竜の咆哮
その日の夜
「兄貴がんばってくれよ。」
「わかってる。明日は燃えるぜ!!」
「気づいたが二人って兄弟なんですか?」
そういえば苗字は一緒だ。
「双子だよ。」
「似てねえ・・・・。」
思わず漏らすハイン。
笑い声が響く。
ついにここまで来た。
決勝トーナメント・・・・・。
これで全てが終わると言う。
その緊張というのか・・・・脱力感というのか・・・・眠れない。
そのまま日の出が来た・・・・・。
翌日
曇天の黒雲の中、決勝トーナメントが始まった。
Aブロック第一回戦が始まる。
決勝トーナメントのルールはヒットポイントバトル・・・・。
その時放送が始まる。
『さあああああ、いってみようかああああああ!!
Aブロック第一回戦
ドラゴヌアスだいひょおおおおおおお
神宮寺 大介!!
ゴーレムンだいひょおおおおおおお
万条 幸三郎!!』
二人がバトルシューターに乗ってやってくる。
スタジアム中央でバトルシューターがバトルフィールドに変形する。
「ついに来たな。」
大介が満面の笑みで答える。
すると幸三郎が挑発する。
「まあ勝つのは僕ですが。」
「決着つけようや。」
「いいですよ。」
二人が構える。
「この日のために改造したフレアドラゴン改!!一緒に燃えるぜええええええ。」
天に掲げる大介。
フレアドラゴンのクリアパーツが赤々と燃え上がった。
「僕だってゴレムP-143verZ
ついに始動!!」
負けじと幸三郎も掲げた。
「Go・・・・・・。」
「ブレイクうううううう!!」
幸三郎が連写で攻める。
「やっぱり来たか。」
大介は全く動かない。
否、動く必要がないのだ。
その時フレアドラゴンが燃え上がり出す。
「紅蓮の炎!!
ドラゴニックファイアアアアアアアアア!!」
いきなり必殺技で攻める戦法、あの時と一緒だ。
幸三郎の攻撃が弾かれる。
「あの時よりも上がってますね。」
その言葉を聞いたアーウィンが立ち上がる。
「あれが・・・・大介の本気・・・・!?」
すると城介が歩いてくる。
「いや、兄貴の本気はもっとやべえよ。」
「やっぱりな。」
思わずすくんでしまう。
「うわああああああ!!」
幸三郎のアタックポイントにあたった。
その時、
大介のアタックポイントにも当たる。
「どあああああああ!!なぜだ。」
「当たる直前にギリギリの距離で飛ばしたんですよ。」
「へえ、だったら・・・・こいつはどうだ。」
今度は強烈な連射だった。
「連射ってのはこうやるんですよ。」
ついに幸三郎がマガジンをセットした。
大介を超える連射が襲う。
「くそおおおお、ドラゴニック・・・・。」
弾が各部位を襲う。
「ぐあああっ、くっ・・・隙が・・・。」
「マガジンチェンジ。いくぞおおお必殺!!」
強烈な連続ヒットが襲った・・・・。
「激発暴発・・・ギガントレイン!!」
大介にアタックポイントを含む全ての部位に攻撃が集中する。
とどまることのない弾がマガジンから枯れるまでうち放たれた。
「・・・・・・ガハッ・・・・・。」
「とどめ・・・・・行きます・・・・・。」
そうして弾をセットし構える。
その時、
「引っかかったなああああ。」
「嘘・・・・・。」
すでに準備はできていた。
そのチャージが解き放たれた。
「ドラゴニックゥゥゥゥゥゥゥゥゥ、ファイアアアアアアアアア!!」
渾身の一撃がヒットする。
「うわああああああああ!!」
その勢いは恐ろしく幸三郎は一気に三メートルほど吹っ飛んだ。
「強い・・・・・。」
レイは思わず口からクリームソーダをこぼす。
「ハイン・・・・。」
「次で決着がつくな。」
「やりますね・・・・・大介さん。」
「なめんなよガキンチョ。」
起き上がる幸三郎はポケットから何かを出す。
決着弾だ。
「これが僕の決勝弾・・・・魔人の斧!!」
すると大介も決着弾を取り出す。
「やってやるぜ、バーニングブーメラン!!」
ほぼ同時にチェックメイトをセットした。
「うおおおおおおおお。」
「でやあああああああ。」
炎が巨大な斧が上空に現れる。
「魔神の鉄槌!!」
「デストオオオオバアアアアアアアアン!!」
巨大な炎がフィールドに現れる。
上空には巨大な斧が・・・・・。
攻撃が同時にヒットした。
お互いに倒れる二人。
弱ったバーニングブーメランが・・・・ゴレムのアタックポイントに当たった。
『試合終了おおおおおおおお!!
勝者はドラゴヌアス代表
神宮寺大介。』
「平気か?」
「うん、負けましたがね。」
歓声が起こる。
「良かった良かった。じゃあ次は僕らか・・・・。」
「負けない。」
にらみ合うアーウィンとレイ。
第二回戦の幕が切って落とされる。
つづく