嵐の決着弾
万丈 幸三郎
小学3年生。
天才少年と呼ばれるほど頭が良い。
しかし本当は勉強よりもワイドブレイカーの方が好き。
三兄弟の三男で母子家庭らしい。
愛機はゴレムP-143
「もうすぐ着くよ。」
「なぁ華音。」
ワープゲートを歩く二人。
二人きりになったハインはどうしても聞きたいことがあった。
「どうしたの?」
「なんで一緒に来るんだ?男と二人きりじゃ嫌じゃないか?」
するとなに聞いてるのみたいな顔をされる。
ちょっとハインは嫌な感じがした。
それを察したのか、それともむすっとした自分の顔に気がついたのか華音は笑顔になった。
「ごめん、冗談だってば。本当はね、あなたなら大丈夫だと思った。」
「なんで?」
「水着。」
水着・・・・の一単語では全くわからなかった。
確かに始めてあった時華音は水着だったが。
「水着姿なのにあなたはナンパしてこなかったから。」
「いや、だってあの時ばてて・・・・。」
「普通の男の子って女の子の水着みたらそう言うの治っちゃうの、ただそれだけ。」
ちょっとハインには理解はできなかったがあれこれ考えていると遂にゴーレムンたちの世界についた。
「うっわ。」「大きい。」
「おい、卑猥だぞ。」
ちょっと突っ込みたくなってしまった。
しかし確かに大きい。
ゴーレムンの身長は平均2〜4mだ、かなりの高身長だ。
ゴーレムンは泥やレンガでできたものからロボットまでを指すらしい。
「ここの世界には研究施設が多いからあの金の弾丸の正体がわかるかもね。」
そう、あの時、ピンチにやってきてさっそうと敵を倒した謎の弾丸。
しばらくすると街で一番大きな研究所についた。
受付には少し小さめのゴーレムン。
「研究所へようこそ。今日はどうされましたか?」
「これについて調べて欲しいのだけど。」
そういってハインはポケットから弾丸を取り出した。
それはすぐに研究室に運ばれて行った。
しばらくかかりそうなのでいろいろと散策することにした。
公園を歩いていると華音から話しかけてきた。
「なんかデートみたいだね。」
「おいおい、これでも大会じゃ敵なんだぜ」
「いいじゃない。愛するもの同士の悲しき戦い・・・・とか面白そうじゃん。」
「じゃあ華音は俺のこと好きなの?」
すると前方を歩いていた華音の足が止まった。
何かまずいことを聞いてしまったような気がして少し身構えていた。
「今まであった男の子の中じゃ・・・・一番かな・・・。」
「へぇ・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
会話が途絶えてしまった。
どうしよう。
何か気の利いたセリフを・・・・・・、
気の利いたセリフをおおおおおおおおお、
「やっぱりナゲットはケチャップよりバーベキューソースだよな。」
やらかした・・・・・・、
そして帰って来たのは以外な返事。
「私・・・・・マスタード派。」
ここで第三者だとぉぉぉ!!
「お兄さんたち人間のようですね。」
そうして振り返ると誰もいない。
少し目線を下げると小学生くらいの男の子が立っていた。
「君・・・・・ゴーレムンの代表?」
そうすると大きく頷いた。
「へぇー意外、私でっかくて筋肉質のゴリゴリマッチョかと思ってた。」
すると少年の顔が不機嫌になって行った。
「悪かったですね、チビでひょろひょろで。」
「え、あ、いやそんなことないよ。」
「うんうんうんうん、いいことよ、隙間も通れるしね。」
フォローになっていない。
「ゴホン!!まあいいです。それよりバトルの相手をしてくれませんか?」
「いいよ、じゃあワンポイントバトルで行こう。」
「じゃあ新発明バトルステージワープ。」
すると三人はバトルステージにワープした。
「あれ、あいつがいない。」
キョロキョロみわたすと観客席に座っていた。
「じゃあ行きましょうか。」
「よし、レッツセインキャリバー!!」
「頑張ってくださいゴレムP-143!!」
そこにいたのは少年のての何倍もの大きさのあるワイドブレイカー。
試合がスタートする。
するといきなり相手からの攻撃だ。
「うわっ多い。」
「当たり前です。ビッグハンドマガジンによって驚異の装弾数を誇っています。」
雨のような弾丸の雨がハインを襲った。
「こいつは骨が折れるな。」
「見ましたか、必殺のギガントレイン!!」
しかしハインはするするよけて行った。
「なんで・・・・骨が折れるって。」
「いくぞおおおお、うりゃあああああ。」
ハインは一発の弾丸の周りに六発の弾を囲んで発射する。
「ぐあああああああっ。」
少年のアタックポイントに弾が当たった。
バトルステージから帰ってくる。
「ちょっと大人気なかったんじゃないの?
それよりあの弾の撃ち方は何?」
「ちょっとね。」
すると少年が近づいてくる。
「ありがとうございます。ハインさん。」
「なんで名前知ってるの?」
「僕、あの研究所でお手伝いさせてもらってるんです。」
そうして三人は少年、名を万丈幸三郎と言う者と一緒に研究所に向かった。
「決着弾ですね。」
決着弾
特殊金属レアメタルに伝説の武器の力を宿した最強の必殺弾。
伝説によると神話の時代暗黒の神が降り立った時、空が割れその破片から作られたと言われている。
いくつあるかははっきりわかってはいない。
「これは黄金の矢と名付けましょう。」
すると幸三郎は決着弾をハインに渡した。
「これは噂だとデモリアンの世界にあるそうです。」
「デモリアン・・・・・悪魔族か。」
次の目的地が決まったようだ。
「幸三郎はどうするんだ?」
「僕は次の決着弾を探しにナイトリアスの世界に行きます。」
するとハインは華音の肩に手を当てた。
「小学生一人じゃ危ない。一緒に行ってやってくれ。」
「でも、デモリアンは好戦的な種族なのよ。」
「いざという時はこいつを使う。」
そう言うとハインはデモリアンへのワープゲートにむかった。
「待って、これ。」
華音はハンカチを渡した。
「ドラゴヌアスの世界で落ち合いましょ。それまで持ってて。」
「ありがとう。」
決着弾の存在がこれからの勝負に関わる。
ハインは心の中でそう感じていたのであった。
つづく
ゴレムP-143
連写型の期待で巨大な腕はマガジンになっている。
必殺技はギガントレイン、魔神の鉄斎