振替休日 その2
遊具のない広場のような公園で、ミチアキはその片隅にポツンとあるベンチで頭を垂らして座っていた。
もう行くとこねーよなー。やっぱり、ちゃんと発展してるとこが良いなぁ。人が多いのは嫌いだけどさ。
ポケットから携帯を取り出して時間を確認した。
あー、まだ3時か。でもやることねーし・・・。
この付近で何をしようか考えたが、どれも乗り気になれなかった。
1人カラオケとか、ボウリングとか・・・。悲しくなりそうだな。
いいや、もう帰ろ。
家に帰る、という選択肢を選んだ。
チッと舌打ちをしてベンチから立ち上がった。右足を前に出そうとしたとき公園の前を見たことのある人物が通った。
「お、ミチアキ。お前、公園で1人って、悲しすぎだろ〜」
と、クラスメイトのコウタがミチアキに気付いた。彼は自転車を公園の入り口に停めて、ニヤニヤとした笑いを浮かべながら近づいてきた。
うわ、何だよその言い方は、その態度も。ただでさえイラついてたのに。
「ん、なんだよ。公園に遊びにでも来たのか?」
「いや、友達のとこに行く途中だよ。」
「んー、そうか。良かったな」
ぶっきらぼうに返事をした。
俺だけだろうな、こんなに寂しい奴は。
「テキトーだな〜。あ、そうだ時間やばかったんだっけ。じゃな、暇ならメールでもくれよ」
そう言って駆け足で自転車のもとに行き、早々に視界から消えていった。
あー、くそ。イラつかせやがって。
コウタとは別に仲が悪かったり、一方的に嫌っているわけではなく普通に友達だ。
あれ?つか何で俺こんなにイラついてんの?よく考えればこんなにイラつくことなんてあったか?
ボーっと突っ立ったまま何分か時間が経過した。
あ、なーんかどーでもよくなった。さっさと帰ろー。
無人の公園を頭を掻きながら出て行った。
進んで無いね。
追記
編集しました。