名前を呼ぶということ
ふとした瞬間、死にたくなる
帰り道に漂う夕飯の香りに、真っ暗な家に帰る時に
だけど僕の場合、ほとんど関わりのないような、クラスメイトの友達にすぎない人に名前を呼ばれた時に
嬉しいと思い、そして同時に死にたくなる
理由はきっと、自己肯定感の低さ
覚える必要のない僕を、覚えている
覚える価値もない僕を、覚えている
あなたはここにいていいよと、たとえ相手が気まぐれで覚えていただけだとしても、そう感じる
人生で初めてのプレゼントは、僕という命の形
名前を呼ばれるということは、僕という命の証明
誰に恨まれた僕でも、名前を呼んでくれるあなたが僕を肯定してくれるから
誰にも恨まれない僕は、否定することを否定されて、死にたくなる。
それでもいつか、自分すら肯定できない僕が、あなたの名前を呼べる日が訪れますように