シャドーブリンガーの魔の手
前日夜
「ぅううう、うーーーん・・・・・。」
悪夢にうなされるハイン。
目の前に現れる黒い決着弾。
わからない。
そこに描かれているのは黒い・・・・黒い剣。
ハインは恐ろしかった。
だが・・・・腕が・・・いうことを聞かない。
「いうことを・・・・・きくんだ。」
しかしダメだ、ハインは黒い決着弾をセットする。
「うあああああああああああああああ!!」
決着弾が放たれた。
その決着弾が街を世界を、炎に包んで行く。
逃げ惑う人々、泣き叫ぶ女、子供、一言で地獄のような世界が広がっていた。
「やめろ・・・・・やめてくれ・・・・。」
腕が・・・・・腕が熱い。
燃えている。
真っ黒の炎が手を焼いて行く。
火傷で手がただれる。
「セイン・・・・キャリバー!?」
燃えているのはセインキャリバーだった。
純白の鎧が・・・黒くなって行く。
「ぎゃあああああああああ!!
はぁ、はぁ・・・・・。」
「・・・・・ハイン?」
華音が心配そうに見ている。
「平気?」
「平気・・・・だよ。」
汗を拭いてくれる華音。
「明日は・・・・試合だろ・・・、もう休んでくれ・・・・・。」
「ううん、いいの。眠れないからちょうどいい。」
笑顔でタオルを絞る。
「汗がすごいね。」
「う、うん。」
再び目をつむるハイン。
怖い、怖かった。
あれは夢ではない。
セインキャリバーのヒビのしたが赤く光っていた。
脈打つように一定感覚で強く光っていた。
「さあ、試合だ。」
セインキャリバーのヒビは変わっていない。
「うん・・・・・、平気だ。」
『さあ、Bブロック決勝戦です。
ナイトリアス代表ハイン!!
フィンドル代表北条華音!!』
入場してくる2人。
「そういえば勝負ついてなかったよね。」
「そうだな・・・・。」
「じゃあ今日は勝つよ!!」
勝負が始まる。
「いくよおおおお!!」
並列殺法が決まる。
しかし、大きくそれていった。
「なぜだ・・・・。えぇい!!」
デタラメに打ち続ける。
しかし、一発も当たらない。
(何で・・・・、なんでなんだ!?)
その時!!
「だああああああああっ!!」
ハインはアタックポイントを取られた。
「手加減してるんだったらやめた方がいいわよ。」
「手加減なんかしてない!!」
「じゃあ、いくわよフラッドソリア!!」
二つの竜巻がフィールドに現れる。
「くそおっ、くそおっ!!なんでなんだ。」
竜巻に巻き込まれて弾が当たらない。
「こうなれば・・・・・ゴールデンアロー!!」
セイントホライゾンを放った。
その閃光がネプチューンソリアのアタックポイントに当たった。
「やるわね。」
「なめんなよ。」
今度は同時に乱れ打ちが始まった。
お互いがお互いのマシンをかすめながら攻撃して行く。
凄まじい攻防が繰り広げられる。
「いくぞおおおおお、パラディーンフォース!!」
パラディーンフォースはまっすぐアタックポイントを貫く。
「きゃあああああああ!!」
同点にまで追い込まれた。
しかし、待っていたのは最悪の自体だ。
フィールド上を駆け巡る強大なイナズマが走る。
ライディーンラッシュだ。
「くそおおお、こんな時に。」
「どう?もう勝ち目は無いんじゃない?」
その通りだ。
普通の弾では決着弾には勝てない。
どうすれば・・・・・。
その時、偶然弾が落ちた。
「あ、ああ・・・・・。」
漆黒の弾。
夢のやつだ。
「・・・・・これさえあれば。」
恐怖が急に気持ち良くなった。
夢の通りならば勝てる。
黒い決着弾をセットした。
「これで終わりだああああああああああ!!」
黒い弾道がフィールドを貫く。
そしてハインは勝利した。
『ついにBブロックも決着がついた。
勝者はハイン選手です。』
完成とともに花火が打ち上がる。
『明日の決勝戦はハイン選手とアーウィン選手の戦いです。』
ハインは起き上がった。
昨日までの恐怖が嘘のようだった。
「・・・・・勝てる・・・・これで。」
その手のセインキャリバーは黒いオーラを不気味にまとっていた。
つづく