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ワイルドブレイク  作者: 通りすがりのバッタ男
激闘サラマンデス編
20/28

悲しき裏切りの騎士

ハワード・ノア・シュタイン

ハインの本当の名前。

以前の温厚でフレンドリーな性格とは裏腹に戦略家で冷酷残忍。

自らを支配層の人間と言っていて仲間や世界の人々を愚民と言う。

元の世界で世界一のワイドブレイカーメーカーと言われるシュタインズ社の御曹司である。

愛機はロストナイト

「僕が戦闘指揮官のハインだ。」

その声と同時に一斉に膝間づくジャミライアの窃盗ブレイカー、そしてラディーゴ達。

その姿はまるでカリスマ的支配者のようであった。

「シラー、僕は派手な迎えは嫌いだと言ったろ。」

「皆がどうしてもと言うのでね。」

全員が口を開けたまま黙りこくる。

今まで共に旅をしてきたハインが・・・・あのハインが敵だなんて・・・・。

「嘘だろ・・・・ハイン・・・・。」

そう言ってアーウィンが近づく。

「ハイン・・・ふふっ、ハハハハハ・・・・。君は誰に向かって口を聞いているんだい?」

そう言ってハインはアーウィンを撃った。

「ぐああああああ!!」

倒れるアーウィン。

仲間達が駆け寄る。

「何してるんですか。」

「冗談やめて。」

するとハインは前に出た。

「ハインと言うのはあだ名だ。

僕の真の名は、ハワード・ノア・シュタイン。」

「シュタイン・・・・・。

全員が黙った。

何処かで聞いたことのある。

「まさか・・・・シュタインズ社の・・・。」

するとハインは拍手を始めた。

「ビンゴビンゴ。そう、僕はシュタインズ社の御曹司だ。」

彼は超有名人であった。

シュタインズ社

元の世界で世界一のワイドブレイカーの売り上げを誇るメーカーであり全世界の注目の的である。


「そんな君が、なぜ・・・・。」

「仕方が無い。少し昔話をしてあげよう。

僕はシュタインズ社の3代目社長ジャック・シュタインの息子だ。

父は幼い頃から僕にこう言っていた。

“ワイドブレイカーを作る上で大切なのは純粋に楽しく遊べるかなんだ。だからお前も純粋に育ってくれ”・・・とね。

僕は父の言う通りに純粋に育った。

父は小学生のうちはしっかり友人を持つことも大切だといい一般の公立校に入れた。

僕には友達がたくさんできた。

けど・・・・見せかけだったんだ。

4年生の時父が死に会社は叔父が継いだ。

それから友人達は離れて行った。

皆僕出なく我が家の金が目当てだった。」

全員が唾を飲んだ。

壮絶な少年時代に・・・・悲しい現実に・・・・・。

「それから僕はずっとひとりぼっちだった。いじけも受けた。けど僕は父の言う通り純粋にい続けようとした。

正義感も持ち続けた。

いいことやボランティアもした。

だが現実は最悪だ。

でも・・・・そんな僕に神がおりた。」


ゴルドランへ行く一週間前

僕はいつも通り学校の帰り道を歩いていた。

僕の学校の最寄り駅付近は少々治安が悪かった。

その日も・・・・そうだった。

他校の女子高生が不良に絡まれていた。

周りに人はいっぱいいたさ。

みんな見て見ぬふり。

あの時の僕には許せなかった。

「おい、君、やめたまえ。」

「なんだてめえ、文句あんのか。」

「あるさ。」

すると不良はワイドブレイカーを取り出す。

「やるなら楽しませてくれよ。」

「もちろん。

結果は僕の秒殺。

不良は捨て台詞を吐いて逃走。

見て見ぬ振りの見物人は拍手して。

僕は女子高生に駆け寄った。

「君、大丈夫か?ここら辺は治安が悪い、家まで送るよ。」

そう言ったのもつかの間女子高生は走って逃げた。


僕は絶望した。

どんなに正義を貫いても結局は無意味。

悔しくて悲しかった。

その時、僕は見知らぬ空間にいた。

目の前にはワイドブレイカーのバトルフィールド。

『よくぞきた。待ちわびたぞ。』

「誰だ?」

すると反対側に無人のワイドブレイカーが現れた。

僕は恐ろしかった。

誰もいないのにマシンは勝手に動くんだから。

僕は戦った。

そして負けた。

「うあああああああっ。」

僕は泣いた。

絶望的だった。

『なぜ負けたかわかるか?』

「僕が・・・・・・、偽善者だから。」

『その通り、お前は悪の心が足りないのだ。冷酷で相手を見下す心がな。』

「僕に・・・・・僕にください・・・・・。」

『よかろう、これが悪だ。』

その時は心地よかった。

心の底から力と欲が溢れて・・・・そして気付いた。

真の正義は絶対的な支配であり僕こそが愚かなる愚民共の頂点に立つべきなのだと。


「そして僕はジャミ様に忠誠を誓った。」


みんな黙っていた。

溢れそうな涙をこらえていた。

なんて悲しい人生なのかと。

「聞いていいハイン・・・・・。」

華音が聞く。

「いつから思い出していたの?」

「バグラーからだ。悪の心が戻ったのはシャドーブリンガーを使った時だが。」

「ずっと・・・騙してたの?」

「はっはっはっは!!

