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VRB  作者: Re:non
3/6

護衛

「・・・ところで、本当に彼は仕事する気があるのでしょうか?」

「・・・どうだろう?」

万年空席を見つめる俺。

ネームプレートには咲良(サクラ)鏡水(カガミ)とある。

「本気で最近は夜中の仕事しか来ないし、昼間の仕事を依頼しても姿を見せないんだよね。」

「さようで。」

一体昼間は何処で何をしているのだろうか?

「・・・って言うか、この世界って何なんですか?」

やけに人外が多い。

人間で言う人外は魔術師とか超能力者とか・・・取り敢えず一般人より多いのは確実だ。

人間じゃない文字通り人外というと・・・俺が会ったのは、吸血鬼、悪魔、神様とか?

「だって此処は戦争中だから。元から色々いたんだけど増えちまってな。」

類は友を呼ぶてきな感じなのだろう。

「・・・そうそう、護衛任務がきてるぞ。」

「護衛・・・ですか?」

「魔術医師の知り合いがさ、ちと危険なところに行くらしい。だからだと。」

「自己防衛手段はないんですか?」

「あいつはあれ(・・)と契約するのに力の全部を使ったと言っていた。

だけどあいつの力はそんなモンじゃない。つまり、今の以外と契約したくないってことだろな。」

「何の話ですか?つか契約って悪魔ですか?」

「ちげぇよ。あいつは・・・って会えば分かるか。まぁ行って来い。」

「分かりましたよ。」

「最近は物騒なのが多いからなぁ、気をつけろよ?

お前と同じ加速能力者とか片翼の吸血鬼とか。わけの分からないのも沢山居るからな。」

「了解です。」

吸血鬼はともかく加速能力者なら何とかなるだろう。

「そういえば誰か借りてっていいですか?」

「弥生連れてけ。ついでに明日香と・・・香苗だな。吹雪はダメで、直夜は用事だしそんな感じで。」

「OKです。言って来ます。」

そうして4人で出かけることになった。



「で、護衛対象って誰なの?」

狭衣(サゴロモ)尋杜(ヒロト)という人らしい。」

「あぁ・・・あの人か。」

弥生は心当たりが会ったらしい。

「どんな人?」

「魔術医師・・・とは少し違うね。彼は契約してるのね。」

「悪魔じゃないって言ってたけど?」

「うん。神様と。」

神と契約?

「そんなことできるのか?」

「うん。物凄く力を持っている人だとね。あとは血筋とか・・・そんな感じね。」

「ふ~ん。」

ともかく凄いらしい。

「でも彼はもっと色々な神々と契約できるらしいね。でもしなかったとか。」

「?・・・何でだよ。」

「本人から聞いてね。」

つまり知らないのか?

「知ってるよ。でも・・・ちょっとプライバシーがね。」

「わかった。」

暫く歩いてから弥生が思い出したように言う。

「私の能力使えば歩かなくていいじゃん。」

全くそのとおりだ。

彼女は虚数少女(クワイエットドールズ)と呼ばれている。

その能力は空間を切断することと接続すること。

これは多世界的にできるらしい。

だから彼女は色々な世界にいけるらしい。

「じゃぁいくよ?」

弥生は人差し指と中指を揃えて縦に切る。

そして・・・黒い裂け目ができる。

次元の裂け目ってやつか。

「入って、ちょっと歩いたら出られるから。」

「安全なのか?」

「何時も私はやってる。」

中は真っ暗だった。

すぐに出られたけど。

「って家の中じゃん!!」

「うん。お~い、尋杜!」

「やっと来ましたか。すぐ大丈夫です?」

「うん。」

弥生は親しげに話している。

「この人が?」

「誰ですか?この人は。」

正しい反応だろう。

「俺は飛島飛鳥。鋏嘩さんのところで働いている。」

「了解。自分は狭衣です。よろしく。怪我をしたらボクのところまで。」

「わかった。んで?今日は何処まで?」

「今日もまた出たらしいんで、彼。」

「誰だ?」

「加速男。何でも狙われるのは捌坂(ヤサカ)の末っ子の不良グループの連中とその場に居合わせたやつらしい。」

捌坂・・・数符(コード)の連中か。

一之瀬、二ノ城、三野宮、四月一日、五藤、六道寺、七七五分(ミツヅキ)、捌坂、西玖条、十寸見(マスミ)

数字のつく10家+その分家の一番本家に近い10家のことを数符と呼ぶ。

これらはこの国、いやこの世界で多大な権力を持っている。

特に一之瀬、二ノ城、三野宮、六道寺は世界を四分割しているといってもいいくらいだ。

「捌坂の末っ子ね。確かにいい噂は聞かないね。」

俺も聞いたことがある。

力にものを言わせて、欲しいものを奪い取る。

金だろうが、女だろうが。

「それって恨みとかじゃないのか?」

「そうだろうね。あいつらのせいで死んだやつらなんて沢山いるね、きっと。」

「それだけなら問題はない。この世界は弱いやつから死んでくのだから仕方ない。

だけど・・・だけどあいつは・・・あいつを見た人間まで殺しちまうんだよ。」

「・・・そうか。」

その加速野郎がどんな恨みを持っているのかなんか分からない。

ただ・・・罪のない人間だけは殺したくない。

「ま・・・これも都合のいい考えだけど。」

「行きますよ。今日も奴にやられた一般人の手当てです。」

「了解。」

弥生が開けた裂け目へと入る。


「此処か・・・。」

酷い。

暗い路地裏全てが赤く染められている。

よく見てみると一般人と思しき人間は手加減されている。

それでも・・・

「嫌なやり方だな・・・。」

これはかなりの恨みを持っている。

「いくらなんでもやりすぎじゃないのか?」

「ボクもそう思います。でも・・・彼の心の闇はそれほどだってことでしょう。」

「・・・出て来いよ。」

我慢できない、俺には・・・

「俺に姿を見せろ!!」

居るはずのない男に向かって叫ぶ。

なのに・・・

「お前に分かるはずがない・・・。」

冷たい囁きが聞こえてきた。

「お前みたいな奴に俺の苦しみは分からない・・・!」

何だ・・・この殺気は・・・!

「誰だ!?」

体の震えが止まらない。

「見逃してやろうと思ったが・・・止めだ。」

そして・・・音もなく目の前に男が立っていた・・・。

かなり文書がガタガタ。

その辺は多めに(ry

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