水の巫女
北条 華音
17歳でフィンドル代表。
母が元モデルでおしとやかを装っている。
しかし実は積極的で曲がったことが嫌い。
愛機はネプチューンソリア。
フィンドルの世界に来たハインとリーブ。
「空が青い・・・・・・暑い。」
都市が海底にあると聞いていたがワープして来たのは海のど真ん中の小島であった。
「もうすぐ定期便が来るはずです。」
そう言われてからかれこれ3時間ほどたったであろうか。
再び待っていると水中から何か乗り物が上陸して来た。
そこから続々と降りてくる人々。
「やったあ、乗ります乗ります。」
そう言って近づいて行くと魚人のような人が立っていた。
「それではチケットをお願いします。」
「?、チケット・・・・?」
どうやらここの所フィンドルでは囚人が脱獄したらしくしばらくチケット乗車がつづくらしい。
「すいません。忘れていました。」
「おいおいリーブさん、あなた間接的に仕事放棄してませんか?」
すると乗り物の扉が閉まり水の中に行ってしまった。
「ちょっとまって・・・・・、あーーー。」
砂浜に寝転ぶハイン。
倦怠感がガクッと体を襲う。
暑い砂浜に残された二人には別の世界に行こうと言う気力も起こらなかった。
「そこで寝てたら干からびちゃうよ。」
頭を持ち上げる。
そこにいたのは水着を着た同い年くらいの女性。
「あなた、何処かの代表?」
「フィンドルのね。」
驚いた。海底都市の代表がここにいると言うことは他に行く手段があると言うことだ。
「どうやって来たの?」
「泳いでよ。だから水着なんじゃない。」
絶望だ。
泳いで?絶対おちょくられてる。
海底から地上に上がって来るまでに酸素が持つわけないじゃないか。
そう思って戻ろうとすると彼女はハインの腕を掴んでそのまま海に飛び込んだ。
「ガボボボボボ。」
口の中に海水が入ってくる。
すると女は口に何かを突っ込んで来た。
「スーーハーーー、海藻?」
「青は酸素で黄色は二酸化炭素ね。」
すると彼女は前方をどんどん泳いで行った。
しばらく泳いで行くと前方に巨大なドームが見えてきた。
あれがフィンドルの海底都市・・・・・。
遂に都市に入った。
「やっと帰って来た。やっぱりここが好き、
ってあなたびしょ濡れね。」
「あなたが海に引っ張ったんでしょう。」
「そっか、アハハ、ごめんごめん。何かおごるからさ。」
そうするとまたハインはズカズカと引っ張られて行った。
「ちょっと、俺はハイン、君は?」
「私は華音、北条華音。」
しばらくして気がついた。
リーブがいない。
するとマントに手紙がついていた。
“緊急会議があるので一度戻ります、しばらくは一人でよろしくね。”
あんにゃろう・・・・・・・・。
しばらくすると店についたようだ。
席に着くと彼女は勝手にぱっぱか注文し出した。
「あの・・・・平気なの?」
「平気平気、いつも来てるから。」
しばらくして飲み物が来た。
予想もしていない色だったがとても美味しい。
「ねぇねぇ、ここバトルが出来るの、一緒にバトルしてよ。」
「飯食ったらね。」
食事が到着するまで、マシンを整備しようとホルスターに手をかけた。
するとセインキャリバーがなかった。
まさか海に落としたんじゃ・・・・・。
「かっこいいね、君のワイドブレイカー。」
ホッとした。
しかし、図々しい都言うか油断も隙も無いと言うか・・・。
「あ、ごめんなさい。勝手に取っちゃって、私のもみせてあげる。」
手元に彼女のワイドブレイカーがあった。
「サイドトルネードシステム・・・・。これはすごい。」
サイドトルネードシステム
弾丸締め付け用のツメを左右アンバランスの強弱にすることで締めの強い方向に回転する。
これにより不規則な弾道を描く。
その使い勝手は悪くブレイカーの間では暴れ馬と呼ばれている。
「暴れ馬を使いこなせるのか?」
「うん。でもいいな、やっぱりバランスも大事よね。」
すると料理が来た。