実に滑稽だったよ。」

すると大介が立ち上がった。

「勝負だハイン。」

フレアドラゴンを構えてフィールドに向かう。

「その根性叩き直してやる。」

「よかろう・・・この僕が直々に相手をしてやろう。」

ハインはもう昔のハインではない。

「ハイン・・・・、そのボロボロのセインキャリバーで勝てると思うのか?」

それを聞くとハインは狂ったように笑い出した。

「フハハハハ、僕はワイドブレイカーの性能で勝利したわけではない。

天才には天才の技量があるんだよ。」

そう言ってヒビだらけのボロボロのセインキャリバーを構える。

「Goブレイク!!」

大介は普段の戦闘スタイルとは違った。

普段であればまず必殺技から出すはずだ。

それがあの猛連射、何かがおかしい。


「気づいたみたいだね。」

「アーウィン?」

アーウィンの言葉に疑問を覚えた華音。

「どういうこと?」

「セインキャリバーが全壊すれば嫌でも試合は終わるということだ。」


確かに大介は部位ばかりを狙っている。

少しずつフレームがが割れて行く。

「はっはっは、考えたみたいだねえ。だけど・・・・闇の力を舐めないでもらおう。」

その時だった・・・・、

セインキャリバーのヒビの下から、関節から、アーウィンの決戦時と同じように黒い光が溢れ出す。

その瞬間バラバラとセインキャリバーが崩れ出した。

「勝負はついたね。」

そう言ってアーウィンの顔を見た。

だが違う、青ざめていた。

恐怖におののいた子供のようになっていた。

「アー・・・・ウィン?」

「嘘だ・・・・あり得ない・・・・。」

目線の方向には崩れ出すセインキャリバー。

いや、まるで殻を破ってはいだそうとする鳥のようであった。

純白の鎧のしたから見える漆黒の鎧。

セインキャリバーと瓜二つ・・・・いや、その風格、オーラはセインキャリバー以上。

何が起こって・・・・・。

「フハハハハ、ハーッハッハッハ。

美しい、美しいよ。闇より転成したセインキャリバー・・・・、いや、こいつは堕ちたのだ。

そう、堕ちた騎士、ロストナイト!!」

「嘘だ、あんなの嘘だああああああ。」

恐怖で狂ったように弾を放つ大介。

しかし、ロストナイトはバレエを踊るかのように軽々と往々しくよける。

「フハハハハ、無様だよ、愚かだよ。

そろそろ楽にしてあげよう。マック!!」

その声を聞くとマックはハインに向かって何かを投げた。

黒い・・・・決着弾。

「僕の新しい決着弾、シャドウブリンガー。

いくぞおおお。」

決着弾をセットすると同時にうちはなった。

あの打ち方は・・・・セイントホライゾン。

いや、あの黒い闇の弾は・・・・ダークネスホライゾンと言うべきものだった・・・・・。

「うおおおおおおあああああああああああ!!」



フレアドラゴンは粉々に砕け散った。


「はっはっは、実にもろい、もろすぎる。」

ハインはフレアドラゴンの残骸を踏み潰す。

泣き崩れる大介。

「ハインやめて。」

華音が近づいて腕を抑える。

するとハインは華音の腕をつかむ。

「君だけなら連れて行っても構わない。君は支配者側にしてやろう。あんな愚かな奴らと一緒でいいのか?」

「いや・・・・。」

華音はハインの腕を振りほどく。

「君も・・・・・そうだったのか・・・・・。」

ハインは華音の頬を二発ほどはたくと後ろを向いて歩き出した。

「シラー、帰るぞ。」

すると目の前に真っ赤な戦艦が現れた。

「サラマンデス!!」

セインキャリバーが驚く。

するとハインが笑いだす。

「違うな、指揮官専用艦ゴルザサラマンデスだ。

次会う時は容赦はせん。」

ハイン達が乗り込むとゴルザサラマンデスは飛んだ。

すると上空に無数のサラマンデス。

ゆうに300ほどの数があった。


「おかえりなさいませハワード様。」

マックがハインに飲み物を注ぐ。

「ありがとう。」

「ハワード様、目的地は?」

「とりあえずジャミ様にご挨拶と行こう。」


艦隊は星空に消えた。

残されたメンバーは呆然と見つめるしかなかった。


つづく

ロストナイト

黒いボディに身を包んだ漆黒のワイドブレイカー。

肩のデスローブを開くとグリップになる。

足はローリングフットになっていて縦横無尽の移動が可能。

必殺はロストバーンとシャドウレイ。

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