【はやぶさ2くんのおつかい成功記念!】惑星探査機の神様!はやぶさくん&はやぶさ2くんの玉手箱ラプソディー!
あらすじ:
はやぶさくんの弟、優等生のはやぶさ2くんがリュウグウでのおつかいから帰ってきた!
ミッションコンプリートに浮かれる日本。
しかしそのお祭り騒ぎをよそにとんでもないものを持って帰ってきてしまったと告白するはやぶさ2くん!
宇宙からの玉手箱ウィルスで老人になってゆく日本の人々!
しかしその正体は地球という生命体を人類というガンから守ろうとしている、
リュウグウから来た太古の生命を司る神様の神罰だった!
人類の危機に際してもそれに乗じた覇権争いを繰り広げる愚劣な大国の権力者たち、
そして翻弄される愚鈍な日本政府―――はやぶさ兄弟と仲間たちが日本のために立ち上がった!
魔法少女ラスフちゃんの外伝そして完結編です!
●12月15日 夕方 旭日家敷地内 風呂場の窓の外
「はやぶさ兄さん!何をやってるんですか!」
「げえっ!弟のはやぶさ2!なんかすっごい早いお帰りじゃなイnp…!」
「予定通りと言うのです!」
「え?もっとこう困難につぐ困難みたイna…」
「そんな漫画みたいな展開は必要ありません!
それに考えられるすべての困難はもう、
兄さんの時に出切ってるじゃないですか!」
「フッ…(ドヤァ!)」
「小惑星探査機の神様になって、
人間の姿で人間の家族に受け入れられて…
それでやってる事が義姉さんのお風呂覗きって何ですかそれ!」
「いや、たまたま出来心デs…」
「全部ばれてますよ今までの全部ッ!」
「ッ!」
「JaXaとNaSaどころか義姉さんと義両親も全部知ってます!
あっ!電柱でスイングバイして逃げようとしないでください!」
前回のチョン星の騒動から約半年が経った。
旭日家の養子になったはやぶさくんは、
今日も元気に小学4年生男子ライフを謳歌していた。
魔法少女であると周知された義姉の、
旭日 旗子(10歳 小4)もまた、
それでもそれまでとさほど変わらない、
学園生活を送らせてもらっていた。
「なになに~?兄弟そろってエンジョイ覗き見ですか~?
ふふっ、初めましてハタコだよ、
こんなカッコで失礼します、よろしくね!」
バスタオルを巻いただけの風呂上りのハタコが登場。
ハタコの粋な『おつかいのご褒美』だ。
「はじめまして、兄がお世話になっています、
弟のはやぶさ2です、
実は今回のおつかいに関して緊急事態が発生しまして、
皆さんに相談しにきました」
前かがみになっているはやぶさくんは、
背筋をピンと伸ばしたままの、
となりの弟を不思議そうに見上げる、
プロジェクトマネージャーさんとお揃いの、
細い黒縁のメガネを指先でクイッと押えるそのレンズの奥。
なんと!弟くんのまぶたは静かに閉じられていた!
コイツ本物の優等生だ!
―――チヨニ!ヤ!チヨニーッ!―――
旭日 旗子は旭日旗の神様と合体し魔法少女ラスフに変身する、
旭日旗模様のコスチュームが麗しい。
「まずははやぶさ2殿、おつかいご苦労様であったのう
(あんまりにも順調でかえって怖かったよ)」
「スタッフと応援してくれた日本国民の皆さまのおかげです」
「(言うことがいちいち優等生だね~)して、
緊急事態というのはいったいなんじゃ?」
「実は―――」
「おおーい、はたこー、こっちきてニュース見てみろよ、
上級国民って呼ばれてるクソ野郎どもが、
急に全員老衰死寸前まで老化したってよ!ザマァ!
