転生の場面に時間をかける主人公および作者
しばらくして。。
「(くそ、なんで、こいつ、世界の核心をついた質問しかしてこないんだ。ハイファンタジーの転移の場面でこんなに神とか世界の真理とかについて、しつこく質問して来るの、こいつしかおらんやろ。。もっとなんか、自分の将来とか気にしろよ)
もう質問はこれくらいでいいかな?」
(そうですね。。では、これから、私はどうなるのでしょうか?)
「(やっとか。。)異世界に転移をしてもらう。転移後によく、主人公が無双するためのスキルがよく渡されるが、お前は無しだ。別に、この後、魔力がつきやすくなる体になるとか、筋骨隆々になれるとか、そういうわけではない。」
(は?(マッシュとか伏黒甚爾とかそういう類にもなれないの?!))
「は?と思ったかもしれないが、スキルというのはその人の取り柄によって変わるのだ。つまり、君はこの小説の一番最初で自分は何の取り柄もないと言っていた通りなのだから、スキルはないのだ。」
(Huh?)
「納得しろ。それでも転生するのがお前の最適解なのだからな。貴様は結局、現実世界に戻っても餅を喉に詰まらせて死ぬ運命にあるのだから。」
(。。。それで、なぜ、私はなぜ転移させられるのでしょうか?)
「貴様と同様に、前世で可哀想な暮らしを過ごしていたから、死ぬ直前に私が転移させた若者がお金に困っているからだ。どうやら、彼は金銭感覚はそこまで鈍いようではないのだが、何しろ、魔術道具が高くてな。どっちにしろ、彼の能力を十分に発揮するための生活を送る費用が足りないのだ。」
何で、こんな僕が、いきなり知らない人と一緒に過ごさないといけないの。。まぁ、でも、いいか。。
(ですが、それでは、メテン様がその異世界で価値があるものを直接的に与えれば良いのでは??)
「それは。。私が、転生・転移のみを司っている神だから、そういうことはできないのだ。だから、あなたを転移させることによって、彼を間接的に助けようとしているのだ。」
(そのお方の名前やスキルは?)
「彼の名前は、夢ゥ。スキルは夢操だ。まぁ、要するに、現代科学ではまだ解明されていない「夢」というものを操る超常的な能力だ。彼もまた、去年の今頃に餅を喉に詰まらせて死ぬ運命だった人だ。」
(本当に、僕はこの後死ぬ運命だったのですか?)
「ああ、そうだ。餅に殺されなくとも、結局、別の運命で死んでしまう運命だ。その事実は、私の存在を賭けてもいい。」
しょうがない。。現代社会に戻ることは諦めよう。元々、一人だったから、もう、どっちの世界へ行っても変わりがない。多分。それなら、変化を求めよう。