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チキンがタカに変わる時?

 チキンな主人公が、何かをきっかけに変わったら?と思いついて書いた物です。主にギャグのつもりです。

 隊長、何か命の危機です。隊長なんていないけど。


 どうもこんにちは。傍観者気取りの一般人です。その実質はただのチキンです。ガラスのハートの持ち主なので取扱注意なのです。


 それはともかく、現在ちょっとした命の危機に陥っています。アレです。立てこもり事件の人質になってます。まあ、僕以外にも10人近く人質居るんですけどね。


「我々はただ同志達を救いたい。しかしそれが受け入れられなかったため、仕方なく貴様らには人質になってもらう」


 とか何とか犯人は何やら屁理屈こねてます。なんか、崇高な志の元に集った仲間を解放しろ的な要求をしてます。ついでに完全武装です。爆弾のチラリズムなんて誰も望んでませんし、出来ればこれから先も出会いたくなかったです。


 その割には冷静だと思ってるそこのあなた。違います。これはただの現実逃避です。僕はチキンなのです。一般人よりも弱いハートの持ち主なのです。あ、何かお腹痛くなってきた。


 だってアレですよ?逃げないようにって完全武装したいい年こいた大人が銃突き付けて脅すんですよ?要求通らなかったら皆殺しにするって言ってんですよ?遅くなっても見せしめで誰か殺されるかもしれないんですよ!?…すみません取り乱しました。


 ですが、これでも僕は高校生。ここには僕より年下の子だっているんです。その子が、親にあやされてるとは言え泣くのを我慢しているのに、年上の僕がとりみだしたらカッコ悪いことこの上ないじゃないですか。幾らチキンでも、そんな醜態は見せたくないっていう意地があるんです。


 ちなみに、立てこもり現場になってるのは『amber』って言う喫茶店。マスターが僕のジイちゃんで、僕は手伝いをしてたんだ。…じいちゃんの夢の城が踏み荒らされてるかと思うと、正直はらわたが煮えくりかえる想いだけど、チキンで弱虫な僕は何もできない。と言うより、情けないことに怖くて体が動かないんだ。


 じいちゃんは丁度買い出しに行ってていない。僕が店番してる最中に来たんだ。運がない。でも、僕はじいちゃんっ子だから少し安心してる。…けどやっぱ怖いモノは怖いんですけどね!!


 外では警察と野次馬がわんさか。警察はともかく野次馬の方々には全力でこの場から消え去って欲しい。そんなに人の不幸が楽しいですか?これは見世物じゃないんですよ?飛んできたマスコミの人間が、ニヤニヤと笑っているだろう野次馬の人達が、酷く醜い存在のようだ。なんて、結構ギリギリな僕が思い始めた頃、一番年下の子がとうとう泣き出してしまいました。


 その子をきっかけに、爆発した。理不尽だと叫ぶ高校生達に、子供だけは助けてほしいと頼む親子と、神様仏様に助けを祈るご老人。一気に騒がしくなった店内は、一発の銃声であっけなく静まり返りました。


「騒がしい!!貴様等は人質である。貴様たちが生きているのは一重に我々の寛大なる心のお陰だと心得るが良い!!次は騒がしくした奴から撃つ」


 理不尽です!!横暴です!!なんて心の声が飛び交った気がしましたが、誰ひとり口にはしませんでした。なにせ、相手はなかなか思い通りに行かなくてイラついているマトモじゃ無い人達。そして、誰も進んで死にたいとは思いませんから。


「バカかアンタ等。今言った事っつーか全体的に理不尽すぎて笑えるぞ」


 誰ですかこんなギリギリな状況でそんな事言ったのは!!驚きですよ!?うっかり心臓止まりかけましたよ!?ついでに僕の隣にいた常連の幸田さん(70歳男性)が倒れちゃったんですけど!!なんか心臓が止まったような『ピー』って音が聞こえた気がしたんですけど!?


 倒れちゃった幸田さんを介抱しながら、うっかり突っ込んでしまった僕。でも、そんな僕達を無視して、声の主と犯人さん達の会話が始まっています。


「貴様、我々を愚弄するのか!!」


「実際してんだよバカが。だいたいよぉ、こんなちっせえガキにんな物騒なもん付きつけてる時点でお前等の人間性が終わってる事に気付けってんだこのタコ」


「なにぃ!!」


「年下のガキやら余生を楽しく過ごしてるご老人、幸せに暮らしてる家族。これ全部犠牲にしてまで救う価値があるのかよ。てか逮捕されたんだろ?いったい何やったのさ」


「我々は崇高なる志のため、悪に対し天誅を下しているのだ」


 堂々と胸を張って答えた…Cさんを


「イコール人殺しじゃねーかバカヤロー」


 とバッサリ切り捨てました。アレです。時代劇とかで『切り捨て御免』と言わんばかりの勢いでした。ちょっとどころじゃ無く胸がスカッとしました。


「貴様ぁ!!それ以上バカにする事は許さんぞ!!」


「おっと、そいつで俺を撃つのか?俺は構わねえけど、俺を撃った瞬間…いいや、これ以上何かを傷つけた時が、お前の負けだ」


 ビックリするくらいの豪胆さで言ってのけたのは、良くカウンター席の端っこの方で眠そうにしてる不良っぽい人だった。でも、顔に似合わずとても優しい人だって知ってます。だけど、こんなに頼もしい人だとは思いませんでした。

 いつも眠そうな所しか知らないので、なんて言うんでしょう。…覚醒状態の吾妻君を見るのは初めてです。でも、いつものチキンな僕だったらガクブル状態になってただろうけど、僕も何か極限状態?になってるからそこら辺は大丈夫でした。


 むしろ若干暴走した様です。吾妻君が着火してくれました。僕の何かに。


「そろそろお帰りいただけますか?ここは貴方方の様な薄っぺらい人間が土足で踏みにじって言い様な場所じゃないんですから」


 うっかり滑り出てきた言葉は、思いの外冷たく響いた。


「大体、ここがどういうところかご存知ですか?ああ、それも理解できないからこんな愚かなまねができるんですよねそれはすみませんでした。いやあ、まさかいい年こいた大人がこんな小さな子供にすら武器を向けるなんて素晴らしい脳みそをしていますねぇ。しかも店内で発砲?いっそゴキブリの脳みそと交換した方が良いんじゃないですか?」


 なんか、ふっきれちゃいました。今、自分でもかつてないほど良い笑顔浮かべて気がします。ただ、それを見た皆さんが顔を青くしているのには驚いてますけど。


                


                ~しばらくお待ちください~




 大人しく警察に自首してった、自称『世界の夜明け』(痛々しい事この上ないよね)のメンバー達。もちろん、吾妻君とタッグを組んで追い込みました精神的に。肉体的にやったら色々とめんどくさいと言う、今まで培ってきたチキンの僕がいましたから。

 

 その後、その様子を見てた幸田さん(途中から復活してました)が


「ヤクザと紳士の連係プレーが素晴らしかったです。絶対に敵に回したくありませんが。ええ、絶対にです」


 また高校生A曰く


「あれのどこがチキン!?思いっきり毒舌大魔王じゃん!!サディスティック星の紳士じゃねーのあれ!!」


 と言っていた事は余談。僕の知らない事です。


 僕はこの事件をきっかけに、少し大きくなれた気がします。ええ、全ての基本は笑顔です。

 後半グダグダになってしまいました…。最後まで読んで下さりありがとうございました!!

11月6日、加筆修正しました。

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