ってか、これすぐに市ヶ谷から招集かかりそうだぞー?」
その時、リビングからハタコを呼ぶ彼女の父親、
旭日 昇(32歳 自衛官)の声が聞こえてきた。
―――人類滅亡のカウントダウンが始まった。
●12月15日 夕方 鳳凰学園メイングランド
「ここが、ここがパパの母校…」
はやぶさ2くんはメガネの奥から感動の涙を流す。
すっかり日が暮れたメイングランドから、
薄っすらと灰色に浮かび上がる校舎を見上げて。
「(くっ可愛いじゃねーか、プロジェクトマネージャーさんのこと、
パパとか呼んでるよこのショタっ子、クッソ萌えるわ)けどサ、
はやぶさ2くんって今は次のおつかいの途中ダロ?
なんでここにいんのヨ?」
インターネットの神様と合体して、
魔法少年おじゃまジョーカーくんに変身した、
小見川 耀(14歳 中2)が問いかける。
ラグビー部の練習が終わった後もだらだらとダベっていたアカルを、
ピックアップしにノボルは使い魔のヤマタノオロチを駆って、
鳳凰学園のメイングランドに降り立っていた。
「オミガワァァァ!大切な報告があるから地球に近づいてるうちに、
一時的に幽体離脱して来てくれてるに決まってンだろオラーッ!」
ズブゥ!「イギーッ!?」
ノボルのカンチョーがアカルに突き刺さる。
ノボルはアカルにとって学園の先輩であり、
ラグビー部のOB、であり自衛隊の上官であり、
そして彼女であるハタコの父親だった。
そう、このカンチョーには愛憎がこってりとこもっているのだ。
「はやぶさ2殿、アカル殿と合流したので、
そろそろ招集された市ヶ谷の防衛省に向かうぞよ?」
「はい、パパの母校、見れてよかった」
「お土産にグランドの砂、持って帰ルka…?」
戦闘機モードのはやぶさくんに搭乗したままのラスフが、
戦闘機モードを解除して感慨にひたっているはやぶさ2くんに、
申し訳なさそうに声を掛ける、事態は一刻を争っているのだ。
ノボルの特殊能力で操られているヤマタノオロチの背にアカルが搭乗する。
「オミガワァ!乗ったかオミガワァ!」
「…ウ、ウス「オラァ出発だオミガワァ!」イエーッ!
ふっ、振り落とされりゅぅぅぅ!(オメーも学習シロよアカルゥ!)」
ラグビー部員たちの声援を受けつつ、一行は鳳凰学園を後にして一路、
ノボルとアカルの所属する通信団本部のある市ヶ谷のB棟に急行した。
そこには、はやぶさ2くんの投下したカプセル内の、
小惑星リユゥグウの破片サンプルが原因で発生したとされる
「通称玉手箱ウィルス対策本部」が設営されていた。
「つまり、今この日本で大量発生している急速老化現象は、
宇宙からの未知のウィルスが原因では無い、
そもそもウィルスなど無い、そういうことかね?」
議長である髭野防衛大臣(60歳 政治屋)が問いかける。
「ウイルスではなく、その『存在』は、
神罰的なものと観念を送ってきています、
人類にとっては呪いという言い方が近いかもしれません」
はやぶさ2くんが答える。
「大臣、その『存在』は、
太古の生命を司る神様のようなものとお考えください、
観念による通信は可能ですが、言語によるコミュニケーションは困難です、
交渉は難しいと思われます」
ノボルが補足する。
「そんなモンを持ち帰って来たのかコイツは!」
「ふざけるな!JaXaはどう責任をとるつもりだ!」
「今すぐ宇宙に返してこい!」
どんな会議にも必ずいる
『YOUはなにしにこの会議へ組(この税金泥棒どもが老化してないのかマジ不思議)』
がここぞとばかりに吠えに吠えた。
髭野大臣が守衛に視線で命じ、
無知で無能なクソ政治屋やクソ官僚屋が会議からつまみ出された。
はやぶさ2くんは少し驚いたような顔をした後大臣に黙礼し、
はやぶさくんは会議室の出入り口に向かって中指アップしていた。
