天空の使徒
アーウィン・岡崎
イタリア人の父と日本人の母との間に生まれたハーフ。
17歳。
自分に関係ないことには関心がなく少し嫌なやつだが本当は義理堅く、人情に熱い。イタリア人の血が入ってるためにナンパグセがある。
愛機はハイファルコン
「とりあえず来たわけだが・・・・。」
大会まであと2週間。
セインキャリバーはハインに今の世界の現状を把握すべきだと大会までの間旅を許可してくれた。
荷物はワイドブレイカー以外はない。
とりあえず一番近くの世界であるバーディスの世界に来たハインだった。
バーディスの世界は天空都市だ。
空がとても近く、町の周りには空が広がっている。
「落ちたらやばそうだ。」
バーディスの世界と聞いたからにはやはりその種族だけかと思いきや思いのほか他の種族もたくさんいた。
「とりあえず飯でも食うかな。」
目についたレストランに入ることにした。
なかなか賑やかでいい場所だった。
メニューを見ると見たことのない文字が書かれていた。
「そういえば。」
メニューの文字にワイドブレイカーをかざすハイン。
セインの言うことによればワイドブレイカーを文字にかざすと読めるらしいがそれは本当だった。
「すいません。」
ウェイトレスを呼ぶ。
近づいて来たのは鳥人のような人だった。
これがバーディスの女性か。
「あの・・・・ご注文は?」
「あぁ、このザバー魚のムニエルのセット、飲み物は・・・・オススメで。」
小さい頷くとウェイトレスはいそいそと厨房の方へ向かう。
やっぱり敵国の代表とは会話できない物なのか、よく見るとハインの周りには誰も座ってはいなかった。
水を飲みつつワイドブレイカーを整備していると店の中が騒がしくなった。
「やめてください・・・・。」
さっきのウェイトレスが酔っ払いに絡まれていた。
「姉ちゃんいいじゃねえかよ。」
「そうだそうだ、俺たちゃあ悪いようにゃあしねえよ。」
なんだか知らないが客のほとんどは見て見ぬ振りだ。
「おい、助けないのか?」
少し離れた席の客に聞く。
「あいつら二人はこの街で名の知れたブレイカーだ。どんな反則もするし負ければ自分のワイドブレイカーと金を取られちまう。」
「へぇ。」
ハインは席を立つと二人の元に歩いて向かった。
「おい、おっさんら。」
「何だてめぇ。」
二人が睨みつける。
すると周りの客数人がハインを止めに入るがハインは離れた場所のコップを撃ち抜く。
「勝負だ、負けたら有り金とそのウェイトレスをもらうよ。」
「んだと上等だ!!ルールはワンポイントマッチだ。」
ワンポイントマッチ
その名の通り一回で勝負のつくルールだ。
先にアタックポイントにヒットさせた方が勝者だ。
「オッケー、スコープセット。レディ、セインキャリバー!!」
バトルステージが現れる。
相手のチームを見ると二人いる。
「二対一だぜにいちゃんよお。」
「一行に構わん。」
「けっ、ナイトリアスの甘ちゃんが。
俺達のマシンは連射型なんだぜ。」
すると二人はものすごい数の弾を発射した。
しかし、ハインはそれと同党の・・・否、それ以上の弾を発射した。
弾は弾かれ酔っ払いの一人のアタックポイントにヒットした。
「うっひゃあああああ!!」
ショックで倒れる。
「なんでだ。なんで俺達以上の弾を!?」
「ワイドブレイカーの性能だけが勝負じゃない。それを使うブレイカー自身の技術やテクニックも勝者の鍵なんだ。」
するとハインが必殺の体制に入る。
「パラディーンフォース!!」
「おおおおおぅグゥウウウウッドゥ!!」
酔っ払いがレストランを飛び出して行く。
「昼飯前にはちょうどいいかな。」
すると店内中から拍手や声援が飛び交った。
これを見る限り相当ここの人達はあいつらに迷惑していたみたいだった。
「ありがとうございます。」
ウェイトレスが近づいてきた。
「お礼はいいからさあれを頼むよ。」
