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VRB  作者: Re:non
2/6

悪魔

ーーやっと手に入れた・・・。

魔導書・悪魔の書

全世界、勿論平行世界全てでも含めて禁書扱いの本なのだ。

しかし、タイトルだけで探していたため何のための魔導書か俺はしらない。

あくまで俺は本を蒐集することに意味があるのだから。

「悪魔でも呼べるのかな・・・?」

俺には魔術の心得なんかない。

能力者でもない、ランクIの一般人だ。

だからこそ読んでも大丈夫だろうと思っただけで。

開ける。

中身は・・・ラテン語?

Quibus temporibus libri scriptum quod non occupant diaboli.

(この魔導書には悪魔が取り憑いている。)

とり憑いている?

表紙を開けてすぐにそんなことが書いてある。

次のページには魔法陣。

書いてある言葉はラテン語で

ET OCCURRENT DAEMONIA ONOCENTAURIS ET PILOSUS CLAMABIT ALTER AD ALTERUM IBI CUBAVIT LAMIA ET INVENIT SIBI REQUIEM

(荒野の獣はジャッカルに出会い 山羊の魔神はその友を呼び 夜の魔女は、そこに休息を求め 休む所を見つける。)

俺は魔法陣から目が離せなかった。

この言葉は旧約聖書のイザヤ書34章14節の引用だろう。

夜の魔女はリリスだろう。

山羊の魔神はバフォメットと解釈できるらしいから・・・結局どちらにしろ悪魔だ。

「本当に悪魔を降ろす為の本だったりしてな・・・。」

まぁ残念ながら、俺には魔術なんて使えないし・・・

(・・・・・・・・・で・・・)

「は?」

今誰か何か言ったか?

(・・・を・・・んで・・・)

「なんて言ってるか全くわかんないぞ?」

本当に聞き取りにくいんだよ。

私を呼んでと聞こえる気がするが、無理だろ・・・。

「大体名前を知らないし。」

つか誰だよ。

(私に・・・名前はない・・・。)

「どう呼べっつーんだよ!」

あれか、まずは

「お前は誰だよ!」

(私は悪魔。)

「悪魔・・・?本当にこの本って・・・。」

(私を・・・呼んで)

「悪魔・・・リリス・・・バフォメット・・・メフィストフェレス・・・そうだ、フェレ・・・とか?」

(フェレ・・・それが私の名前・・・?)

「そういうことにしとけ。あまりいい名前じゃないかもしれないけど・・・」

(私の名前は・・・フェレ。私は悪魔。私の糧は生命。私は僕。我が契約主をあなたとする。)

「・・・ちょっと待て、何だって?」

糧は生命?

契約主?

混乱している間にも俺の目の前に一人の少女が現れる。

「お前・・・お前がフェレか?」

「はい、マスター。」

「どういうことだ?」

「それは・・・」ーーー



「それにしても悪魔の書か・・・。」

「そういえば悪魔って結局何なんですか?」

俺の素朴な疑問に弥生が答えてくれる。

悪魔あくまとは、宗教用語。仏教では「煩悩」や「悪」、「邪心」などを象徴する超自然的な存在のことね。

キリスト教では神に対して謀反を起こした堕天使ってことになってる。以上W○kiより抜粋。」

Wi○iかよ。

「有名なのだと、サタン、ルシファー、あとゲオルク・ファウストの呼び出したと言われているメフィストフェレスとか。

リリスとかリリムもそうね。」

「で?結局危ないのか、それは?」

「知らない。でも代償は払わされる。願いを叶える対価としてね。」

「ふーん・・・。」

なんか厄介な相手だってことは分かった。

「つか、魎とか秋市とかつれてくれば良かったな。」

「そんな時間なかっただろ?つか、同窓会じゃねぇっつの。」

ボケる鋏嘩と律儀に突っ込む直夜。

「仲いいですよね。」

「高校のときのクラスメイトだ。」

「そうそう。俺と、直夜、吹雪、魎、鏡水、雅史・・・ってさっき言った秋市な、あとは爽と・・・」

「そこまでいったらプチ同窓会でしょ。」

俺も突っ込んでおく。

つか、大体聞いたことのある名前だよな・・・。

とか考えていると、ピピピ・・・と、通話モードで回線がオープンされる。

「香苗か?」

「うん。」

「自動オープン回線は止めろっての。何回言えば・・・」

「別にほら、今は前みたいになっちゃうことは絶対ないわけじゃん?だからいいかなって、緊急だし。」

「あのことは忘れろ。んで、緊急って?」

「吹雪さんの現在位置の周りに無数の反応あり。この動きからして交戦中と推測。」

「ハッキングしたのか?」

「・・・まぁ。」

しかし、交戦中だと?

