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とりあえず正座な

何か吹っ切れたようです。駄文でよろしければどうぞ。


 その日、彼等はいつものように楽しんでいた。ある者は怪しげな実験薬を作り、ある者は筋トレという名の破壊活動に勤しみ、ある者は「締め切りのドアホ―!!!」と叫びながら執筆活動に勤しんでいたりする。その他にもいかにもフリーダムといった様子である。

 しかし、ここは勉学に励む場所、学校である。さらに言えば、本来なら授業中のはずの時間帯である。しかし、先生は誰もこの教室に足を踏み入れようとしない。以前、些細な事で彼らから総攻撃をくらい病院送りになった教師が何人もいたからだ。

 「魔王クラス」と悪名名高いこのクラスの唯一の良心であり、一番の苦労人である如月紅牙は、そろそろ自分の限界が近づいていることに気付いていた。彼はいつも、自分の気付いた範囲でクラスメイト達の暴走を止め、被害にあった人達に頭を下げたり騒ぎの後始末をしたりと走り回る日々。

 クラスメイトが怖くて何も言えない教師や他の生徒達は、常に紅牙に文句を言ったり注意をするように言ってくる。そしてクラスメイト達も紅牙に止められるたびに不平不満を漏らす。実はこっそり保健室と胃薬のお世話になりつつある。むしろ胃薬が親友状態だ。

 戦意喪失して怯えてるくせに、自分より弱いと思っている相手には自分を優位に見せようとする醜い大人。怖い危険だといいつつも野次馬根性丸出しにした揚句、結局巻き込まれて文句を言う生徒達。そして自分のやりたいこと優先で周りに及ぼす被害について無頓着なクラスメート達。


 そろそろ俺はキレても良いんじゃないか。むしろなんで俺は今までキレなかったんだ。


 ふと浮かんだその考えは、消し去るにはあまりにも大きな問題だった。第一、問題児を総動員したクラスに何故、ごく普通の学生やってた俺が入ってるんだろうか。何故自分があのアホどもの尻拭いに貴重な青春を消費しているんだろうか。紅牙がそう悩んでいる最中も、その思考をまとめさせたくないと言わんばかりに、いつものようにフリーダムに振る舞うクラスメイト達。

「あ、ヤベ…間違えた」

 怪しすぎる謎の物体を作り出す奴。しかも絶対アウトライン超えてる。

「まったく、校舎弱すぎだぞ」

 自分のミスで校舎を破壊しているのにもかかわらず、校舎のせいにするアホ。

「真剣持って来たからチャンバラしよーぜー」

「「「おおー」」」

 その時、紅牙の近くにいた比較的おとなしいクラスメイトは、確かに何かが勢い良くちぎれる音を耳にしたと言う。そして、それはおそらく紅牙のものすごく太く長かった堪忍袋の緒が切れた音だったのかもしれないとも。

 そして彼は唐突に椅子を蹴飛ばすどころか蹴り破らんばかりの勢いで立ち上がり、真剣持って来たと自慢していたクラスメイトを手刀の一撃で沈めた後、彼が持ってきていた真剣を奪い取った。ちなみに、10秒にも満たない間での出来事だった。


「もう、我慢の限界です」


 そう言って、無表情のまま真剣を慣れた手つきでスラリと抜き、その切っ先をクラスメイトに向けた。言っておくが、彼は剣道もしくは武術を習った事はなく、強いて言うなら体育の授業くらいしかない。しかし、その動作は何故か洗練されており、とても恐ろしかったと言う。

 それまで馬鹿騒ぎを繰り広げていたクラスメイト達は、彼のその行動に凍りついた様に動きを止めた。普段の彼もしくは他の誰かがやったのであれば、ただのジョークだと受け取られただろうが、今の紅牙は危険なオーラが溢れていた。

 どの位危険かというと、丁度彼の近くを飛んでいた紙飛行機がいつの間にか両断されていたりだとか、それの巻き添えのように机どころか床まで柔らかいバターの様に切れていたりとか、ずっと見ていたはずなのに誰ひとりその動きどころか音すらわからなかったというほど。怒気を纏っているのに、全くの無表情でそのくせ目が氷より冷ややかで。


大魔王が降臨なさった!!


 その時、クラスメイト一同の心が完全に一致した。急に静かになったクラスを除きに来た普通の生徒や教師たちすら凍りついていた位で、誰も銃刀法違反だのと口にできる雰囲気ではなかったと、とある教師が青くなりながら言っていた。さらにいえば、少しでも気付かれたら巻き込まれ、身動きしただけでも斬られるんじゃないかという位に殺気が溢れだしていたとも。

「お前ら、ちょっとそこに正座しろ」

 大魔王様の、何かを押し殺したような声はさらなる恐怖を呼び、教室内にいたクラスメイトの他に、廊下から覗き込んでいた生徒や教師たちも思わず正座し、中には土下座して泣きながら許しを乞う者まで現れた。

 以来、問題は激減し、問題児達も良い生徒となった。それに、もし問題が起きたとしても彼が表情を消しただけで万事解決。もしくは学校総動員で問題の後始末に乗り出す。某復活漫画の某風紀委員長よりも恐れられたとのことだ。

 ちなみに、彼が正座した者達に何をしたかは不明であり、聞こうとしても体験者たちは顔を青くするかヘタすると気絶するなどしてしまうので、大きな謎となっている。


 あいも変わらず残念クオリティ。まさに駄文。浮かんだからやった公開してるけどスッキリした。

 珍しくペース早めだけど気のせい。ここまで読んでくれてありがとうございました。

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