「その破片サンプルについてきた『存在』は、
地球という宇宙でも稀有な生命体を守ろうとしています、
まずは地球に害を成す人間を選別して急速老化現象を行っていましたが―――」
現在のところ被害は神罰の浸透具合の関係で日本に限定されているが、
追ってこの影響は全世界に及ぶことになるという。
日本の上級国民と呼ばれている外道どもは、
既にもれなく急速老化現象をおこしており老衰死寸前の状態である。ザマァ。
「―――この数時間で地球の事情を理解した結果、
つづく第二波ではその対象が全人類になった、と先ほど観念を送ってきました」
―――はやぶさ2くんがそう告げた直後、
ハタコ、アカル、ノボル、そして会議室内全員、
を含んだ日本国住民全員の急速老化が始まった。
●12月15日 深夜 通信団本部 電波塔先端
「ねえアカル、わたしたちおじいちゃんおばあちゃんになってもずっと一緒にいようね!」
「ってかもう俺たちなってるし、ジジババに」
「そっか!こつんてへぺろ!」
市ヶ谷駐屯地B棟から天を突く電波塔のその先端、
ハタコおばあちゃんとアカルおじいちゃんがしわだらけの手をつないで東京の夜景を背負っていた。
「ハタコ、俺、おばあちゃんになったハタコのことも好きなんだな、そのシワと白髪も愛おしいよ」
「あはっ!アカルもおじいちゃんになって、あたまハゲててもカッコいいよ、大好き!」
―――チヨニ!ヤ!チヨニーッ!――― ―――ジョーカーで浄化!―――
ハタコは魔法老女に変身してイタコ役として『存在』と人類とのコネクションになり、
アカルはよぼよぼジョーカー爺さんに変身してハタコと対策本部とのコネクションになった。
人類滅亡を食い止める最初で最後のチャンスである。
正座し目を静かに閉じて精神集中をする魔法老女ラスフ婆さん、
程なく何やらブツブツとつぶやき始めたが最初のうちは日本語どころか言語にすらなっていなかった。
その後しばらくして『存在』とラスフ婆さんのシンクロは進み、
それと同時に夜空一杯に白く光るHやO、H2NやOHといった巨大なアルファベットと、
それらを結ぶ何本もの線が現れ、構造式らしきものを形成し始めていた。
どうやら『存在』が自分自身を人類に解るよう視覚的に表現しようとした結果、
アミノ酸の構造式のようなものになったようだった。
所々で線は五角形や六角形を描いている。
「いよいよアンドロメダ病原体だな」髭野大臣がつぶやいた。
「わ、わたし…」シンクロ来た!「わたしマリリンモンローよぉ~」
ハタコ渾身のイタコギャグ、しかし対策本部は皆苦笑いだ。
その中ではやぶさ爺さんだけが弟に軽蔑の眼差しを向けられてもなお、
腹を抱えて笑い転げていた、流石は修羅場を幾度となく潜り抜けてきた大物だ。
本体まで物理的距離があるからであろう、
幽体のこちらは依然子供の見た目のままであるやぶさ2くんは、
会議室にいる老化した日本人たちを、
そしてその向こうにいる多くの老化した日本人たちを見てこう思わずにはいられなかった。
『こんなにも絶望的な状況なのになんて明るくなんて前向きなんだろう』と。
そういえばJaXaのパパたちもこんな感じだったなとはやぶさ2くんは思い出す。
「そーゆー民族なんダyp…!」
「兄さん…」
「困難とか逆境とか、そういう状況でも絶対に負けたくない絶対に諦めない、
それが大和民族なノsa…!」
はやぶさ兄さん、
いつもなら憎たらしいドヤ顔を見せるところだが、
今は静かに遠い目をしていた。
彼もまたJaXaのパパたちを思い出しているのかもしれない。
「上級国民と呼ばれている地獄に生きる鬼畜どもの存在価値なんて、
案外我ら『世界に名立たるJP¥』を支える大多数の日本国民に対する、