「・・・・はい。」
頬を赤らめて照れながらウェイトレスが返事する。
するとウェイトレスはハインの頬にキスをした。
店内から今度は冷やかしの声援や口笛が聞こえた。
「違うよ、メシメシ!!腹ペコでさ。」
全員がずっこける。
「美味いなぁ。」
思いのほか美味しい食事にハインは感動していた。
しばらくすると誰かが近づいて来た。
「君がナイトリアスの代表か。」
見上げるとハインは思わずフォークを落とした。
そこにいた男は両腕にバーディスの女性を抱えていた。
いや、そんなのはどうでもよかった。
「あんた・・・・人間か?」
「バーディス代表のアーウィンです。」
「ハイン、ナイトリアス代表だ。」
二人は握手した。
「さっきはすごかったよ。」
席に着く3人。
「さっきはすごかった・・・・・
じゃあ見てたのか?」
「嫌でも目に入るよ。」
するとハインの手が止まる。
「助けようとは?」
「思わないさ。あんな野蛮なことはしないよ。まぁ女の子を慰めるくらいはやるがね。」
するとハインは立ち上がってセインキャリバーを構える。
「勝負だ。お前の根性叩き直してやる。」
「ふっ、実に野蛮だ。よかろう。ヒットポイントバトルだ。」
バトルステージが再び展開する。
「僕のマシンはパワータイプのハイファルコン。」
「Go ブレイク!!」
先制攻撃はハインだった。
ハイン得意の並列弾だ。
するとアーウィンは一発だけ弾を発射。
たった一発の弾が並列弾を全て吹っ飛ばす。
「なにっ!?」「言っただろハイファルコンはパワータイプだ。」
するとアーウィンの弾がセインキャリバーの足をかする。
「ぐうううっっ、かすっただけで。」
「僕は試合まで戦わないつもりだったから知らないんだ。どのくらい痛いんだ。」
するとアーウィンのアタックポイントにハインの弾がヒット。
「このくらいだよ。」
「はああああああっ!!電気椅子に座ったみたいな感覚だよ。」
するとアーウィンの攻撃が来る。
「行くぞ。」
負け時とハインも撃つがそのパワーに圧倒。
アタックポイントに当たった。
「だああああ!!くっそー全然慣れねえ。」
「いい叫びだねえ。」
「この野郎・・・・・・泣かす。」
するとハインの並列殺法だ。今回は2列。
アーウィンも発射したがその圧倒的弾数に押されハイファルコンの右腕とアタックポイントにヒットした。
「ダアアッス!!部位に当たった所もか、ショットガンでも打ち込まれたみたいだ。」
すると閉じていたハイファルコンの翼が開く。
「お見せしよう。必殺・・・。」
するとバトルステージ中に鳥の羽根が舞った。
「フェザーブースト!!」
羽根をまとった弾道の竜巻がセインキャリバーのアタックポイントにぶち当たる。
「っっっっっっっ!!だったら行くぞおお。」
ハインとセインキャリバーが黄金に輝いた。
「おいおいまてよこっちは撃てないんだぞ。」
「だったらよけな!!必殺パラディーンフォース!!」
剣の形をした閃光が勝負を決めた。
「・・・・・・・ジーザス。」
ハインの勝利だった。
すると寝ていたアーウィンが起き上がる。
「負けたよ。最高だった。」
「こっちもだ。」
二人は再戦を誓い合って別れた。
「さあて次はどこかな。」
「お待ちしておりました。」
目の前のいたのは鎧を着た女だ。
背中からは天使を彷彿とさせる白い翼がはえていた。
「セインキャリバー様の名を受けて案内役として派遣されたリーブです。」
「よろしく、とりあえず次の場所行こうぜ。」
すると天使は少し戸惑った様子で聞いた。
「驚いたりしないんですか?」
「別に、もう割り切ってるから。」
二人は次の場所へ向かった。
つづく
ハイファルコン
パワータイプのマシンで強烈なショットが特徴。
背中の翼を閉じるとスタンドになり開くと取手になる。
必殺はフェザーブースト、ダウンストーム




