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好奇心は猫をも殺す(死なないよ?!)

 天然って怖いってよく言うから、そんな感じでやってみた。


「ったく兄貴の説教がウゼエんだよ」


「俺んちも。久々に帰ってきた親父が無駄に威張っててウゼエ」


「俺んちはチビ共がなー…。騒がしくておちおち本も読めやしねえ」


「俺も俺も!!かーちゃんととーちゃんが喧嘩中で居心地ワリイんだ!!」


「じゃあ、うち来る?今俺以外誰もいないし」


 と言う事で、今日は友人宅へ止まる事になった。年頃のヤロー共5人で一つ屋根の下。なんか空しいモノがあるな。花がねえ。ちょうど家族全員が出かけてる所があったからそこに決定。仲間内じゃあ一番気の弱そうな日向の家だ。


「じゃあ、飲み物持ってくるね」

 

日向の部屋に案内されて、日向本人は飲み物をとりに下に行った。高校生男子の部屋に本人がいないってんなら、恒例のイベントがあるだろう。


「よっし!本人も居なくなった所でドキドキ!?エロ本探し~!!」


「言うと思ったぜこのバカ」


「むしろ言わなかったらこいつの存在価値がわかんなくなる所だったよ」


「さり気に酷いぜ彼方と宵太!!でもよ、アイツ女無用な感じじゃん!?けど同性としては気になるじゃん!!」


「バカ野郎。俺は知らねえぞ」


「恭一は止めたって覚えとこう」


 おバカ担当の幸太が騒ぐも、俺と彼方と宵太に遠回しの却下を受けた。でも、俺はともかく他の二人は乗り気だったのか、落ち込んでいる幸太を再び持ち上げてやっぱり決行。


 3人はワイワイと騒ぎながら物色を始めた。最初に行きつくのはベット。まあ、定番だよな。大抵本に書かれてる場合もそこらへんだし。


「やっぱ定番はベットの下だろ」


「あ、何かあった………」


 出てきたのは、予想の斜め上どころか地平線行ってんじゃね?という代物だった。




「……これ、斧じゃね?」



「しかも、かなり使いこんであるっぽいんですけど」


「ついでに言えば、かなり黒ずんでるから血も吸ってるっぽいな」


 いつか見た処刑用の斧(血糊付き)でしたありがとうございました。…あれ?アイツ殺し屋じゃないかったと思うんだけど。こんなのベットの下に仕込んでるって何者。怖すぎだろこれ。3人も顔を青くしてひきつらせている。


 しかし、ここでやめとけばいいのにアイツらはムキになりやがった。




「本棚と壁の隙間とか」


「ぱっと見分からないもんな!」



「…日本刀出てきたぞ」



「……ポスターの裏!!」


「実はエロい写真が」



「……隠れ棚にナイフがぎっしり」


「…ほ…辞書や本とか!!」


「あ、ああ、真面目なカバーかけたエロ本とかな!」



「………銃が」



 3人は撃沈した。まあ、エロ本じゃ無くて逆に『銃刀法?なにそれ美味しいの?』な位に大量の危険物出てきたら怖いよな。もう3人は真っ青になってブルブル震えてるし。むしろ俺もだよ。さっきから冷や汗止まらねえよ。本を持つ手が小刻みに震えてるし。


 発見された奴は、全部『良い仕事したぜ☆』な感じで、間違っても観賞用じゃねえしマジモンだ。あいつ羊の皮かぶった狼だったのか!?と言うか、こんな危ねえ家に泊まって大丈夫なのか俺達の明日!?


 絶賛大混乱中。その言葉がぴたりと当てはまるようなある意味緊迫した部屋の静寂は、勢い良く開けられた扉の音で文字通り蹴り破られた。


「お待たせー…ってどうしたの?」


 両手がふさがってたから足で開けたらしく、蹴りの状態で固まった日向。けど、勢い良すぎだ。思いっきりバーンって音したぞ。俺結構ビクゥってなったじゃねえか。幸太達なんか心臓止まる『ピー』って音がしたぞ。って。


「うわあああ!!なに泡吹いてんだテメエら!!」


「ちょっ、これ死んでないよね生きてるよね大丈夫だよねコレェ!!」


「アハハ、川の向こうでばあちゃんが手え振ってら~」


「ダメェ!それ渡っちゃいけない川だから!!」


「うわあ、綺麗な花畑が」


「それあの世だから!!帰ってこい宵太!!」


「死神さんが凄い親切だ~」


「帰れ死神ぃ!!ついてっちゃだめだぞ彼方!!」




 その後、何とか戻ってきた3人と一緒に、危険物見ちゃったゴメンなさい。と謝ったら。


「いやぁー、見ちゃったの?恥ずかしいな~」


 その反応はおかしい。それエロ本見られての反応だったら分かるけど、危ないブツみられてする反応じゃねえ。第一、野郎が恥じらっても可愛くねえっての。


「なあ、あれってマジモンだよな」


「ウン。俺実は武器マニアでさ~。親戚の兄ちゃん達に融通してもらってんの」


「へー…。ちなみにその人達の職業は?」


「なんかマとかヤとかがつく自由業だって言ってた。詳しい事はわからないんだけどね」


「ヘーソウナンダー(ガタブルガタブル)」


「皆カッコいいよ?この間銃の撃ち方教えてもらったんだ」


「サイデスカ」


 そう言えば、クラスの女子が日向は天然だって言ってた。つまりはアレか。天然ってホント、色んな意味で凄いんだな。


 とりあえず、好奇心猫をも殺すって本当だなって思った。だって、精神的にだけど俺死んだ。3人は確実に棺桶に全身突っ込んでた。


 元ネタは弟が行った一言。

「斧がベットの下から出てきたら怖いよね」

を聞いて、気づいたら出来てた。面白かったかな?書いてた方としては結構楽しかった。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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