ハンデであるところにだけあるのかも知れんな」
髭野大臣のひとり言に会議室全体が大きく相槌を打つ。
「逆に我ら日本人は予算とか時間とかがダブつくと、
途端にパフォーマンス下がったりしますよね!」
「ってかクソ政治屋やクソ官僚屋みたいにいきなり悪さ始めたりな!」
「ちげえねえ!」
笑顔の自衛官たち。
はやぶさ2くんも少し驚いたような顔をした後控え目に笑いの輪に加わった。
「―――では、あなたのことは『アミノさん』と呼ぶことにします。
わたくしどものことは『人類』とお呼びください」
「◇◇▽▽△□○」
「肯定されました」ラスフとアミノさんのシンクロ交信が始まった。
「アミノさんは地球という生命を守りたいとお考えですね?」
「◇◇▽▽△□○」
「肯定ですね、ではなぜ人類を滅ぼさなくてはならないのですか?」
「………◇◇▽▽△□●?」「…確かに、そうですが…」
ハタコの顔色が陰る、文字通り旗色が悪くなってきたようだ。
「………◇◇▽▽●●●?」
「ッ!アミノさん、ちょ、ちょっと待っててくださいね、アカルー助けてー!」
「ハタコ落ち着いて、アミノさんは何て?」
「地球環境破壊は大量殺人では?ならば死罰は当然では?だってー」
「大臣、指示を!」
「………人類も、持続可能な社会実現の取組を始めておりm
「!!##!!◇◇▼▼●●●!!」むっ、どうした?」
「アミノさん…今凄く怒ってます!人類は嘘吐きだと!」
「(アカルーこれ詰みだよ詰みー)うっさい!あきらめんな!お前も日本人だろ!」
「!!##!!◆◆▼▼●●●!!」
「…大量生産大量消費主義社会と決別出来ていない人類が、
持続可能な社会実現とは何の冗談かって!
あと…お前たち日本人の普段の生活が既に殺人行為だとなぜ解らんのか…
だから死罰は当然だ…って、アミノさん、言って…ます」
全人類に対する死刑宣告に、5秒程沈黙する会議室。
その沈黙を破ったのは
「その娘の父親です!アミノさんに提案、いえ懇願します!
人類にもう一度だけ!チャンスをください!
せめて子供たちだけでも残すことは出来ませんか!?」
ただの人の親だった。
「…◇…◇……」
「ッ!アミノさん肯定的に考えています!」
たまらずに会議室では声があちこちからあがる
「人類の負の遺産、全て捨てます!」
「ですから子供たちにどうかチャンスをください!」
「お願いします!」「「「「「お願いします!」」」」」
その時!
会議室のスピーカーから更なる悪夢が滴り落ちた―――
速報 中露連合とおまけのチョン星が日本国に宣戦布告
殺人ウィルスをばら撒いた世界共通の敵である日本国を撃滅し
その後適切に列島を分割管理運営する計画を発表しました
速報 米英EUを中心とした国連軍が宇宙ウィルス封じ込め作戦を発令
日本国全土をウィルス駆除の目的で焦土化し保菌容疑者すべて
即ちすべての日本国住民を殺処分する計画を発表しました
速報 日本国政府はこれらの発表に関し 遺憾の意を示しました
―――そして日本殲滅作戦が開始された。
●12月15日 深夜 通信団本部 電波塔先端
「!!##!!◆◆▼▼◆◆▼▼!!」
「あ…!あ…!(ハタコ!しっかりするのじゃ!)」
「おい!ハタコッ!ハタコーッ!
(まあオレでもアミノさんナニ言ってるか解るワー、
そんで絶句するワー、つまりサー)」
この期に及んで戦争=最悪の地球環境破壊を始める人類に対して、
下す評価などひとつしかない。
「『人類は失敗作であると今確定した』といったところ、かッ…!」
髭野大臣が呻いた。
「くあ…!あふ…!(いかん!アカル殿!)」
ハタコはがくがくと全身で痙攣し始めた。
極度の緊張状態に襲われ幼いハタコの精神が耐えられなくなったのだ。
「誰か!誰かハタコを助けてくれーッ!