「鋏嘩さん、どうします?」

「そりゃお前・・・乱入だろ。」

腰にぶら下げた刀に手を添えている。

「好戦的すぎだろ、鋏嘩は。」

そう言いながらも直夜は術符を取り出している。

その隣で亜弥と弥生が呆れ返っていた。

まぁいいや。

俺も上着の内側へと手を入れる。

それに反応して何処からともなく二つ、銃が現れる。

M92FとM93R、俺の愛銃だ。

他にもあるが、普段はこいつ等だけだ。

「いつも思うけど、それどうやって出してるの?」

「そんなこと俺の親父に聞いてくれ。」

俺にだってわからん。

VRBが現実世界に干渉して魔力素子に影響を与えてとかなんかそんな感じらしい。

俺はそこまで頭がいいわけじゃないから分からん。

「囲まれてるなぁ・・・。」

「いつも通り、俺がターゲットの背後の防御に入ります。」

「能力・・・か。弥生、お前も行け。」

「・・・分かった。」

俺の使える能力は二つ。

一つは人の認識できない速度で移動することだ。

俺自身も移動先を認識するだけでその移動中は認識することは無理だ。

一方、弥生は・・・よく分からん。

まぁいいや。

加速。

ターゲットの後ろに入りそちら側の敵に銃弾を撃ち込む。

「・・・誰だ?」

「私のこと覚えてない?」

いつの間にか俺の隣に弥生が立っていた。

「弥生ちゃん?ってことは鋏嘩のとこが来たってことか?」

「そうです。」

吹雪さんとやらは一冊の分厚い本を片手で開けていて、それ以外には誰も居ない。

だが・・・

「フェレ、援軍だ。俺の記憶を見ろ。こいつ等には絶対攻撃を当てるなよ?」

「一人認識外の人、マスターの後ろ。」

「こいつはいい。誰が来てる?」

「弥生、鋏嘩、直夜、亜弥、それと少女が一人。」

「その少女は多分俺の妹です。」

「・・・似てない。」

「余計なお世話だ!」

つか、何処から喋ってきてんだよ!

姿見せろよ。

「取り敢えず、全員倒すぞ。」

「分かってます。」

何処からともなく降ってきたナイフに刺さって倒れていく人も居る。

これは弥生がやっているようだ。

刀に切られていく人が居るが、刀に全く当たっていない。

これは鋏嘩の仕業のようだ。

魔術によって、焼かれ、流され、埋められ、刺され、絡めとられて行く人がいる。

これは直夜と亜弥だ。

全ての攻撃を消され、毎回違う方法で倒されていく。

これは明日香の仕業だろう。

いまこの場所で戦っている人間は既に一般の域に居ない。

吹雪は悪魔を使役している。

弥生は空間を切って繋げている。

鋏嘩はラグを切っている。

直夜と亜弥は高レベルの魔術を使っている。

明日香はどういう能力なのかすら理解されない。

俺の速さには誰もついてこられない。

この中を逃げられそうなのは、前に一度だけ会った、二つ名を無限幸福(LoopLuck)位だろう。

「終わりっと。」

吹雪が本をパタンと閉じる。

「ご苦労様。」

「言うほどじゃなかったな。恵んとこは何を考えてるんだか。」

「さぁな。つか、鋏嘩たちは何をしに来た?」

「クライアントの要望だ。こっちの陣営に入ってくれ。」

率直に鋏嘩が言う。

「気乗りしない。昨日までランクIだったんだぞ、俺は。」

「なら護衛とでも思え。お前が悪魔の書(そんなもの)を手に入れたのが悪い。」

酷い言い方だなぁ。

もう少し言い方ってのをだなぁ。

「分かった。俺とフェレとだ。」

「そこで納得するの?つか、フェレって誰です?」

俺の疑問は当然じゃないか?

だって此処に該当しそうな人は居ないし・・・

「え?君の後ろに居るよ?」

「は?」

振り向くと少女が立っていた。

・・・。

・・・・・・。

「うわぁ!?」

あまりに驚きすぎて反応が遅れた。

「大概失礼な人です。」

いや、後ろに羽ついてるし、あぁ、悪魔か。

「この子が吹雪の契約した悪魔?」

「フェレです。マスターがつけてくれた名前なのでそっちにしてください。私は気に入ってます。」

「了解だ。」

取り敢えず、店に戻ろうよ。

ね?

だって、何時敵がくるか分からないから。

そう心で思っていると、

「その少年はさっさと帰りたいそうです。」

と、フェレが懇切丁寧に解説してくれやがりました。

その言い方誤解しか生まない上に何気に心読むな、あと俺の名前は飛鳥。

妹は明日香。

と心の中で叫んでおく。

「分かりました、飛鳥。それと明日香。」

さすが・・・悪魔。

早速心を読んでくれやがりました。

くそ・・・疲れる。

疲れました。

そのうちもう一個のほうでかきましょうかねぇ・・・。

文章が拙いのは大目に見てください

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