第三話 見つけました、冒険者?
どうもお久しぶりです。
sakiです。
今回戦闘シーンを書いてみましたがうまくいきません。
かなりつたなく感じますがご容赦ください。
目が覚めて約二時間。
見知らぬ森の中をさまよい、ようやく≪索敵≫に人の反応があった。
数は五人。
ただその五人はモンスターと戦っているらしくすぐそばにモンスターの反応が一匹あった。
情報収集にはちょうどいいなと思い、僕はスキル≪気配遮断≫を発動し、五人と一匹に近づいた。
おそらく冒険者であろう彼らの戦闘を見るために僕は彼らの後方10Mも離れていない木の上に身を隠し、じっと彼らを観察する。
「ジーク、下がって!!」
「おう。」
性別は男二人女三人、種族は人が三人、エルフ、獣人が一人ずつのパーティーで年は僕とそう変わらないように見える。
大剣を持ったがたいのいい獣人の青年と双剣を巧みに操りスピードと手数で勝負している少女が前衛。
その後ろには弓を持ち、前衛を援護する華奢な少年と更に下がっておそらくマジシャン系とプリースト系のローブを着たエルフと人、二人の少女が後衛とバランスのいいパーティーだ。
対する相手はアーマーベア。
強さはちょうど中と下の間でゲーム時代では初級者と中級者を分けるLV200前後のDクラスモンスターだ。
だが、装備から見てパーティーのメンバーは全員まだギルドランクはDランク-駆け出しくらいなのだろう。
かなり苦戦を強いられているようだ。
レベルや技術、経験などまだまだ未熟だと言うのもあるがこれは相手が悪い。
アーマーベアは確かにDクラスのモンスターではあるけれどもその能力はCクラスと遜色ない。
頭や手、腕など硬質化した毛が全体を覆い、Dクラスの装備では傷はつかないしその毛を加工すれば、Cクラスの上位モンスターにも有効な防具になるほどだ。
それでもDクラスなのは一度倒し方を理解できれば簡単に倒せるのとスピードが遅く逃げやすいという理由がある。見たところ彼らの装備はDクラスくらいの平均的な物であの防御を突破できないだろう。
そして、僕の予想で獣人くんの背中への攻撃が硬い毛に弾かれた。
「くそ、堅すぎる。」
「諦めないで、もう少しで大きいの行くから。」
どうやら狙いはエルフさんの攻撃魔法らしい。
双剣さんと弓兵くんは呪文を唱えるエルフさんからアーマーベアの気を逸らすように動き回り、プリーストさんは獣人くんに支援魔法を掛けている。
アーマーベアは双剣さんに狙いを定めたらしくその身体でタックルを繰り出す。
だが身軽な双剣さんには遅い攻撃で軽やかにかわし、その腹に切り込むが火花が散るだけでダメージは与えられない。
「カイは目を狙って、私は足を狙います。ジークはアイシェとフーをカバー。」
「はい、わかりました。」
「了解。」
双剣さんの見立ては正しく、アーマーベアの全身の毛は見た目にはどれも同じで硬いように思えるが個体によって毛は柔らかくDクラスの装備でも攻撃が通る場所がある。
今対峙しているアーマーベアなら後ろ足と首の背中側だ。
慣れれば一目でわかるようになるけれど慣れない内はあの防御を貫通する重い攻撃を避け続けて全身に攻撃を加え感触を確かめなければならない。
双剣さんのようなスピードタイプの人は簡単にできるけど、今のレベルでは獣人みたいな攻撃重視や時間の掛かる魔法タイプなんかには無理な芸当だ。
(まあ、あの双剣さんも技術面だけならBランク手前くらいはありそうだしね。)
双剣さんは弓兵くんが放った矢で怯んだアーマーベアの懐に素早く潜り込んだ。
「≪十字切り(クロススラッシュ)≫」
双剣専用スキル≪十字切り≫を発動させ、きっちりと後ろ足にダメージを与えた。
僕はその双剣さんの技術におおっと感心する。
≪十字切り≫はその名の通り双剣をクロスさせるように振り抜き、軌道の重なる僅かな範囲のダメージを三倍から五倍近くまで引き上げるスキルだ。
初期に覚えられるスキルではあるが有効範囲が狭いのとステータスよりもプレイヤーの技術や感覚に左右されるスキルなので玄人向けの不人気スキルだ。
まあ、使う人が使えばなまじ上位スキル並みの威力が出るのだが…。
双剣さんは上手く使えていてダメージも四倍強までになっているのではないだろうか。
アーマーベアは切られた左の後ろ足から体のバランスを崩す。
「魔法いきます!!」
エルフさんの掛け声で双剣さんと弓兵さんがアーマーベアから距離を取る。
エルフさんの前に魔法陣が展開し淡い水色の魔力光が漏れ出る。
アーマーベアは切られた足が動かないようだ。
あれでは避けることはできないだろう。
「≪氷華一射≫。」
中級氷属性魔法≪氷華一射≫。
イメージとしては大きな氷柱がミサイルのように飛んでいく感じでその貫通力の高さとかすりでもするとそこから瞬く間に氷が広がり動きを奪う厄介さは中級属性魔法でもピカ一。
モンスターにも人にも有効な使い勝手のいい魔法だ。
エルフさんから放たれたそれはかなりの速度を持ってアーマーベアの硬い毛で覆われた眉間に当たっても砕けることなく貫通し、その巨体からは一切の力が奪われ地面に倒れ伏し氷付けにされたアーマーベアは絶命した。
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