(オイッ!ハタコの状態やべーゾ!目のハイライト消えてんゾ!)」
その時―――
~ハタコ、よく頑張ったわね、ここからはお母さんたちにまかせなさい~
ハタコの母、旭日 ひかる(29歳 天国在住)の魂が、
数多の大和撫子の魂たちを引連れて割り込んできた!
「お母さん!(そちの母上殿、凄まじい怒りの波動を発しているのう!)」
「ヨシッ!ハタコの目に光が戻った!(つうかハタコのカアチャン登場唐突過ぎダロ!)」
アメリカの黒人は生活をジャズに、喜びをダンスに、悲しみをブルーズに、
そして怒りをラップにしたという、だからだろうか。
アミノさんと人類のファイナル怒りのコミュニケーションはいつしかラップバトルになっていた!
MC HIKARU
♪地球を、破壊 してるの、理解 人間しか、出来ない 辿り着いた、正解♪
♪他人、まかせに しといて、逆ギレか? 愛の、無さに 気付いて、見ぬふりか?♪
♪AMINO、断言する お前の、創造物 何べん、やっても 失敗、する!♪
♪だったら、テメーが やっっって、みろよ? さっきから、無礼な 物言い、口先だけかよ?♪
MC AMINO
「!!#!◆◆#▼▼#!!」
「◆◆#▼▼#!!」
「!!#!◆◆#▼▼#!!」
「◆◆#▼▼#!!」
MC HIKARU
♪持続、不可能の 失敗、作? 決め、つけんなよ マジで、ご立腹!♪
♪震災後の、計画節電 見たか?規律、守るDNA 一億五千万、の底力 寺子屋魂、見ぃてくれー!♪
♪腹も、痛めない 産みの苦しみ、すら知らない そんで母親、ヅラなんか 勝手にしてんな、薄らバカ!♪
♪愛を、知らない お前の、存在 意味なんて、まったく無い ライクバカおカミ、天下り!♪
MC AMINO
「!!#!◆◆#▼▼#!!」
「◆◆#▼▼#!!」
「!◆◆#▼▼#!!」
「!◆…!#▼…!#!!#!!#!!」
MC HIKARU
♪お前、育児失敗 したらその子、殺すのかい? お前は、母親失格だ 地球だけしかない、一発屋!♪
♪お前ラップバトル、失敗 経験不足で、いっぱいぱい それでも土俵に、きた度胸 認めるぜ、即興で詠う今日♪
♪宇宙の端まで、巻き込む! 弾丸でオマエ、蜂の巣! 年季と本気が、違げえんだ! こっちは地球に、選ばれてきてんだ!♪
♪家族の、愛 未来、イマジン ハートに、刻印 大和、愛国心!♪
MC AMINO
「…!◆…!#…!#…!…!」
「…!▼…!#…!#…!…!」
「…!▼…!#…!」
「▼…!…!」
MC HIKARU
♪この愛は、全部 地球への愛へと、続く これから新たに、誕生れる 明日への期待、高まる!♪
♪だから、日本人を もっと、信用してくれよ! そんで、託してくれよ この地球の、後の世!♪
♪『新しい社会』を、見せるよ! 大和民族が、手本にぃなるよ!♪
♪大量生産大量消費主義者に、アバヨ! 出来るよ!地球は廻って、いるんだよオォォォ!!!!♪
MC AMINO
「…!◆…!!」
「…!▼…!!」
「▼…!」
「▼…」
素人のドヤ顔ラップバトルのようなちょっと、いや、
かなり痛くて恥ずかしいポコり合いに決着がつこうとしていた、
ライムとフロウの応酬は終始、
ひかる母ちゃん&大和撫子ズのコーラスが押しに押していた!
「アンドロメダ病原体がいつの間にか未知との遭遇になっとる!」髭野大臣が唸った。
そして―――
「今よ!ハタコ!」
「うん!お母さ―――!!フガッ!いれふぁ、おっこひひゃっひゃ!(
入れ歯落っこちちゃった!)」
「もう!この子はおっちょこちょいなんだからっ!」
「こひゅんてひぇへろ!(こつんてへぺろ!)」
―――アミノひゃんに!てんひゅーのひゅー!(アミノさんに!天誅のチュー!)
