エンドイズスタート
Go ブレイク!!
観客の掛け声とともに二人が勝負を始める。
「お手並み拝見だ!!」
ハインが攻めにかかる。
機体を平行移動させながら弾を連射していく。
連射の間隔が小さいため弾はほぼ並列にフィールドをまっすぐ移動していく。
ハイン得意の並列殺法がアーウィンを襲う。
「やらせないぞ!!」
アーウィンが負け時と連射する。
連射した弾は当たるもはじき返される。
「威力が上がらない・・・・しまった。」
そう、遡ることAブロック決勝戦終了時。
ハイファルコンのコアは長い戦いの影響で破損してしまったのだ。
そのとき応急処置として城介のコアをセットした。
しかし、パワータイプのハイファルコンと違い城介のツインセイバーのコアはバランスタイプ。
そのせいでハイファルコンのいつものパワーが出ないのだ。
「ぐああああああああああああ!!」
倒れこむアーウィン。
『ヒットおおおおお!!ハイン選手先制点を獲得!!試合開始から1分しか経っていません。』
起き上がるアーウィン。
「くそっ・・・・・。」
構えた状態で待つハイン。
「どうした、君の力はそんなものだったか?」
「じゃあ見せてやるよ。うおおおおおおお。」
乱れ打つアーウィン。
それを次々と交わしていくハイン。
「やっぱり、癖が抜け切ってないんですね。」
「そんな・・・俺のせいで・・・。」
肩をおとしてうなだれる城介。
「どっちにしろ棄権になっちゃうんだしよかったかと。」
メイがフォローする。
「みてください。」
全員がディスプレイを見た。
なんとアーウィンがハインを圧倒してきていた。
「どう言うことだ?」
「もともとアーウィンさんはテクニックが高いですし連射に慣れるのは時間の問題ですよ。」
ハインには焦りが見え出していた。
得意芸の連射をアーウィンも覚え出していた。
そのとき、
「あああああああああああ!!」
『アーウィン選手ついに得点を撮りました。
残り11分です。』
二人が構え直す。
「いくよおおおお!!」
7発程の弾の一団を発射すると一発の弾でそれをフィールド中に飛び散らせ始めた。
「乱れ桜・・・・。いくぞおお、孔雀扇!!」
アーウィン扇型に連射し始めた。
しかしアーウィンのアタックポイントにヒット。
同時にハインのアタックポイントにもヒットした。
「うううううううっっっ!!やるな。」
「ハァハァハァ・・・・・、そっちこそ。」
『おおっと、今度は同点だああああああ!!」
ワアアアアアアアアア。
観客のボルテージがMAXになった。
「今度は君に必殺技を見せてやるよ。」
ハインの高速弾が光をまとい剣の形になる。
「だったらこっちはデッドリークロウ。」
あたりを鳩が舞出す。
「ダウンストオオオオオム!!」
ダウンストームはパラディーンフォースを跳ね返しハインのアタックポイントにヒットした。
「うあああああああああ。」
『アーウィン選手3ポイント獲得!!残り8分です。』
そこに追い打ちでフェザーブーストをヒットさせる。
「だあああああああああああ!!」
『アーウィン選手さらに4ポイントだあああああ。』
起き上がるハイン。
「負けるか・・・・・負けるか・・・・・。」
するとハインの身体からオーラが出る。
「なんだ・・・・あの黄金のオーラは。」
「いくぞおおおおお。」
ハインがゴールデンアローをセットした。
「セイントホライゾン!!」
黄金の矢を囲む光の柱がアタックポイントを貫く。
「あああああああっ!!」
吹っ飛ぶアーウィン。
『ハイン選手3ポイントだが依然負けているぞおおおお!!』
その時、セインキャリバーのヒビがまた大きくなる。
「うおおおおおおおおああああああああああ!!」
セインキャリバーのヒビから、フレームの下から、また黒い光が溢れ出す。
だが、今度のは何かが違う。
ハインを取り巻く黄金のオーラが黒く染まっていく。
立ち尽くすアーウィン。
時間は残り五分。
「うおおおおおあああああああ!!」
ヘビー級のパワーショットが連発される。
それを必死に右往左往逃げるアーウィン。
しかし疲労は溜まっていた。
「しまった。」
一瞬の隙でヒットされた。
同点・・・・、残り1分。
「僕だってまけないぞおおおお。」
反撃するアーウィン。
しかしハインの猛打の方が上だった。
『試合終了!!ハイン選手5ポイントで勝利!!
