対決、決着弾vs決着弾
神宮寺 大介
17歳、熱血漢な少年で何もかもが暑苦しいって。
一緒にいると時々うざい。
愛機はフレアドラゴン。
「あっちい、死にそうだ。」
デモリアスの世界を抜け3人はドラゴヌアスの世界へとやってきた。
暗い暗黒世界で冷えた身体を温めてくれるかに見えた・・・・しかしそれは幻想にしか過ぎない。
火山に囲まれ周りを青い海が占める南国ではその青い空とギラギラと照りつける日差しは狂気でしかなかった。
滝のように汗が流れ鎧の中がムシムシする。
アーウィンは愛も変わらずナンパだった。
「やあ、レディ、ぼくと一緒に・・・・。」
「お前よくナンパする気になるな。」
「だって見てご覧。こんな暑いアイランド、みんな薄着さ。」
確かにこんな灼熱猛暑で鎧きてマント羽織ってるのはハインぐらいだろう。
「遊びに来たんじゃないぞ。」
「いいじゃないか。ところでリーブさんは?」
「暑いからナイトリアスの世界に帰るって。」
本当になんなんだあいつは。
イライラしながら歩いていると。
「ハイーン、おっそいおそい。」
振り向くとビキニ姿の女が走ってくる。
華音だ。
そういえばここで落ち合うって言っていたな。
「お前また薄着なのか?」
「いいじゃん暑いんだもん。それよりおそいよ。」
すると足音を立てずに忍び寄ったアーウィンがネゴシエートを始める。
「やあレディ、君の瞳はこの青空と海のように・・・・。」
「それよりどう、似合うでしょ。」
「遊びに来たんじゃないからな、言っとくけど。」
「この僕と一夏の美しい思い出を・・・・。」
「ハインごめんね、あなた邪魔。今ハインと話してるの。」
アーウィンが崩れ落ちた。
「アーウィン、戻ってこい。」
子供のように泣き崩れるアーウィン。
「まさか、まさか失敗するなんて嘘だ。」
泣き崩れ駄々をこねる色男、
今の彼ほど哀れで見苦しい人間はいるだろうか。
「あの不思議ちゃんの占いは当たった。
振られちゃったんだぁああああ。」
「平気だ、まだ付き合ってないからフラれたうちには入らない。」
すると完全にドン引きした華音が冷たい目で見ているのでとりあえず話した。
「そういや幸三郎は?」
「疲れたから飲み物飲んでる、こっちよ。」
だだをこねるアーウィンを引きずって歩く。
しかし本当に暑い、記憶もぶっ飛びそう・・・・・・・記憶はないのだった。
メイの占いが当たる確率が上がったのだった。
そうすると華音の姿が目に入った。
とりあえずはなんとかせんとな。
華音の肩にそっとマントをかけるハイン。
「どうしたの急に。」
「薄着で人混み歩くな。」
「もしかして心配してるの?ナンパされないか。」
むすっとした顔で華音より早く歩いてぬかすハイン。
「その格好見てるとこっちまで暑くなるんだ。」
「鎧の方が暑苦しいっての。やっぱり妬いてるんだ。」
「うるせぇ。」
しばらくするとビーチについた。
ビーチサイドの椅子で海パン姿でくつろぐ幸三郎の姿があった。
「ごきげんようみなさん。」
いかした感じにサングラスを上げる少年。
「いいじゃない、似合うよこうちゃん。」
「なかなか素質あるぞ少年。」
するとハインは遂にキレた。
机をひっくり返して飲み物をひっくり返す。
「お前らいい加減にしやがれ。緊張感もてよ。」
3人は顔が引きつっていた。
多分3人はハインが怒るのを見たのは初めてだろう。
「どうしたの急に。」
「急にじゃねえよ、俺たちはこれからこの世界の運命をかけて戦うんだぞ。」
「落ち着くんだ、休息も必要だ。」
ハインの肩に手をかけようとアーウィンが手を伸ばす。
それを振り払うハイン。
「もういい、一人で行く。元々は一人旅だしな。」
ハインはいってしまった。
取り残される三人。
「何か悪いことしちゃったかな。」
「それより、何か不安がってる感じですよね。」
「不安か・・・・まさか『あれ』か。」
「あれ?」
アーウィンは『あれ』について話した。
一人飛び出したハインは町外れの喫茶店にいた。
一人でクリームソーダを飲む彼の顔は汗でいっぱいだった。
暑い汗ではなく不安により生じた冷や汗・・・・・に近かった。
「アーウィンの占いが当たった・・・・おれのも当たるって事か・・・・。」
デモリアスの世界での事を思い出した
あの世界でであった代表者、メイのうらない結果・・・・、
『あなたの記憶はバグラーの世界で蘇る。
しかしそれがあなたの運命を大きく変えて最悪の自体になるでしょう。』
最悪の自体、運命を大きく変える、
・・・・・・・何が起こってるんだ・・・・、
おれは何者なんだ。
するとドラゴヌアスの女と思わしき竜人の女が近づいてきた。
「お兄さんお一人。」
「みればあわかるよ。」
すると女はハインの背中にそっと手を伸ばしてくる。
「あなたの心とても冷えてる。」
