対決 ハインvsジュリ
夕食をとっていると幸三郎がやってきた。
「ハインさん、さすがでしたね。」
「いいや、いつも通りさ。」
そうこう話をしていると夜も老けた。
「そろそろ眠るか?」
ハインは目をこする幸三郎に尋ねる。
「もう少し整備したいんで。」
そう言って先に幸三郎は部屋に戻った。
部屋に戻る途中共同部屋でアーウィンと大介が話していた。
「危なかったな大介。」
すると大介は椅子に崩れ落ちる。
「それ言わないで・・・今でもヒヤヒヤする。」
「はっはっは、それより明日はどうだい?」
「もちろん平気さ。」
しばらく話をした後部屋に戻った。
ベッドで横になっているとノックの音が聞こえた。
レイだった。
レイを部屋に入れるとレイは唐突に聞いてきた。
「本当に覚えてないの?」
「あぁ、うっすらとだが。」
そうするとレイは部屋を出た。
「・・・・・・ふふっ。」
レイの微笑だけが聞こえた。
それを聞いたハインもつられて少し笑った。
翌日
スタジアムは今日も満員だった。
完成が響き渡り、廊下や待合室にも響いた。
廊下を歩いていたハインはマックにすれ違った。
マックの無表情な顔が、仄暗い瞳がじっとハインを見ていた。
『さぁ本日も始まりましたワールドミレニアムウォーズ!!
本日は予選二回戦を開催いたします。
二回戦はワンポイントバトルです。
それではスタート!!』
ハインはバトルフィールドに立った。
目の前にいたのは・・・・ジュリ。
「ごきげんよう、ハイン様。」
「よぉ、ジュリ。」
にらみ合う二人。
そのにらみ合いを見た観客は唾を飲み第三ブロックが静寂とかす。
「いきますよ、マグナムクラーケン。」
「レッツセインキャリバー!!」
「いいマシンですね。」
「そっちこそ、かっこいいよ。」
3・・・・・・2・・・・・・1・・・・・・
「Goブレイク!!」「Goブレイク!!」
ついに勝負が始まった。
お互いが同時に発射する。
跳ね返った弾が弾き飛ばされ幾つかがお互いのワイドブレイカーをかすめる。
「ぐうううっ!!やるな。」
「そちらこそ、いきますよ!!」
ジュリが得意の連射を行う。
マシンガンのように降り注ぐ弾丸を右へ左へとかわすハイン。
まるで踊りでも踊るかのような華麗さであった。
「行くぞ!」
ハインが負けじと並列殺法で反撃する。
壁のように攻めてくる弾丸をよけるジュリしかしよけきれずマグナムクラーケンの右足と右腕にヒットする。
「うあああああああ!!」
叫ぶジュリ。
おかしい、大げさすぎる。
「お前・・・・もしかして・・・正式な試合は・・・。」
「初めてです。バトルスコープも二回ほどしか。」
遅れたがバトルスコープについて解説しよう。
バトルスコープはインカム型のスコープでつけることで反応速度や視力、体力を一時的に上昇させるが自機のワイドブレイカーのダメージをブレイカー本人に伝達させるのだ。
「強いな・・・。」
「ありがとうございます。」
そうするとお互いの動きが止まる。
「慣れてないならここで終わらせてやるぜ。」
「心配・・・・御無用!!」
お互いの連射の嵐。
行きかう流れ星が弾き弾かれを繰り返す。
火花が飛び散りばちばちとバトルフィールドを発光させる。
その光景に観客は絶好調。
「うおおおおおお、クラーケンがんばって。」
「セインキャリバー!!やるぞおおおおおおお!!」
お互いの攻防がつづく。
その時、
「弾が・・・・。」
「今だあああああああ!!」
ジュリの弾が切れた。
ハインの必殺パラディーンフォースがヒット。
ついに勝負がついた。
倒れこんで息を荒げるジュリ。
そこに歩いて向かうハイン。
「いい勝負だった・・・。」
するとジュリは泣いていた。
「ありがどうございまじだ!!」
涙声で握手をするジュリ。
それを見てスタジアムが拍手に包まれた。
待合室
「もう少しでフレーム割れちゃいそうだなぁ。」
ヒビの少し入ったフレームを見ているハイン。
予選決勝はどちらも強敵であることに変わりはない。
その時誰かが慌てて肩を叩く。
ジュリだ。
「ハイン様みてください。」
「ん?」
スタジアムの試合中継だった。
映っていたのは第三ブロック・・・・。
試合・・・・・終了!?
「開始から一分も経ってないぞ。」
驚くハイン。
勝者は・・・・・マック。
「相手選手のワイドブレイカーは粉々だって・・・・・・。」
何てことだ。
マックとは一体何者なのか・・・・・・。
つづく