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風紀委員は何でも屋じゃありません。  作者: ハンサムアジフライ
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やはり月曜は一番嫌いな曜日である。

初めて書いてみました。

拙いと思いますが温かい目で読んでいただけると幸いです。

一応の説明、主人公の名前は相馬そうま 恒一こういちという設定です。

「ほら……後は君だけだ」


 そんな無責任な一言で、俺の平穏な学園生活は静かに終わりを告げた。


俺は寝ぼけ眼を擦りながら顔を上げる。

黒板には《委員会・係一覧》と、それに割り当てられたクラスメイトの名前が整然と並んでいた。

整然、というのがいけない。こういうものは、だいたい最後に残った人間を不幸にするために存在している。


「早く選びたまえ」


先生は面倒くさそうに頬杖をつきながらそう言ったが、選択肢があるかのような言い方はやめてほしい。

残っているのは、風紀委員と学級委員。

罰ゲームと罰ゲームの二択である。


「選べって言われても……風紀委員と学級委員しかないじゃないっすか」


自分でも驚くほど素直な愚痴が口から出た。

どうやら寝ぼけていると、遠慮という感情は真っ先に死ぬらしい。


「どちらでもいいから」


よくない。

どちらも俺の人生に不要だ。


一瞬だけ悩んだが、学級委員は確実に人前で話す未来が見えた。

それに比べれば、風紀委員は名前だけならまだ地味だ。


俺は黒板に自分の名前を書いた。

《風紀委員》の欄に。


その瞬間、クラスのどこかから、納得と失望が入り混じったような空気を感じた。


「恒一が……風紀委員?意外だな。てっきり図書委員か何かだと思ってたが」


隣の席の山本が、したり顔でそう言った。

こいつは席が隣というだけで、やたら話しかけてくるタイプの人間だ。


図書委員?なんだそれ。

そんな選択肢、最初から存在していなかったが。


「そうかな。俺も、高校生活で割りと重要な選択をしてる時に誰も起こしてくれないとは想定外だったよ」


自虐は、先に言った者勝ちである。

俺は軽く笑ってそう返し、そのまま机に突っ伏した。


起きていようが寝ていようが、結果は変わらない。

なら寝たほうが得だ。

俺は、友人の過ちを許せる、できた男だからな。


 その日の放課後、風紀委員の初集まりがあるらしかった。

面倒だが、初日から欠席するほど俺は腐っていない。

腐ってはいるが、まだ形は保っている。


指定された教室の扉を開けると、ガラガラという音がやけに響いた。

中では机がコの字型に並べられており、すでに何人かが席についている。


どうやら俺が最後らしい。

こういう「最後」だけは、昔からなぜか得意だ。


軽く会釈をしながら空いている席に座ると、それを合図に黒板前の人物が立ち上がった。

黒髪センターパート。姿勢良し。声も通る。

いかにも「仕事ができます」といった感じの先輩だ。


「それじゃあ、みんな集まったみたいだし、始めようか!」


テンションが高い。

風紀委員って、こんな明るくていい場所だっただろうか。

先輩は笑顔でハキハキと続ける。

「まず、僕は3年の向坂むこうざか 昂輝こうき

説明が始まったが、正直、半分も頭に入っていない。

なぜなら、俺の意識は隣の席に吸い寄せられていたからだ。


そこには、長い黒髪の女子が座っていた。

姿勢が異様なほど正しい。

制服の着こなしも隙がなく、まるで「規則」という概念を人の形にしたようだ。


――ああ、これは真面目な人だ。


そう確信したところで、先輩がパン、と手を鳴らす。


「じゃあ、今説明した通り、曜日ごとに分かれてくれるかな!」


……今、何の説明をしたんだっけ。


完全に聞き逃した。

だが、今ここで聞き返すのは死を意味する。


「あなたも月曜担当よね。これからよろしくね」


隣の女子が、こちらを向いてそう言った。

声も落ち着いていて、余計な感情が乗っていない。


「あ、えっと……多分。よろしく」


理解していないことを悟られないように、曖昧に頷く。

人間、曖昧にしておけば大体の場面は乗り切れる。

少なくとも、今日までは。



 どうやら、この学校の風紀委員は曜日ごとにグループで分かれて行動するらしい。


彼女の名前は坂下坂下さかした 結衣ゆい。二年生。

月曜日の風紀委員担当らしい。


本来ならもう一人いるはずだが、怪我で入院中とのことだ。

つまり、当分月曜日は俺と坂下結衣の二人体制。


……不安しかない。

いや、俺が不安というより学校側が俺を月曜担当にした判断が。


その日は担当ごとに軽く挨拶をして解散となった。

仕事は来週から。


仕事の説明はされたらしいが、正直ほとんど頭に入っていない。

なぜなら俺は、その間ずっと「風紀委員って何するんだ?」という根本的な疑問と戦っていたからだ。


風紀。

守るものらしい。

俺はこれまで、風紀に守られた記憶も、守ろうと思った覚えもない。


 放課後、帰り支度をしながら廊下を歩いていると、前を歩いていた坂下結衣が足を止めた。

振り返った彼女は、相変わらず無駄のない姿勢でこちらを見る。


「来週からだから。月曜日、放課後」


確認するような口調。

忘れる前提で話しているあたり、俺への信頼はすでに底を打っているらしい。正しい判断だ。


「……善処します」


「遅刻はしないでね」


釘まで刺された。

この人、絶対真面目だ。

たぶん冗談が通じないタイプだし、融通という概念が辞書に載っていない。


坂下結衣はそれだけ言うと、さっさと行ってしまった。

背筋の伸びた歩き方。

誰がどう見ても、風紀委員の正解例。


対して俺はどうだ。

寝て、起きて、文句を言って、流されて生きているだけの男だ。


――どう考えても、配属ミスだろ。


月曜日。

憂鬱という言葉は、この曜日のために存在しているのだと思う。


読んでいただきありがとうございます。

最初委員会を選ぶシーンで最後の一人なのに2つ空いていたのは1人欠席していたからです。

作者の都合ではありません。

そこの所よろしくお願いします。

風紀委員が実際何をするのか作者自身知らないのでツッコミどころが相当多いと思いますがよろしくお願いします。

重ねて、初めての投稿で不安だらけですがコメントで色々と意見くださるとありがたいです。

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