「・・・・・・・・何がわかる。」
そっと耳元に近づく声。
「わかる、あたしなら温めてあげられる。」
その瞬間ハインは女の手首を掴んだ。
その手には財布。
「甘かったな。もう少し上手くやんないとな。」
「たっく、つまらない男だね。黙って渡せばもっといいことしてあげたのに。」
セインキャリバーを構える。
「黙れ、減らず口を叩くと撃つぞ。今日はちょいと機嫌が悪いんでな。」
「まてまてまてぇーーーーい。」
すると赤いマントをきた男が走ってくる。
「悪人とはいえ女の子の手を出すなんて卑劣だぞ。」
暑苦しいやつだ。
見かけから声から全てが熱血と言うオーラを出している。
「人間か、じゃあお前はドラゴヌアスの代表だな。」
「そうだ、そして正義の味方神宮寺大介様だ。」
「俺はハイン。ここまで来たら答えは一つ。」
「ワイドブレイカーで勝負。」
バトルフィールドが展開する。
「レッツセインキャリバー!!」
「燃えろ!!フレアドラゴン。」
真っ赤なドラゴンを彷彿とさせるワイドブレイカー、本当に何から何まで暑苦しい。
「ルールはヒットポイントバトルでどうだ、ハイン。」
「構わん。」
勝負が始まる。
何か・・・理由のわからない大きなオーラを感じる。
いつもならここで相手の手を見るために並列殺法を食らわせる所だが今回は乱れ桜で行く。
弾の一団をフィールド中心て前まで飛ばしそれを撃って弾けさせる。
乱れ飛ぶ弾が不規則に相手を襲う。
「ならば行くぞ必殺。」
するとフィールド全体が赤く染まって行く。
「ドラゴニックファイア!!」
立った一発の弾で全ての弾が弾き出された。
その必殺弾がハインのアタックポイントに当たる。
「ぐああああああっ。強すぎる・・・・・。」
「当たり前だ僕のフレアドラゴンは正義のマシンだ。悪には負けん。」
ハインは悪ではないし理屈と根拠は全くわからない。
だが強い。
「こいつはどうだ。」
並列殺法が炸裂する。
「正義の味方はこれで十分だ。ドラゴニックファイア!」
「連続だと!?」
「無理だった。」
スカの弱い弾が出た。
並列殺法の弾のほとんどがアタックポイントを含む各部位に当たる。
「うおうおうおうおうおおおおお、痛い。」
「見くびるな。」
「でもこいつが勝利に繋がるんだ、諦めないぞ。ドラゴニックファイア!!」
すると今度は必殺弾が炸裂する。
「危ない!!」
ギリギリでよける。
すると跳ね返った弾がまっすぐに相手のアタックポイントを貫く。
「わあああああああ、強すぎた。」
デタラメの高火力だ。
威力が半減せずに跳ね返るなんてあり得ない。
一発でも部位に当たれば破損はまぬがれないであろう。
攻防が続くが勝負は一行につかない。連射とテクニックでみせるハインとパワーで圧倒する大介。
これほど続いたバトルはないだろう。
「くらえ。」
二発の弾が発射。
しかし、偶然が重なる。
長期戦のせいで疲れの出たハインの目に・・・汗が・・・・。
目の痛みで一瞬動きに狂いがかかったハインのアタックポイントにヒット。
だがもう一発の弾が左手の人差し指と中指に当たった。
「うううううっっっっ、しまった。」
かなり傷が深く出血がひどい。
「平気か?中断しよう。その傷はまずい。」
しかしハインは諦めない。
傷口を華音から借りたハンカチで結ぶ。
しかし出血は酷くハンカチが血で赤く染まっていった。
「さあ続けよう。」
「熱いよハイン。最高だ。」
「お前もな。」
「最後はお互いの必殺で決めよう。」
するとハインは痛む指でゴールデンアローの決着弾をリロードする。
すると大介の手にも決着弾があった。
「僕のバーニングブーメランは凄いよ。」
「俺のゴールデンアローのが痛いぞ。」
お互いが同時に発射した。
バーニングブーメランはフィールドを縦横無尽に駆け巡って行く。
それは巨大な火炎竜巻になる。
しかしその中を抜けて出てくる黄金の閃光。
勝負は着いた。
ハインが勝った。
「最高だったよハイン。」
「こっちもさ、・・・いって。」
出血は予想以上に多くポタポタと床に垂れていた。
「深い、ガルビーストの世界に知り合いの医者がいるから応急処置をしたら行こう。」
すると店の中に華音達が走り込んで来た。
「あ、華音。」
何も言わずに抱きついてくる華音。
「ごめんなさい、ハイン一人で悩んでるの知らなくて。」
「もういいよ、あのさ・・・・ハンカチありがとう。」
合流したハイン達5人。
アーウィンは他の世界を周り幸三郎は新しい決着弾を探しにいった。
残った三人はハインの指の治療のためガルビーストの世界に行くことになった。
バグラーの森での再開を近い再び別れたのであった。
つづく
フレアドラゴン
攻守スピード全て優れた第一世代最強機体。
必殺技はドラゴニックファイア、デストバーン。