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コウタの感想

 キッチンへ行き、米を洗って炊飯器のボタンを押す。炊けるまでの間にシャワーを浴びた。この場所は1階の階段横の部屋、洗面所の奥にある。

シャワーを浴び終わり寝巻きに着替えた。リビングに戻ると父が帰ってきており、キッチンの近くに置いているテーブルに新聞を広げ自身は床に座っていた。特に会話はしない。


 ご飯が炊けたと教えるメロディが炊飯器から聞こえた。夕食を用意しようとそちらに向かう。そのとき父がミチアキに声をかけた。

「まだ食べて無かったのか」

それだけだった。

「うん」

短くそれだけ返した。


 夕食を食べ終わると皿を流し台に置き洗面所で歯を磨きさっさと自室へと向かった。


 お父さんは苦手だ。話をしないから気まず過ぎて同じ空間に居たくない。


 自室の前で鼻で笑った。




 次の日の朝、学校ではやはりあの話題で溢れかえっていた。

ミチアキは自分の机に伏せてクラスメイト達の話に耳を傾けていた。


「あれマジなの?」「俺その場に居たぜ。証拠、見せてやろうか?」・・・


 あの事件の場所って隣の県だったんだな。場所全然覚えてなかったわ。あ、地名もか。


 人の話を盗み聞きして1人驚いていた。するとミチアキの机の端に座ってきた人がいた。

「もう寝てんのか?」

と声をかけてきた。コウタだった。


「良いだろ?自由なんだから。」

顔を伏せたまま反論した。

「あ、お前もあれ見た?」

「おう。ニュースで見たよ」

「俺さ、そのとき友達と近くまで行ってたから生で見れたぜ」


 その言葉に反応してミチアキは顔を上げた。

「俺だけかと思ったけどさ、見たやつ結構居るんだな」

「いやいや、居るっつっても少ないじゃん」

「写真を皆に見せつけて、自慢してやるつもりだったのに」

ニヤニヤしながら考えていた企みを話した。

「つーか、どんな感じだった?」

「生っつっても、結構離れてたから。犯人も見れてねーし」


 コウタはあいつのこと犯人って呼んでるのか。


 コウタはスマホを弄っていた。

「そうなのか・・・」

「あ、はい。これ写真な」

スマホの画面をこちらに向けて見せてくれた。

どこか遠くの道路から燃えている街を撮ったものだった。感想は無かった。もう興味は無くなっていたからだ。


 コウタがこの写真の炎の部分を指さした。

「これ、俺が最初見たとき炎だけだったんだぜ。綺麗だったよ」

「どういうこと?」

意味が分からず質問した。

「いやさ、燃えたら普通煙が出るじゃん。それが無かったわけよ」

「なら途中から煙が出てきたのか?」

「そゆこと。でさ、形が何かでかくて丸くてよ」


 あんま意味分からんが何かすごいそうだな。


 まだ色々と質問しようと口を開いたときチャイムが鳴った。同時に1限目を担当している先生が教室に入ってきた。コウタは先生を確認すると嫌そうな顔をして自分の席に戻っていった。ミチアキも顔には出さないが嫌な気持ちを抱いた。


 俺も嫌だよ、こいつ。書く量多いもんな。


 そう思っていたとき、学級委員長が号令をかけ始めた。

遅いよな、進むの。


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