「きたきた、でも約束よ。食べ終わったら勝負ね。」
「わかってますって。」
サイドトルネードシステムの使い手。
これは世界的に見てもとても少ない。
かなりいい経験が取れそうであった。
数十分後
二人はバトルステージに立った。
「バトルスコープセット。」
「Go、ブレイク!!」
勝負が始まった。
ヒットポイントバトルの場合まずは様子見が大切だ。
「お手並み拝見と行く。」
開始早々の並列弾殺法が炸裂。
弾は並列を保ったまま華音のアタックポイントに迫る。
「え、何それ?」
驚いた華音は一発放つとアタックポイントにヒットした。
「きゃああっ、いったーい。」
安心しかけていた。
サイドトルネードシステムなどさほど怖くないと。
その時、ハインのアタックポイントにヒットがはいった。
「がああああっ、何が起こった?」
あの時華音の放った弾は並列殺法をよけ右側の壁に当たりそのまま跳ね返ってヒットしたのだ。
「ただじゃやられないのが華音よ。」
「面白いかもな。」
第二ラウンドが始まる。
再び右から来ると踏んだハインは左によけた、しかし今度彼女がはなった弾は左から攻めてきたのだ。
「危ない、パラディーンフォース!!」
思わず必殺技を放ったハイン。
その弾は攻めてきた玉を跳ね返し大きくそれて行く。
「くっ、しまった。」
「今よ必殺。」
華音の右回転の弾と左回転の弾が巨大な竜巻になって行く。
「フラッドソリア!!」
「ぐぅぅぅっ!!」
遂に二点取られた。
残るは一点、その時だった。
「華音様〜、大変です。」
急に一人のフィンドルが入ってきた。
「どうしたの?」
「脱獄犯のラディーゴが広場で暴れて。」
するとハインは店を飛び出す。
「試合までお預けだ、急ごう。」
「それ私のセリフ。」
急いで二人は広場に向かう。
広場では何人もの人が倒れていた。
「ラディーゴって君か?」
倒れた人々の真ん中に筋肉質のフィンドルが立っていた。
「ほほぅナイトリアスの代表が偉そうに。」
「疲れててねワンポイントバトルで行くぞ。」
「よかろうバランロブスターのサビにしてくれる。」
バトルステージが展開する。
バトルスコープをつけようとするハインがよろける。
「ちょっと疲れたかな、スコープセット。」
その時、バトルステージ内部に水がたまり出した。
「水中デスマッチだ。」
驚いて水の上に行こうとするハイン。
「逃げんじゃねえ。」
鉄球のついた足かせをかけられた。
「ぐぐっ・・・・・。」
「いくぜいくぜ!!ヒャッハー!!」
自由の効かない中、なんとかよける。
反撃を始めるも呼吸が続かない。
「この海藻を入れられれば。」
バトルステージには外部からの邪魔が入らないように周りにシールドが貼られる場合や別空間で戦う2種類がありシールドは試合終了まで絶対に解けることはなかった。
「残念だなぁ、こいつで終わりだ。」
「ガボボボボボボボ、がはっ。」
その時だった。
どこからともなく弾が飛んでくる。
その弾はステージ周りのシールドを破壊し水が出始めた。
「何が起こった。」
そこにあったのは矢の絵が描かれた黄金の弾。
「これは・・・・。」
無意識のうちに装填するハイン。
「すごい・・・・すごいパワーが・・・・うあああああ。」
一気に撃たれる黄金の弾。
その弾が描く弾道はまさに黄金の矢のようだった。
「ぐああああああああ。」
バランロブスターは破壊されそこにはラディーゴはいなかった。
あったのは黒い砂埃だけであった。
「ハイン、大丈夫。」
「ゲホッ、ゲホッ、平気・・・だ。
それにしてもこれは・・・・・。」
手の中で光り続ける黄金の弾。
その弾はまだ熱があった。
「じゃあ行きましょうか。」
「え?なんで。」
「気に入ったの。」
つづく
ネプチューンソリア
サイドトルネードシステムを搭載しており右回転、左回転の切り替えが可能。
水中戦も得意。
必殺はフラッドソリア、ライディーンラッシュ。