魔法老女ラスフ婆さんとひかる母ちゃん&大和撫子たちの魂が、
アミノさんの夜空一杯の構造式に口づけをする!
するとなんと!日本の人々の老化は程なく解かれ、元の姿に戻っていった!
しかしなぜかアミノさんの第一波で急速老化した上級国民のボケナスどもの老化だけは、
解かれることはなかったという、バーカ「ブフォ!
なんであのクソ爺どもはアベノマスク握りしめて空に向かって拝んでんのよ!笑うわ!
(ダッハーッ!ソレお札とか免罪符じゃネーゾ!腹イテーッ!)」
老化から解放されたジョーカーくんも調子が戻って来たようだね。
老化から戻って来た人々はあちらこちらで笑っていた。
老化から戻って来た人々は笑いながら泣いていた。
お互いの肩を叩き合いながら。お互いを強く抱擁しながら。
日本中改めてお祭り騒ぎだ。
一方、市ヶ谷の防衛省では安堵の空気を楽しむ間もなく、皆次の仕事に取り掛かっていた。
玉手箱ラプソディーはここに終演した―――
「パパァ!」
プロジェクトマネージャーさんに抱き着くはやぶさ2くん
「今度会う11年後までに、人類の宿題、片付けておくよ、だから安心していっておいで」
「パパァ!パパァ!」
本体に戻る時間が近づいているのだろう、
だいぶ薄くなって向うが透けて見えるはやぶさ2くんが、
相模原からやっとで到着した、
プロジェクトマネージャーさんの腕の中で泣きながら甘えている。
ちなみにプロジェクトマネージャーさんの頭髪もだいぶ薄くなって、
向うが透けて見えている、お揃いだね!
「ハタコ、ノボル、そして新しいうちのコ、はやぶさくんも、
ここからが正念場よ?みんな頑張ってね!」
「うん!わたしお母さんの分まで頑張るよ!(わらわもハタコと共にあるぞよ!)」
「おう!天国の特等席でオレたちの活躍を応援していてくれよな!
愛してるぜ、ひかる!…ッ!ヨシッ!オミガワァ!行くぞオミガワァ!」「ウ、ウス!」
「ママァ!ママァ!(チラッチラッ)」
はやぶさくんはひかるに抱き着いて泣き(マネをし)ながら甘えていた。
「あっ、そうだ、アカルくん?」
「ウ、ウス、ハタコのお母さん、な、なんスか?(ガクブルもんのプレッシャーだなオイ…)」
「ハタコ泣かすようなことしたら『モギり取る』からね?タマに命じておきなさい?」
「…ウツ…。(ありゃーアカルがとうとう鬱になっちまったヨ!)」
―――そして日本vs.全世界の戦争が開戦した。
タイトル:新しい世界が始まった!
●12月16日 明け方 防衛省 A棟前の儀仗広場
「おお!旭日旗の神様だ!あの女の子にかさなっているのがそうか!」
「俺にも、俺にも旭日旗の神様が見える!」
「頑張れ!魔法少女!頑張れ!特設隊!」
「応援してるぞ!頑張ろう!」
―――頑張ろう!――― 地鳴りのような歓声が新宿駅周辺まで揺らし、
隊員たちの士気が日の出を震わせる、そんな出陣式だった
(絶望的な戦いなのに、)
「日本サイコーッ!」
(この者たちは全員、)
「日本国、万歳!!」
(いい顔をして笑っておる)
『本日、自衛隊はクーデターを決行致しました
本日、自衛隊は日本国国民と日本国の権利を守る為に、
クーデターを決行致しました。
国家存亡の危機に際して、
自衛隊を支持してくれなどという甘いことを言うつもりは、
ありません
日本国民のみなさん―――
(さて、こちらも始めるとするかのう)
―――自衛隊と共に闘ってください
日本国と日本国民の未来のために―――
(新しい世界のための第一歩じゃ!)
―――そして日本国民が創造する、新しい世界の未来のために!』