シノブは悠然と待ち構えていた。
「あっ!」
観戦塔で叫んだのは誰であったろうか。
そのまま激突するかと思われた大岩の一群は、シノブの手前、数mほどで弾き返されていた。
「魔力障壁ですね……」
アリエルが呟く。
「司令も本気ですね。シノブ殿だけじゃなく、後ろの陣地も狙っていますよ」
シメオンは、ポネットの意図を見破った。ルール上、陣地に立つ的を壊されてもシノブの負けだ。
シノブだけを狙う必要はない。
「おっ、シノブも動いたぞ!」
背が低いため、観戦塔の壁に手を掛け、乗り出すようにして見つめていたイヴァールが大声を上げた。
彼の言うとおり、シノブは一直線に突進していた。身体強化を駆使して、あっという間に距離を詰めていく。
「大型弩砲! 連射!」
ポネットが再び大声を上げる。
彼の指示を受け大型弩砲担当の兵士は、巨大な矢を発射する。2人一組の兵士が操作する大型弩砲は4隊ほどに別れているらしい。1隊あたり20機ほどで交互に射掛け、途切れることなく矢を浴びせていく。
雨のように降り注ぐ巨大な矢にシノブも突進をやめ、再び魔力障壁を展開したようだ。戦場のほぼ中央、守護隊の陣地から150mほどに迫っていたが、足を止めて矢を防ぐ。
「後方に逸らすわけにはいきませんからね~。ここは防ぐしかありませんか……」
ミレーユの言うとおり、後方の陣地に流れることを恐れたのだろう、シノブはその場で防いでいる。
「守護隊が密集陣形を組んでいて助かりましたね。竜の攻撃を模しているから、両翼を広く展開しないのでしょうが」
陣地の高低差を利用して、三段ほどに陣取った大型弩砲は、シメオンが言うとおり、あまり横に広がっていない。
シノブが展開している魔力障壁は、それなりに広範囲を守っているらしい。とはいえ側面から迂回して自陣を狙われたら防ぐことはできないだろう。
「投石機! 第二射!」
シノブが大型弩砲の矢を防ぐうちに、投石機に大岩を再装填したようだ。ポネットの指揮する声が響き渡る。
「陣地か!?」
シャルロットが思わず声を上げた。
投石機の設定は変更されていないように見える。ということはシノブの陣地に立つ的を狙ったものなのだろう。ならば放物線を描いて飛んでいく大岩は、シノブの魔力障壁を飛び越えていくのではないか。
観戦塔から見守るシャルロット達がそんな思いと共に投石の行方を見つめる中、シノブはその手を上空に向けた。
「岩弾砲、斉射!」
投石が鈍い唸りを上げて飛ぶ中、シノブの声がかすかに聞こえると、シノブの前の地面から10個の岩塊が持ち上がり、上空めがけて発射された。
「撃ち落とした!?」
「これは……両軍の陣地にも、自分にも影響が無いように撃ち落とすとは……しかも、魔力障壁は展開したままですか」
驚愕も顕わにイヴァールが叫び、僅かに遅れてシメオンが呟く。
シメオンの言葉通り、僅かにシノブの前方に打ち出された岩弾は投石を絶妙の角度で撃ち落としていた。
岩弾と投石の双方ともシノブの両脇に轟音を立てて落下してきたが、守護隊やシノブ、後方の的には被害はない。
「シノブ様は、岩弾や水弾の斉射や連射がお得意なのです。魔力障壁は岩弾の発射にも使っていますし、同時に制御するのもシノブ様にとっては簡単なことです」
アミィは誇らしげに皆に告げる。
シノブは水弾や岩弾の発射をする際に、魔力で作った円筒を発生させ砲身としている。そして、森の湖では早撃ちや同時撃ちの練習もしていた。
魔力操作の技術が向上した今では、障壁を維持しながらの斉射すら可能となっていたのだ。
「得意というレベルではないでしょう。これは神技というべきものですよ。
しかし、シャルロット様達は知っていたのですか? あまり驚いた様子はありませんが?」
「ああ。以前狩りに行ったときに、森の中で見せてもらったぞ」
シャルロットはその様子を思い出したのか、微笑みながらシメオンの問いに答えた。
「ああっ、大型弩砲が沈んじゃった! 投石機も!」
ミレーユの素っ頓狂な叫びに、一同が守護隊の陣地を振り向くと、彼女の言うとおり、大型弩砲や投石機が地面に沈んでいた。
大型弩砲はほぼ埋没し、投石機も半分くらい埋まっている。地上に顔を出しているものもあるが、斜めになって使えないようである。
「柱を作ったときの土魔術か!」
イヴァールは、領都セリュジエールで見た光景を思い出したようだ。
「どうやら勝負は終わったようだぞ。ほら、あれを見ろ」
シャルロットが指し示す先を見ると、ポネットに模擬剣を突きつけるシノブの姿があった。
ポネットは大剣を抜いたものの、シノブにはじき落とされたらしい。シノブの足元には彼の巨大な剣が突き立っていた。
◆ ◆ ◆ ◆
「イヴァール殿。貴重な時間を割いてもらい、申し訳なかった。だが、これで我ら砦の守護隊も安心して見送れる。竜退治の成功、祈っていますぞ」
ヴァルゲン砦司令ポネットや砦の兵達は、砦の北城門まで旅立つ一行を見送りに出ていた。
北城門から先は、リソルピレン山脈を越える峠道。峠の向こうはドワーフの国、ヴォーリ連合国である。
「なんの。シノブの実力を改めて確認できたし、竜との戦いの参考にもなった」
イヴァールは愛馬であるドワーフ馬のヒポに跨り、ポネットに笑いかける。
「シノブ殿、シャルロット様をお頼みします。貴方なら安心してお任せできます」
ポネットは馬上のシノブに右手を差し出した。身長2m近い巨漢が手を伸ばせば、馬上のシノブへも楽々手が届く。
「ポネット司令、必ず無事に帰ってきます。守護隊との模擬戦は良い訓練になりました。感謝します」
シノブは彼の手を握って礼を言った。
「何を言われますか。我々こそ良いものを見せていただきました。竜退治の勇者と一戦でき、こちらこそ光栄です」
ポネットもシノブの手をがっしりと握ると、厳つい顔に笑みを浮かべた。
「まだ退治はしていませんが……でも、司令の言葉が嘘にならないよう頑張ります」
シノブは面映ゆさを笑みで隠しながら、ポネットに応じる。
「……では、名残惜しいが出発しよう。ポネット司令! 砦を頼むぞ!」
シャルロットは砦の城壁をしばし眺めた後、ポネットへと呼びかけた。
「はっ! 無事のお帰り、お待ちしております! ……皆の者、竜退治に旅立つ勇士達に、捧げ剣!」
シノブの手を放したポネットが号令すると、砦の兵達もそれに合わせて一斉に抜剣し、目の前にその刃をかざした。
城門の周囲や砦の城壁の上で兵士達が抜剣礼をする中、シノブ達は北へと旅立っていった。
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