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VS異世界人

『瞬間移動』のスキルを使いベレトに着いた。すでにガイゴンの軍が作戦会議をしていた。


「来たか異世界人。魔王様から話は聞いてる、戦えんのか?」

 正直不安だけどもう決めたことだ。

「戦えます」

「分かった、俺が五帝の二人を相手する。お前は異世界人の四人を叩け」

「あいつらを…。僕が四人は無理です!」

「魔王様はお前に期待している。あの方の期待を裏切ったら俺が殺してやる。

 証明すんだろ? 勝てば俺が推してやるから弱音を吐くな」


勝てば、か。


「分かりました。あいつらは俺が倒します」 

 ガイゴンは少し驚いた目をしていた。

「いいじゃねぇか、嫌いじゃねいぜその目。

 よし野郎ども! ベレト守って全員で祝勝会やるぞ!」

 

 兵士たちは叫んだ。この場の士気を一気に上げることに成功した。まるで戦を見てるみたいだ。

 


 


「ここら辺かな」

 僕は一人だ。一人で四人を相手する。敵は同郷で、強力なスキル持ち。

 幸い僕のスキルはバレてないからアドバンテージはある。

「顔は隠しとこうかな。僕ってバレたらなんかやだし…」

 スキル創成、『生成』。

 『生成』 

 生命以外を作り出す。


 これでフード付きのマントを生成し顔を隠す。ついでに魔法耐性と物理耐性を付けておこう。

 やっぱりチートスキルだな…。


「貴様は魔王軍幹部の者か」

 聞きなれた声がした。

「あんな弱そうなのが幹部なわけねぇだろ。雑魚だろ」

「ゆ、油断は禁物ですよ! リク君!」

「そんな大したことないよユキー。可愛いねぇ」


 一か月ぶりに会った。あの時と変わってない。でも、魔力(MP)は成長している。


「全員黙れ。誰でも構わん。剣の勇者ヨウスケが貴様を切る。お前たち手を出すなよ」

 ヨウスケは剣を抜き切りかかってきた。

 「剣舞“乱喰いの舞”」


 全てを切り裂くかの如く攻撃が来る。本来これを避けるのは困難だと思う。僕は避けれるけど。


『無の境地』の自動発動により全ての攻撃を回避した。それも最低限の動きで。


「何故俺の攻撃が当たらないんだ…。一体何者なんだ」

「次は僕の番だね。スキル創成、『重力変化』」

 ヨウスケの重力を五倍に。

 ヨウスケは両膝をついて自分の力では立てない。僕に土下座をしているような体勢になっている。


「屈辱っ、俺がこんな姿に、許せない!」

「重力変化を重力変化で相殺」


 『魔女』スキル持ちの女が重力を相殺した。


「手を出すなと言っただろう!」 

「あんた一人じゃ倒せないよ。全員で早く倒すのよ」

「アンナの言う通りだぜ、ヨウスケ。初陣が負けとかないわ」


 まあそうなるよな。アンナとは相性が悪い。多分ほとんどスキルを相殺されてしまう。仲間がいれば…。


「俺とヨウスケで前に出るから、アンナとユキで援護頼むぜ! 行くぞヨウスケ!」


 ヨウスケとリクが間合いを詰めてくる。リクは素手戦うスキル持ちだった気がする。

「そんなに避けるのが好きなら、これでもくらいな! 剛拳!」


 『無の境地』を使っているのに頬にほんの少し切り傷がついた。純粋な突く攻撃だから避けるのよりも速い…。


「剣舞“幻惑の舞”」

 目の前が歪んでいく。気づけば僕の周りに無数の桜の花びらが舞っている。次第にそれは僕を中心に渦を巻いていた。


「重力変化」

 立ち上がれない…。これは重力が十倍になっている!?


「不死鳥フェニックス!」

 炎で体全体が燃えている鳥が現れ、炎のブレスを僕にくらわせた。


「ほらな、たいして強くないだろ」

「あたしたちはまだ一人じゃ時間がかかるわ。効率よくいきましょ」

 

 異世界人四人組は勝利を確信し、無駄話をしていた。

「そうだな、早く五帝のところに行こう」



「精霊の祝福」

 炎で焼けた体が癒えていく。完全に意識はなかったが、攻撃を受ける直前に『タイマー』のスキルを創っといた。

 

 時間を決めて、自動でスキルが発動される。流石にあの状況から抜け出すことはできないからね。


「良かった、無事発動してくれて。危うく死ぬところだったよ」


 四人は驚く。何故生きていると。その隙は兵士としては致命的なミスだった。もしこの世界で生まれていて、兵士として訓練されていたらすぐに戦闘態勢をとっただろう。

 

 ほんの数秒の隙が、勝敗を分けることになる。


「瞬足」

 四人の中で一番厄介なのはアンナだ。まずはアンナを潰す。


 瞬足でアンナの目の前まで距離を詰める。誰も反応出来ていない。


「スキル創成、『崩拳』」

 アンナの溝内を思い切り殴った。肋骨の二、三本は折れただろう。これでアンナはダウン。


「この野郎!」

 リクは激昂して、我を忘れて殴ってくる。攻撃が単調になり、さっきのように攻撃が当たることはない。


「生成、“(いばら)の金剛盾”」

 (いばら)のような棘が盾の表面に無数にある。これでリクの攻撃を止める。


「痛てぇ! 俺の手が…穴だらけだ!!」

 リクは自分の手のグロさに気絶してしまった。


 僕は『生成』で“大蛇の短剣”を作った。この短剣には『麻痺』と『神経毒』が付与されている。


「俺と剣で勝負だと…。舐めるな!」

「瞬足」


 向かってくるヨウスケとすれ違う形で僕は後ろを取った。まあ、すでに短剣で切っているから毒で動けなくなっているけどね。


「毒…だど…」

 ヨウスケはその場で倒れた。


「フェニックス、あいつを倒して!」

 

 不死鳥が僕にまたブレスで攻撃を仕掛けてくる。もう丸焦げはこりごりだ…。


「スキル創成、『氷の帝王』」


『氷の帝王』

 氷属性のスキルが使える。

 寒さ耐性A

 

「凍れ」

 炎のブレスは凍り付いた。冷気が辺りを覆う。


「絶対零度」


 辺り全てが凍った。不死鳥も、四人も、大地も…。


 勝負はついた。四対一を制したのはカイトだった。


 僕って、こんなに強かったのか…。流石に疲労が溜まる。

 MPも無限とはいえ使いすぎるとよくないのかもしれない。はやくガイゴンの所に行かないと。


 カイトは歩きだした。ガイゴンがどれほど強いかは知らないが、大丈夫だろうと思い込んでいた。

 まだ知らなかった。



 “五帝”は魔王軍幹部が二人以上で互角の実力だということを…。

   


 

 

 

感想や指摘などありましたら教えていただけると大変嬉しいです。

読者の皆様と共に作品を作っていきたいと思っています。

これからもよろしくお願いします。

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