よってナイトリアスの優勝となりました。』
終わった。
長い戦いの末ハインは優勝した。
観客席のナイトリアス民がフィールドに押し寄せる。
そしてハインを胴上げする。
そのあと、閉会式が行われた。
ハインは自機の黄金のトロフィーを、セインキャリバーは主導者の証であるマントを授与された。
閉会式が終わってよるパーティが開かれた。
皆が飲み皆が食べた。
「おめでとうハイン。」
華音が歩いてくる。
美しいパーティ衣装に身を包んだ彼女に一瞬見とれてしまった。
「終わっちゃったな。」
「そうだね。もし帰ったら遊びに行っていい?」
「思い出せないのに?」
思わず笑い出す。
すると放送が入った。
選手8名はパーティ終了後スタジアムに集合してください。
「帰るのか・・・・。」
皆がそう思った。
帰れると言う嬉しさもあったが別れのさみしさもあった。
ハインはただ月を見上げるだけであった。
スタジアム
全員が服を着替え荷物をまとめていた。
「また会おうな。」
「手紙書きますね。」
暗いスタジアムで別れをかわす。
するとセインキャリバー含め各世界の神がやってきた。
「みんな、これから話すべきことがある。」
全員が唾を飲む。
その時、窓が割れ無数の窃盗ブレイカー達が侵入してきた。
「なんだなんだ!?」
緊急事態に半分以上がワイドブレイカーを構える。
しかし、そのかいもなく囲まれてしまった。
すると無数の窃盗ブレイカー達の奥から誰かが歩いてくる。
「お前は、シラー。」
「お久しぶりです。アーウィン、メイ。」
すると今度は後方からラディーゴ達。
「よおよお諸君。」
「ラディーゴ!!」
そしてマックが現れる。
「皆様しばしお静かにしてください。」
すると騒ぎを嗅ぎつけたリーブがとんできて剣を構える。
「リーブか、こいつらを蹴散らすぞ。」
セインキャリバーも剣を抜く。
しかし、リーブはセインキャリバーの首筋に剣の歯を当てた。
「何をふざけている・・・・。」
「申し訳ございませんセインキャリバー様。私はジャミ様に忠誠を誓いましたしもべ。」
するとリーブの鎧が黒く染まっていく。
「私はリリス、幻惑の戦士。」
シラーが前に出る。
「それでは皆様にご説明いたしましょう。」
彼らは暗黒神ジャミに使える闇のブレイカー帝国ジャミライア。
ジャミは数千年このゴルドランを征服しようと暗黒世界からやってきたのだが神々によって再び封印されたのだ。
しかし今その封印が解けようとしていたのだ。
「そう言うこと・・・・・。」
「で、そのジャミライアさんがなんの御用なんだよ。」
食ってかかる8人。
「ふっふっふ、あなた方の中に我らジャミライアの戦闘指揮官がおられるのですよ。」
全員が驚く。
それは要するに悪の戦士がいると言うことだ。
「デタラメを言うんじゃねえ!!」
大介がフレアドラゴンを構えてシラーに向けた。
「いいんですか、そんなことして・・・・。」
「だまれええええええ!!」
撃とうと構えたその時。
バンッ!!
撃たれた弾によってフレアドラゴンが弾き飛ばされた。
「えっっ。」
敵は誰も構えてはいない。
と言うことは・・・・仲間からの発砲だ。
「もういい・・・・、茶番は終わりだ。」
誰かが歩いてくる。
カツカツと靴音が近づいてくる。
シラーが手を向けた。
「ご紹介しましょう。ジャミライアのゴルドラン侵略攻撃指揮官・・・・・。」
そこに立っていたのは・・・・・・。
「うそ・・・・・・。」
「なんでなんだよおおおお!!」
「僕が戦闘指揮官・・・・ハインだ。」
つづく