意地と賭けと恋愛と
「えっ・・・・・な・・・それ。」
某然と立ち尽くす華音。
唐突に出されたメイからの賭けの誘い。
かけの対象はハイン。
「ちょっと待って、どう言うこと?」
「だから勝った方がハインさんと付き合えるんです。」
華音は尻餅をついた。
あまりの突然の出来事で膝がすくんでしまったのだ。
「待ってよ、勝手に決めないで。そうよねハイン。」
ハインがいなかった。
「ハインさんならトイレですよ。」
「えええええええ。」
「本人の前で言うわけないでしょ。」
不気味に笑うメイ。
「で、でもさ、本人なしにそれは。」
「いいですよ、自信がないってことで。」
流石の華音もこれにはブッチンしてしまったようだ。
みるみるうちに顔が真っ赤になって行く。
「いいじゃない!!勝負に乗ってあげる!!」
「ふふふ、そうこなくっちゃ。」
メイと華音がバトルフィールドに向かった。
「フゥ〜、スッキリスッキリ。
二人はいったのか・・・・おや?」
青ざめて立っている男性陣。
「どうしたの?」
「女の争いを見た。」
「へ?」
一部始終を聞くハイン。
「で、賭けの対象になったと。」
「そうなんです・・・・。」
「・・・・・・・・・。
なんで止めなかったんだよおおおおおお!!」
たかが外れたように騒ぎ出すハイン。
「いや・・・・。」
「俺たちでもとめられないって!!」
「落ち着いて落ち着いて、キャンディやるよ。」
「いらねえよ!!」
「ところで・・・・。」
声色を変えて質問する城介。
「ハインの本命はどっちなの?」
食いつくようにハインを囲む三人。
「なんなんだよおめえらは!!」
「てれんなてれんな。」
「早く言ってくださいよ。」
するとハインの顔が真っ赤になる。
「・・・・・・・・・・・華音・・・・・・。」
「じゃあ応援しないとね。」
「お熱いねえ。」
「ゴホン!!
話を変えるが、その賭けはメイが言い出したんだよな。」
すると全員が頷く。
「・・・・・あいつは見た目通りそんなに出しゃばるタイプじゃないのは確かだ。」
「そうみたいだよな・・・・・。」
「秘策があるのは必至だな。」
するとステージが騒がしくなる。
どうやらバトルが始まったようだ。
「ええええええええええい!!」
メイの変化球は今回も絶好調だった。
メイの神出鬼没な戦いにもかなり押しを出している。
一方メイはここまでまだ一発もうっていない。
まるで華音を翻弄するかのように動いている。
「おりゃあああああ!!」
ついにメイは1ポイント取られた。
「見たか。」
「まだまだ甘いですね。」
挑発するメイ。
再び怒る華音。
「なら見せてあげる必殺のフラッドソリア。」
右回転、そして左回転の弾。
その二つの弾が強烈な竜巻を発生させる。
フィールドを揺るがすその竜巻はメイを襲った。
「うううううううっ!!」
アタックポイントにヒット!!
早くも華音がリードしたかに見えた。
しかし、
メイの顔は笑顔。
これまで見たことのないような満面の笑顔だ。
「何・・・・何がおかしいの?」
するとメイは何かを取り出した。
「決着弾、スピリットロッド!!」
「ウソ・・・・・。」
メイはファントムペローネに決着弾をセットする。
「ううう、よけなきゃ。」
するとフィールド上に無数のスピリットロッドが現れ始めた。
「何これ・・・・・。」
「見せてあげる。ゴースト・・・・・。」
発射される。
その瞬間無数の弾が一斉にネプチューンソリアを襲い出す。
「いやあああああ、何よ、なんなのこれ。」
必死で逃げ回る華音。
逃げても逃げても襲いかかるその弾たち。
「ドライブ。」
ついにアタックポイントに当たってしまった。
当たっ他と同時に一斉にマシン全体に当たり出すスピリットロッド!!
「きゃああああああああああああああ!!」
激痛で倒れこむ華音。
「華音!!おきろおおおおおおおおお!!」
大声で叫ぶハイン。
その光景は絶望的だった。
華音は起き上がれない。
まるでじらすかのようにメイは各部位にわざとと当てまくる。
倒れながらも激痛にもがく華音の姿に見ていられず座り込むハイン。
「起きないなら当てちゃうわよ!!」
すると今度は本当にアタックポイントにあてた。
「ううううううううう!!」
起き上がろうと手を掛ける華音。
しかし力が入らない。
(どうしよう・・・・・負けちゃうよ・・・・、ハインも取られちゃうよ・・・・・嫌だよ・・・・・。)
突きつけられる絶望に涙が溢れ出す。
その時だった。
「起きろおおおおおおおおおおおおおお!!」
客席の方を見る。
「ううっ・・・・、なんで、そう言うことするかな・・・・ズルイよ。」
ハインだ。
大声で手を振るハイン。
「たてえええええええ、お前の方がリードしてるんだあああああああ。」
そうだ。
立て自分。勝てる、勝てるんだ。
歯を食いしばる、膝を抑える、力一杯立ち上がる。
「しつこい。」
「しつこいんじゃない。しぶといのおおおお!!」
イナズマのようなショットがフィールド中を駆け巡る。
「駆け巡れトライデント、ライディーンラッシュ!!」
その稲妻のような閃光はメイのアタックポイントを貫いた。
華音は逆転したのだ。
「負けました。やっぱり素敵ですね華音さん。」
笑顔で手を差し伸べるメイ。
手を握る華音。
「あったりまえ!!」
握手を終えると控え室に帰ったメイ。
続いて戻る華音
控え室
ハインが走ってきた。
「ハイン・・・・・。」
勝った都言う安心感からか涙がまた出てきてしまった。
思いっきり抱きつく華音。
「勝手にかけの商品にすんなよ。」
笑顔のハイン。
すると抱きついたまま頷く華音。
そうすると城介がやってくる。
「お取り込み中だけどよろしく頼むぜ。」
「こちらこそ。」
握手を交わす二人。
ついにハインの戦いが始まろうとしていた。
つづく